ゴーガンの過去と下降
『父さん・・・話があるんだ。』
『何だ改まって・・・気持ち悪ぃぞ?』
『俺・・・国に兵士として志願したんだ。』
『?!!』
『俺、父さんの仕事に誇りを持ってる。だからこそ父さんの剣を使って国を平和にしたいんだっ!!』
『馬鹿かっ?!!俺の仕事はやたらめったら振るう為のもんじゃねぇぞっ?!!』
『分かってるよ・・・だからこそ冒険者ではなくて国防を担う兵士になりたいんだ。』
『・・・・・・』
『父さんの仕事を俺は尊敬してる・・・だからこそそれを皆に知って貰いながら国や父さんを守るような仕事をしたいんだ。』
『・・・俺の仕事を手伝ってくれても良いんだぜ?』
『ははっ!残念だけど俺には父さん程の才能も熱意も無い・・・それを俺自身が一番分かっているよ。』
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『凄いじゃないか父さんっ!!』
『んだぁ、久しぶりに顔を出したと思えば声を張り上げてよ?』
『父さんの鍛冶の腕やエンチャント付与が国に認められたんだよっ?!!二つ名だって拝命したんだってさ!!』
『あぁ・・・チョビ髭もそんな事を言っちゃいたが興味は無ぇな。』
『やっぱり父さんは凄いよっ!!・・・父さんは俺の誇りだ。』
『へっ!!お前のそんな言葉を聞くと薄ら寒くなっちまう。言っとくが金はねぇぞ?』
『金の無心なんてする筈ないだろ?父さんの武器のお陰で危険も減ったって仲間たちも感謝してたよ!!』
『・・・俺ぁ鍛冶をしてただけだ。』
『ははっ、父さんらしいや。』
◇
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◇
『・・・父さん、俺魔族領に出兵してくるよ。』
『はぁっ?!!』
『国命でかなりの兵士が魔族領に出兵する事になったんだ。』
『んな馬鹿な事があるかっ?!!』
『父さんが創った2属性エンチャントの技術が認められて、悲願だった魔族への殲滅が方針に定まったんだ・・・やっぱり父さんは凄いや。』
『馬鹿かっ!!俺の武器は人族や魔物が相手と考えて打ってて魔族の事なんざ想定しちゃいねぇ!!』
『・・・大丈夫、父さんの武器は世界一だよ。俺が必ず父さんの名声を全世界に広めて来るからねっ!!』
『俺はそんなもん求めちゃいねぇっ!!!』
『・・・国命なんだ。・・・大丈夫っ!!父さんの武器さえあれば俺は無事に戻って来るよ。もしかすると英雄として俺の名声が広まっちゃうかもしれないけれどね。そうなったら御免よ。』
『俺はお前に英雄なん『もう決まったんだっ!!今日はそれだけ、じゃあね!!』』
◇
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◇
『・・・あれ?父さんが俺を訪ねて来るなんて珍しいね。』
『・・・・・・行くのか?』
『・・・あぁ、うん。・・・決まった事だから・・・ね。』
『・・・持ってけ。』
『・・・え?』
『・・・俺の最高傑作だ。』
『っ!!』
『・・・・・・』
『あり・・・が・・・とう。・・・父さん、俺・・・必ず・・・無事に・・・戻って来る・・・よ・・・』
『・・・・・・当り前だ。無事に・・・戻って来い。』
◇
◇
◇
『・・・残念ですが。』
『そんな訳があるかっ?!!!息子には俺の最高傑作の剣を持たせたんだっ!!!アイツが魔族に殺される訳がねぇ!!!』
『アナタの最高傑作という武器は魔族に斬りかかった瞬間呆気なく折れたそうです・・・どうやらダブルエンチャントは耐久性に問題があった様で。』
『そんな訳が無ぇ!!!試行に試行を重ねたアレが易々と折れるもんかよっ?!!お前ら息子に何をしたっ?!!』
『何をしたも・・・私は戦死者の報告に参っただけでして・・・』
『そんな訳がねぇ!!ある筈がないんだぁーーーー!!!!』
◇
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『初めましてぇ【鎚の火で踊る男】さぁん?』
『・・・誰だ貴様?』
『そんなに殺気を出さないで下さいよぉ?私は貴方に真実を告げて、勧誘に来ただけですよぉ?』
『真実が何のことかは知らねぇが、勧誘はお断りだ。さっさと去ね』
『おやおやおやぁ~?本当に良いんですかぁ?貴方の最も知りたい事のお答えを用意しておりますよぉ?例えばぁ・・・ご子息が誰に何故殺されたか?等は如何でしょう?』
『っ?!!!』
◇
◇
◇
あぁそうだ・・・目の前の小娘は・・・
単純で・・・勇敢で・・・思いやりがあったブングにそっくりなんだ・・・
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