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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
529/640

ロザンワの損耗と消耗


「はーーー・・・・はぁーーー・・・」


本当にギリギリだった

目の前の光景を頭に靄が掛かっている様な状態で眺める


「そこまで、だね。」


【真祖】が壇上からそう宣告した瞬間、力が抜けてへたり込みそうになる

でもそれを必死に堪えてヨロヨロと元居た場所へ戻って行った・・・


「お疲れ様。・・・そして有難う。」


戻って来た私に対し【魔神】・・・いえクロノさんはそう言って労う

けれど私は力なく首を横に振ってしまう


「いえ・・・勝ったとは言え、この体たらくでは次戦を務める事は出来ません。」


そう・・・

結局勝利したとは言っても勝ち抜き戦である以上、私が次戦も戦い相手を弱らせる事が出来なければ戦いそのものが有利に働かない

残念ながら魔力が枯渇しかけている今の私では相手に掠り傷1つつけるのが関の山だ


「そんな事無いよ・・・ロザンワが生きている。それが最も重要な事だからね。」


そう言って微笑みかけて来るクロノさんには頭が下がるばかりだ

私は軽く一礼し、今の表情を悟られない様にする事が精一杯だった・・・



「イファン・・・逝った、か。」


思わずそう呟き焦土と化した闘技場を眺める

彼女が最後に立っていた場所は辺り一面真っ黒に焼け焦げ、そして上空から振り下ろされた炎の山により大きな陥没が出来上がっていた


「・・・彼女は何処で道を間違えたのかな。」


初めて出会った時を必死に思い出し回顧する

あの無垢で純粋な彼女であったから私は興味を示した

もしかすると【聖女】である彼女がこの世界を進化に導いてくれると微かに期待して、だが・・・

そんな彼女もいつからか狂気染みた感情を孕む様になった

その一旦が私の願い故だとは理解してはいるが・・・


「やはり私と出逢ってしまったが故に、だろうかねぇ。」


もしそうであれば私は彼ら彼女らからすれば神は神でも疫病神だな

そう考えて渇いた嗤いが己を締め付ける


「・・・さようなら。君の事は決して嫌いじゃなかったよ。」


誰に告げるでも無く、そう自分に対して発したのは私だけの秘密だ



「さて、もうと言うかやっとと言うか・・・半分が消化されたかな?」


そう言って皆の顔を見渡す

【狂悦】、【狂炎】、【狂楽】そして僕・・・

自体は佳境と言える部分まで来ているがどちらが有利だとは言い難い


「ここら辺で一気に差を付けたい所ではあるよね・・・」


「であればそろそろ私の出番でしょうかねぇ?」


そう言って【狂悦】は嬉しそうにニタニタと嗤う

確かに彼に出て貰えれば一気に場は動くだろう・・・


(良い意味でも悪い意味でもだけど、ね・・・)


けれど僕は彼の申出に対して首を横に振る

彼は手札で言えばJOKERだ

使い所を間違えなければ最凶の手札に成り得る

けれどその使い所を間違えれば最狂の手札として僕等に跳ね返って来るのだ

そう言う意味では彼より先に僕が出て行く事もやぶさかでない


「残念だけど君の出番はもう少し先だよ・・・。」


「えぇ~・・・それは残念ですねぇ・・・」


「だって君は・・・()()()()()()?」


僕がそう言葉を付け加えるとビクンと体を揺らし・・・ニチャァと嗤う

・・・本当に味方ながら厄介な性格をしているなと少しばかり呆れ返ってしまう

そんな事を思っていると・・・


「ふざけるなっ?!何が目的で私にそんな事を嘯くというのだっっ?!!!!」


僕が【狂悦】との話し合いに耽っていると、【狂炎】の怒鳴り声が場に響き渡る

また【狂炎】が厄介な事でもほざいているのかと思い、視線を彼女に向ける

すると何があったかは知らないが【狂炎】が【狂楽】に対して怒鳴っているのが目に映った


「・・・【狂炎】、どうしたの?」


少しばかりウンザリしたかの様な表情を浮かべながらそう問いかけてみた


「・・・何でもない。それより次は僕が行く。」


すると意外にも【狂炎】では無く、【狂楽】が答えながら舞台に向かって行った・・・

いつも有難う御座います!!

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