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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ロザンワと強者と恐者


(勝った・・・)


魔力を大量に消費した故に疲労困憊で脂汗を流しながらも私は勝利を確信する

聖属性の最強魔法である『神ノ兵』の顕現を成功した故に敗北は有り得ないだろう


その力は【勇者】を凌ぐ

その素早さは【拳剛】を凌ぐ

その剣捌きは【剣豪】を凌ぐ

その魔力は【魔術師】を凌ぐ

攻撃手段が少ない聖属性の中でも破格の戦力性能を有しているが故の絶対的な自信

ましてや相手は手傷を負っている基本性能の低い駒、【魔の勇者】

近接戦で『神ノ兵』が敗北する要素等はある訳がないのだ


「さぁ『神ノ兵』行きなさいっ!目の前の【勇者】を殺すのよっ!!!」


私がそう命じると肯定も否定もせず、ギッッと鈍い音を立てながら駒である【勇者】をターゲットに定めた

そして踏み込んだかと思えば剣を振りながら一気に距離を詰めていく


(後は・・・少し回復してからクロスジャッジを発動させるだけで勝利は確定する)


『神ノ兵』を意識すれば私のクロスジャッジをまともに受ける事になり、クロスジャッジに意識を向ければ『神ノ兵』に容赦なく斬られる事になるだろう


しかも対策を行おうにも常に『神ノ兵』に攻撃を受けている状態では魔力を込める事は出来ない


(完璧っ・・・完璧に勝ったっ!!!)


後は早いか遅いかの違いだけだ

そう思うと思わず口角が上がり、直に来るであろう勝利に酔いしれてしまうのだった・・・



(まさかこんな隠し玉を持っているとは・・・)


目の前で攻撃を仕掛けて来る『神ノ兵』を一瞥しながら内心で溜息をつく


(流石【聖女】と言うべきなのか、やはり【聖女】というべきでしょうか?)


目の前に現れた『神ノ兵』は名前に違わぬ強者だ

その立ち居振る舞いを一瞥するだけで只者ではないと理解出来る程に・・・

そう思った瞬間、『神ノ兵』は【聖女】の号令の下、一気にこちらへ攻撃を仕掛けて来る


(速いっ?!!!)


突発的な攻撃ではあったが辛うじて回避する

だが私のその動きをも予測していたかの様に続けざまに攻撃を繰り出してくる


(素早さと剣筋を省みるに・・・【魔王】以下程度の力量ですね。)


素早さ、攻撃力、そして攻撃を繰り出してくるタイミング

そのどれもが一定水準を優に超える相手だ

けれども【魔王】には及ばない・・・それが『神ノ兵』の攻撃を回避しながら観察した私の感想だ


(人族領の中では脅威的な存在ではありますが、ダンキさん達と組み手をしていた私からすれば不覚を取る様な相手では有りませんね。)


並みの【勇者】では敗北する事も有り得る

けれども地獄の様な訓練を日々受けていた私からすれば強者ではあっても恐者ではない

良くも悪くも効率的過ぎるが故に次の動きもある程度予測が出来る

それが私の『神ノ兵』に対する率直な感想だった


(とは言うものの・・・このまま【聖女】が成り行きを見守っているとは考えにくいですね。恐らく私とコレが戦っている隙を見て遠距離攻撃を仕掛けて来るつもりでしょう。)


目の前の攻撃を回避する事は容易い

けれども接近戦で倒す事が出来るかと問われれば否と答えざるを得ない

私の身体能力は魔法を得意とする者の中では秀でているであろうが、決して接近戦を得意とする相手を圧倒出来る程に秀でている訳では無いのだ


(であれば・・・)



『?!!!!!』


ーーゴウゥゥン!!!!ーーー


『神ノ兵』に向けてゼロ距離からファイアジャベリンを発動させる

アレからしても予想外の反撃だったのか、ファイアジャベリンを被弾して一気に距離が空く


「わざわざ大型魔法を狙わず、無詠唱で削りながら距離を空けていくしかないですね。」


そう呟きながら手を休めずに次の魔法を無詠唱で発動させていった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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