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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ルーシャの奇策と鬼策


「・・・パッチワーク?・・・命を、繋げる?」


理解出来ない言葉を発せられ、頭が未だ追いつかない

けれどそんな私の当惑した表情を見ながらも嘲る様に言葉を続ける


「そうですよぉ。命と命をね、こう・・・ちくちくと縫い付ける様に、ね。いやぁ苦労しましたよぉ。」


「そんな事出来る訳が「無いとでも言うのですかぁ?」」


「・・・えぇそうよ。そんな事出来る訳がない。」


私はそう断言する

そんな私の言葉を聞き、より嬉しそうに高らかに叫びだす


「出来る訳がないっ?!!出来ますよぉ?!!ではお伺いしますが、こちらにおわす【真祖】様は無から有、つまり何も無い所からヴァンパイア族を創造しておりますっ!!何も無い所から産み出す様な御業は未だ出来ないにしても存在する命と命を組み合わせる事は私如きでも可能ですよぉ?!!!この世界はそんな狂った世界なのですっ!!!」


「・・・・・・。」


有り得ない前例を提示されて、私はそれ以上否定はできない

確かに【真祖】様が私たちの生命を創造したと言う事実を顧みれば確かに不可能ではないと思ってしまう


「ですからぁ・・・欠損した命と命を組み合わせ、人格と人格、魔力と魔力、魔族と人族・・・そしてぇ~【魔王】と【勇者】を結合させたのですよぉ~。」


「っ?!!!」


彼の言葉に顔が強張るのが自覚できる

魔族領で最強と言われていた【魔王】、人族領で最強と言われていた【勇者】の命を組み合わせる

それがどうなる事なのかは成功しあっと言われるのならば理解が出来る


「皆さまのその表情・・・ゾクゾクきますねぇ。ご想像の通り、目の前の獣人族【魔王】が持つ身体能力、人族【勇者】の持つ魔力と魔法を得た最強の道化が誕生したのですよぉ。この場合は・・・最凶とでもお呼びしましょうかねぇ?」


「・・・話し過ぎだ。それに我は元より最強、そこに魔力と言う肉付けが可能となっただけよ。」


悦に浸る【狂悦ノ道化】と何処までも自己評価過剰な【狂滅ノ道化】を尻目に、私や【魔神】様方は驚愕の表情を浮かべてしまう


「魔法が使える獣人族【魔王】・・・確かに厄介ですね。」


貫通された脚が痛みを駆け巡らせるが、フラフラになりながらも立ち上がる

【狂滅ノ道化】はそんな私の様子を見て、見下した表情を浮かべている


「ふんっ!!愚娘が・・・大人しく戦意喪失でもしておれば可愛げがあるものの・・・全く度し難い。」


「・・・生憎、殺されかけた上に父同然の臣下を殺された相手に可愛げがあると思われたくありませんので。」


「・・・貴様如きにこれ以上時間を費やすのも勿体ない。出来ればグチャグチャにしてやりたかったが・・・焼き焦げろっ!!『ビッグバン』ッッッ!!!!」


魔法を発動させると同時に極大の火の玉が私に対して襲い掛かって来る

何処かでこの魔法を見た覚えが・・・と考えて思い出す

以前に【魔神】様が【魔王】だった頃に王城を襲撃してきた魔族が発動した魔法だ


「フハハハハハッ!!!!我に肉付けされた【勇者】最強の魔法よっ!!耐魔力の低い愚娘ではひとたまりもないわっ!!!」


確かに脚を貫通されたまま、今の私の素早さでは完全に回避させる事は出来ないだろう


「ルーシャッッ!!!」


後方から【魔神】様の焦ったかの様な声が聞こえる

私は振り返りながら大丈夫ですとでも言う様に微笑み、スクロールで身体強化を付与した後に称号【豪商】のスキルである『隠蔽』を解除する


「いまさら何をしようが遅いわっ!!精々愉快な断末魔をあげて燃え盛れっ!!」


不快なノイズを聞き流しながら、一気に駆けだして油断しきっている【狂滅ノ道化】との距離を詰めていった


「なっ?!!!」


驚愕を浮かべるソレを余所に、一気に心臓部目掛けて短刀を突き立てると、激しい咆哮の様な悲鳴が鳴り響いた

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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