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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
506/640

真祖の思惑と困惑


ーーードドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーー


「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「ガガガガガガッガガガガッガガガッガガガッガッッ!!!!」


拳を打ち付けられる度に俺様の生命力が削り取られる

頼みの【宝珠】はこの糞餓鬼に砕かれた


(・・・俺様が、死ぬ?)


朧気ながら少しずつ死の実感が湧き上がって来る

それと同時に恐怖が俺様の心を蝕んでいく


「お・・・で・・・わ・・・った・・・」


攻撃を受けながらも敗北を伝えおうと試みるも、攻撃を受ける度に言葉が途切れて相手に伝わっていない

最早四肢は機能せず・・・今許されているのは微かながら声を吐き出すだけだ

確実に訪れる死の恐怖に恐れおののき、精一杯声を張り上げようとする


「ぼでどぉ・・・ば、ばげだぁーーーー!!!!」


そう叫んだつもりだが・・・誰も俺様の声に一瞥する素振りすらない


(いやだ死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだいやだいやだイヤダイヤダイヤダ!!!!イ・・・ヤ・・・)


そう思った瞬間、激しい衝撃音と共に意識が抗う事の出来ない何かに引っ張られるのを感じる

伊敷を手放すその瞬間・・・最後に見えたのは愉悦の表情を浮かべる・・・サイクスの顔だった・・・



「それまで、だね。勝者は【魔神連合】の【勇者】だ。」


私はそう言って愛弟子の1人であるカラミトルの勝利を宣言する

そうして椅子に身体を預けながら誇らしい気持ちを抱くと同時に若干の懸念を抱いてしまう


(彼女が相手を殺す・・・1番有り得ないと思った事が現実となった、か。)


良くも悪くもカラミトルは無垢だ

純粋でありつつも愚かであるとも言える

『皆で仲良く』・・・彼女の根底にはその様な考え()()ない

様々な思惑、要素、利益の全て不純物と断じて突き進む彼女の根底を真っ向から否定した

生きるためでは無く、明確な殺意のみを以ってポセイランを不要と断じて命を刈り取る


(それが彼女にどの様な影響を及ぼすか、だね・・・)


彼女の人格自体は好感を抱けるものの、それを維持させるつもりはない

それに労力を割くという発想もハナから存在しない

ただほぼ無傷で【魔王】に勝利した彼女は次の戦いにも出て来るで有ろうことは容易に予想できた


(となると・・・あちら(狂笑道化団)が誰を出すかな?)


アカノくんを出すのも面白いが・・・ヴァリア達の性格上それをする事は無いだろう

当人たちが出た所で盛り上がらないだろうから拒否しそうだ


(となると【聖女】かな?【勇者】と【聖女】の戦いなんて盛り上がりそうだ。)


どうやら彼女達は人族領で面識があるみたいだし、人族代表として戦う事も面白そうだ

次の戦いに思いを馳せながらまだまだ楽しませて貰える事に気持ちが昂っていった



「さて、【狂謀】・・・【狂暴】?どちらでも良いか、が死んでしまった訳だけど次は誰が出る?」


「ならば・・・次は私が出る。」


「姉さんは駄目だ。」


僕の提案にアカノが即座に名乗りを上げるが、それをすぐさま却下する

彼女は今戦闘の目玉と言うべき存在だ

且つての仲間同士で戦うという光景も捨てがたいが・・・彼女には【魔神】と戦って貰うという大役がある

その光景を捨ててまで彼女と【勇者】を戦わせることにメリットを感じない

そう言う意味では【狂悦】、【狂信】、【狂戒】、【狂楽】の誰かになる

僕個人としては・・・


「それでは私が出ましょう。」


そう言って【狂信】が手を挙げる

僕個人の意見が反映されたかの様に名乗り出てくれる彼女に対し思わず口角が上がる


「・・・【狂信】、ヤッてくれるかな?」


「えぇ、彼女には先日に戦った時の借りが御座いますので。」


「そっか。じゃあ次戦は「いや、儂が出る。」」


ほぼ本決まりになりそうな時に名乗りを上げたのは・・・【狂戒】だった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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