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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ゴーガンの魂願と懇願


(あぁ、痛ぇ・・・)


カラミトルの拳を受け、思わず意識を飛ばしそうになる


「ちょこまかと・・・しつけぇなっ!!!!」


だが寸での所で意識を飛ばさずに反撃を繰り出すが当然の如く俺の攻撃は回避され、そこから更に攻撃を喰らう

見ている者からすれば正に悪循環だろう

対策も無く、ただがむしゃらに大剣を振り回す大馬鹿野郎って所だろうよ

でもな・・・


ゴキッ!!!


「どしたどしたっ?!!そんな拳を何百発喰らっても効かねぇぞ?!!」


ブンッッーーー


殴られる度に意識は飛びそうになるが・・・それでも反撃の手を休めずに剣を振り回す

攻撃を受けて反撃を行い、それを回避されてまた攻撃を受ける

そんなやり取りが少しの間続いていく


ーーガンッーー



ーーブォンーー



ーーバキッーー



ーーファンーー



ーーボゴォーー



ーーブゥンーー



ーードガァーー



ーーチッッーーー


(?!!!)


どれ位続いたかは最早分からねぇが、不意に俺の攻撃がカラミトルを掠める


「おいおいおい、へばっちまったのかぁ?!!」


ーーガンッーー



ーーチッッーー


心なしか、カラミトルの攻撃も少し弱くなり、俺の斬撃も掠め始めた


(おいおい・・・コイツは不味いな。)


恐らく俺のダメージは最早尋常では無いのだろう

視界の半分は真っ赤に染まり満足に見えず、身体の節々は動かすだけで激痛が全身に走る

身体を支える足腰も痙攣しているし、穴という穴から血が出ているだろう


(だからこそカラミトルの動きは鈍った、か・・・)


コイツは良い奴だ

息子と同様一本気の通った善人とも言えるだろう

そんな当人が戦いとは言え自分は無傷で相手だけが傷ついていく

そんな事実に罪悪感が出て来ても可笑しくは無いだろう


(ったく、難儀な性格だ。お前も俺も、な。)


疲労とダメージでフラフラな自分の身体に活を入れ、フェイントを混ぜてカラミトルに反撃を行う



ーーズシャーー



俺の斬撃は手応えがあり、カラミトルの右腕に鮮血が飛び散る

まともに斬られ、反撃を出来ないでいる隙に追撃を仕掛けていった


「どしたぁ?!!お前の実力ってのはそんなもんかぁ?!!」


そう叫びながら振り回すも軌道を見切られたのか、まともな斬撃を与える事は出来ない

だが・・・それでもカラミトルは何も言わず、俺に攻撃をして来る事も無い


「おいおいおいっ!このままだと俺の勝ちだぜっ?!!お前さんの大切な人や平和とやらを願う気持ちってのはそんな程度なのかぁ?!!」


「そんな事・・・無いっ!!!!」



ーードゴォーー



俺の挑発に乗せられ、攻撃を繰り出してくる


「でも私は・・・おじちゃんを・・・これ以上・・・おじちゃんを・・・」


「うっせぇ!!!勝手に俺を弱者扱いするなっ!!」


ーーブゥンーー


ーーブゥンーー


「此処でお前が俺に勝たなきゃ、よ!【勇者】を止めなきゃなんねぇんだ!!仮にお前さん等が勝利したって・・・お前さんがもう誰も救えなくなるのは変わらねぇっ!!」


「・・・・・・」


ーーブゥンーー


ーーブゥンーー


「お前さんは誰かが与えてくれる平和を望んでいる訳じゃねえんだろ?!!自分が傷ついてでも・・・誰かを救いたいって思って戦っているんじゃねぇのかっ?!!」


「・・・でもおじちゃんがっ!!」


「・・・俺じゃねぇ。俺を傷つける事で自分が傷つく事をお前は怖がっているんだ。」


「・・・?!!」



ーーズシャーー


動揺したのか、唐突に俺の攻撃をまともに受ける

だがそれを異に返さずに言葉を続ける


「お前の性格上、自分が傷つく時ってのは身体が傷つく時じゃねぇ!!自分が誰かを傷つける時なんだ、よ!!」


ーーズシャーー


「だからこそお前は自分が傷つく事を怖がっているんだよっ!!誰かを傷つける事で自分が傷つく事を恐れているんだっ!!」


「・・・・・・」


「そんな脆弱な【勇者】なら、な・・・此処で【勇者】なんざ止めちまえーーーーっっ!!!」


そう叫ぶと同時に俺の渾身の斬撃をカラミトルに振り下ろしていった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!」

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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