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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ルーシャの理解と機会


「ルーシャが・・・【魔王】?」


彼女の宣告に思わずオウム返しの様に呟く

それを見て2人はハニカミながら頷き説明してくる


「えぇ、お母様との訓練中のときでしたか。突如劇的に動きが良くなったんです。」


「俺たちはステータスが上がったのかと考えていたんだが・・・確認すると称号に【魔王】が追加されてました。」


「ふふっ、お母様も大層驚いておりました。【魔王】の娘が【魔王】・・・前例がない訳では無いそうですが余りの極小確率だそうです。ただ、彼女の場合は前例の無い称号の得方をしておりますが・・・」


「だよね・・・」


本来は成人の時に得た称号から派生した称号に変化する事があっても、別系統に変更される事なんて先ず無い

姉さんや父さんを例に挙げると【剣豪】から【剣王】、【剣聖】、【剣神】の順に格の高い称号となる

間違っても【剣神】から【魔王】という様な突拍子もない変化は聞いた事も無い


「強いて理由を言えば・・・あの御二方が施す地獄の訓練に身体が慣れたからですかね?」


ファーニャが苦笑しながらそう呟くとダンキも納得したかの様に頷く

内心、あの2人はどんな地獄絵図を描いたのか気になるけれど、そのお陰でルーシャが優勢なのは喜ばしい


「けどまぁ・・・僕等にとって悪い事じゃない。・・・そろそろ幕引きに移りそうだね。」


そう言いながらルーシャへと視線を戻していった



「貴様が・・・愚娘が我と同格・・・だと?」


目の前の旧【魔王】は呆然とそう呟く

全く・・・一体どこまで説明してやれば理解できるのか、私が理解に苦しむ


「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だーーーーーーーーーーー!!!!!」


突如叫んだかと思うと、相も変わらず猪突猛進に襲い掛かって来る

動揺し、焦燥し、絶望しているからこそ行える愚策・・・

【豪商】のスキルである『隠蔽』を解除し【魔王】にもなった私からすれば、回避からの反撃も容易い

しかも・・・


「ゴッ!!ガッ!!アアァ!!!ガアァァァーーーー!!!!」


私自身の攻撃力もかなり上がっている為、傷を負ったとは言え十全ではない旧【魔王】に遅れは取らない

相手の一撃に対して回避しながら二撃を与える事が出来る

純粋な攻撃力は旧【魔王】までは至らないけれど、それ以上の素早さを武器に短刀と拳で応戦していく


「ナッ!!デッ!!ギ・・・ザマゴドギ・・・!!!!」


「ふふ・・・」


私の攻撃を受けながら弱音を吐く旧【魔王】の表情を見ると・・・愉悦の感情が湧き上がる

成程・・・目の前のコレが病みつきになった気持ちも理解できない訳では無い


「フフフ・・・フフフフ・・・」


私が笑みを漏らす度に、苛立ちと恐怖の感情を表情に浮かび上がらせる

恐らく・・・目の前のコレは相手のこの表情を見たいが為に暴虐に走ったのだろう

でも


「ガアァァァァァァーーーーー!!!!!」



私の腹部への殴打に悶絶し、嘔吐する旧【魔王】を見ながらもう1つの感情が浮かび上がる


「・・・私は貴方の様にはならない。」


目の前のソレでは無く、私を私として大切に接してくれた人たちが居る

バルデインは厳しくも優しく実の父であるかの様に私に接してくれた

グーガは私を激励し、悩みを共有して実の兄の様に接してくれた

他の皆も・・・私が私である事を受け入れて接してくれた

そんな皆を裏切ってまでも・・・私はその道を選ぶという判断は有り得ない


恐怖の色が表情に染まり切り、最早立ち上がる気力すら無いソレを見て・・・


「・・・終わりです。」


「わ・・・我が・・・アアアァァァァァーーー!!!!!」


渾身の一撃を顔面目掛けて思い切り撃ち込む

すると旧【魔王】の顔面は地面にめり込み、意識を手放している


「本当は殺しても良いのですが・・・元娘としての慈悲です。」


そう言い残して私は場を後にしようと背を向けた


いつも有難う御座います!!

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