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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅳ章【クロイクニノセイタン】
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クロノの招待と正体

夜が明けて日が昇り出す頃に寝室を出た


「クロノ様、お早うございます。昨日は本当に有難う御座いました。昨夜はゆっくりお休み頂けましたでしょうか?」


「是…」

昨日はあれから色々考えた末に結論を出した

それを彼らに伝えなければならない


「クロノ様…起床になられて直ぐにお願いするのは恐縮ではありますが、ルーシャ様と村の皆が待っております。お手数をお掛けしますがご足労頂けませんでしょうか?」


「問題無し。我も其等に、伝えるべきだ…」

「あ…有難う御座います。それではこちらへどうぞ。」


そう言いながら村長宅の広間へ誘導される

広間にはルーシャ、グーガ、その他数人の獣人が待機していた


「クロノ様、お早うございます。」

「「お早うございます!!」」

ルーシャがこちらに挨拶をしてきた後に残りの皆も頭を下げてくる

…ちょっと居心地が悪い


村長に誘導された席に座ると、向かいの椅子に皆が座ってくれる

また昨日みたいに跪かれると話が進まないから助かったなと考えているとルーシャが口を開いた


「クロノ様…昨日は何度もこの命をお助け頂き誠に有難う御座います。クロノ様のお陰で私も、村の皆も生き残る事が出来ました。」


「我は、羽虫を払ったに過ぎぬ。過剰な礼は、不要だ。」

「そうは言っても何度お礼をお伝えしても足りるものではありません。その上で昨日にお伝えしたお願い事を再度お伝えするのも心苦しいのですが…【魔王】クロノ=エンドロール様、我々獣人たちの王となって頂けませんでしょうか?」

分かっていた事だけど…改めてお願いされると躊躇の気持ちが湧いてくる

彼らやこの国の人たちの人生を文字通り託されている


「……」

正直、即答するのを憚れてしまう


「我らの王になって頂く事をご承諾頂いたからと言って、クロノ様の行動を制限する事は致しません…この国をいつ捨てて頂いても結構です。衣食住に関しましても最優先で最も優れたモノをご提供させて頂きます。私たちの願いはアナタにこの国の【魔王】となって頂く…その1点のみです。」

「……」


その言葉を聞いても即答できない

僕は自分自身が単純に肩書を貸して何処かへ旅立つ事が出来る性格でない事は理解している

救える命は救いたいと思ってしまう

出来るなら王となった国の国民には笑顔でいて欲しい


(クロノ、お前は昨日悩んで決めただろう!?)

自分自身の心が自分を奮い立たせる


「我が、この国の【魔王】となる事を、望むのであれば…其等は、知るべき事由が、ある…」


「……どの様な事でしょうか?」

ルーシャが緊張した面持ちで返答してくる


「それを、伝える前に、この事由に対し、他言無用である事を、誓約せよ。それが破られた場合…我は断罪する。」

そう告げると獣人たち全員が緊張した面持ちとなる


「…例えクロノ様がこの国の【魔王】様に即位頂く事が叶いませんでしても、他言しない事をこの場で誓約させて頂きます。」

僕はその発言を聞き信用する事にした

おもむろに仮面を外し出す


王になるならば、ずっとこの仮面を付け続ける訳にはいかない

そう、僕は昨夜にこの国の王になる覚悟を決めた

僕が死んで変生させてくれた時、ブロウドさんはそれだけでは義務を放棄できないと言った


僕は彼らの命を救った

その自覚くらいは当然有る

命を救った僕がそれだけで義務を放棄できない

それをしてしまうとブロウドさんに救って貰った自分を否定する事になる


「……え?」

「ひ、人族…?」

仮面を外し、頭部を隠していたフードを脱いだ僕を彼らは驚きと恐怖の表情で眺めている


「僕は魔族です。ただ…見た目は人族なんです。」

「……!!」

ルーシャが驚いた表情のまま固まっている


「僕をこの国の【魔王】にするという事は、この見た目を受け入れなければならないという事です。皆さんは…こんな見た目の僕を受け入れる事は出来ますか?」

正直、受け入れられる事は無いと思っている

見た目が自分たちを襲い、憎悪の対象である生物と同じなのだ…


それでも救ったからには手は差し伸べるべきだ

断られてしまったら、それは仕方がない

救ったモノとしての義務は履行したと考えよう


「……ます」

そんな事を考えているとルーシャが何か呟く


「ん?」

「受け入れます!!受け入れさせてください!!クロノ様はこの国の【魔王】様になるべきです!!」

「は、はい…」



僕は立ち上がりながら叫ぶ彼女に圧倒された…



いつも有難う御座います!!

Ⅳ章にしてヒロイン(候補)の一角が爆誕ですかね…??


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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!


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