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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
502/640

アカノの責離と乖離


・・・父さんが死んだ


その言葉が頭に過った頃には既に父は伏し、【魔神】達が父の元へ駆けつけていた頃だった

それを客観視している自分が思いの外冷酷に思えて、渇いた笑いが思わず口から出て来る


「・・・は、はは・・・」


人生の内で最愛である者の死を2度も目撃した者は私以外にいるのだろうか?

確率的には極小の体験をしているのだろうが・・・気分としては絶望的だ

唯一の救いは父が倒れる直前に何となく満足そうな表情をしていた気がする部分だけか・・・

まぁそれも私の記憶が逃避に走っている結果なのかもしれないが等と自嘲してしまう

そんな私の思考が【真祖】の言葉で急激に現実に戻される


「それまで。勝者は・・・【狂笑道化団】の【魔王】だね。」


「っ?!!」


私が与する側が勝利判定を受けた事は喜ばしい

けれど・・・明らかに同士討ちの様に横たわる2人を見て、どうして父さんの敗北とされるのか理解出来ない


「あぁ~~・・・あのおっさんは俺様を何回殺せば気が済むんだぁ?」


いつの間にやら首と胴が結合した【狂謀】がそう言いながら立ち上がる


(・・・【宝珠】か?!!)


確かに先程も【宝珠】の力で以って生き返ってはいた

それでも1人の命を生き返らせる対価に5人の命を奪う【宝珠】で2度も生き返るとは・・・

私はその冷淡さに味方である奴に、心底虫唾が走る


「おいおいおいぃ~【狂乱】に【狂炎】、お前らの親父さんだろ?死に顔を拝まなくても良いのか?」


当人としては罪悪感も悪意も無く、至極当然の様に尋ねて来ているのだろう

けれども・・・その一言で私の頭はカッとしてしまう

思わず斬りつけようと【狂謀】の方へ殺気を向ける

けれどもそんな私の挙動を察したのか、クロノは私を手で制する


「・・・この戦いが終われば僕らの手で丁重に弔うさ。最早僕等に関係人だとしても・・・父は父だからね。」


そう告げるクロノの顔は冷静そのもので・・・何処か無理している様な表情も窺えない

そう気づいた時、私は決定的に彼と私は・・・もう違う場所に居るのだと自覚してしまう


(クロノの中では・・・もう既に父さんは居ない存在だったんだ。)


それがどうしようも無く空しく、そして彼と私の心の距離は遥かに遠い事を自覚してしまった

多分・・・もう私たちは以前の様には・・・戻れない

そして戻れるとしても・・・今の私はもう戻る気が無い・・・

私は自分自身の感情とクロノに対する絶望で・・・もう此処には居場所が無いという事を理解してしまった


「さて、【狂謀】のお陰でまた僕等が一歩リードしたけれど・・・当然そのまま出れるよね?」


「ハッ、誰に言っている?この世界の神となる俺様が有象無象に後れを取る訳ないだろうが?!」


そう言って【狂謀】は私たちに背を向けて再度戦場の方へ出向いていく

その背を見て無限に湧いて来るかの様な殺意を抑え込みながら、【魔神連合】の方へ視線を向ける


「・・・・・・」


すると其処には・・・いつもの様な明るく朗らかな表情をしていた彼女とは無縁に思える様な・・・

怒りに燃え滾りながらも、真剣な表情で【狂謀】を見据える【勇者】・・・

カラミトルが戦場に立っていた


「・・・餓鬼、次は手前が相手か?」


「・・・・・・」


戦場に再度立ち上った【狂謀】の言葉に対してカラミトルは何も言わずにただ睨みつける

その視線は【狂謀】は勿論の事、心なしか私の方にも注がれている様な気がする


「ハッ、ブルってんのか?!!【勇者】だか何だか知らねぇが・・・俺様の前は人族なんざ塵芥も同義よっ!!!」


「・・・・・・」


彼女は【狂謀】の挑発にも応じる事無く、神獣を顕現させて自分に纏いつける

その瞬間、彼女の魔力が急激に跳ね上がっていく事を私でも理解する事ができた



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