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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ルーシャの悼みと痛み


「二番煎じね・・・。」


目の前の父()()()【魔王】の咆哮を受けながら思わず呟く

一度手傷を負った攻撃に対し何の策も講じないとでも思っていたのだろうか?と、その愚かしさに頭がクラクラする

全身に魔力を込めて身体能力を強化し、スキル発動直後の膠着状態である相手の首を刈る


「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」


致命傷を負った【魔王】の首筋からは鮮血が舞い散り、片膝を付きながら睨みつけて来る


「どんなに強力な力も当たらなければどうという事は有りません。私は貴方の娘だったのですから・・・貴方の手の内くらいは理解しています。」


「ぐっ・・・ぐぬぬぬ・・・」


結局の所、目の前の【魔王】には策などは存在せず、己の身体能力のみを武器にただただ蹂躙を試みる愚かしい【魔王】だった

僅か2年足らず、けれどその2年間で【魔神】様が見せてくれた強さへの深さが根本的に異なるのだ


「そのまま動かなければ延命は可能でしょうが・・・生憎と私の父同然だった家臣を殺した貴方を許す気は有りません。」


「貴様っ・・・家臣の仇の為に実の父を殺すのかっ?!!!」


「えぇ、殺します。戦場での習いもアンギスとの戦争で済ませました。それに貴方が私を娘だと思わなかったと同様、私も貴方を父だとは思っていません。」


そう言うと同時に短刀を振り、【魔王】へと一気に駆け、脳天から刺す為に宙を舞い一気に振り下ろす


(バルデイン・・・仇は取りますよ。)


渾身の想いを乗せ、仇の頭上に向かって刃を突き立てるその瞬間・・・


「あっっ!!!!」


背中に強烈な痛みが走り体勢を崩す

視認を試みようとする瞬間、今度は脚に痛みが走る


「く・・・くくくくく・・・・ガハハハハハハハハハッ!!!!」


痛みに顔を歪めつつも声のする方へ視線を向ける

すると平然と立ち上がっている父・・・【狂滅ノ道化】が得意げな表情を浮かべていた


「愚かしいな、愚娘。」


「・・・な、にをああぁぁ!!!!」


そう言った瞬間、左肩にも痛みが走る

痛みに耐えながら脚と左肩の傷口を確認すると、何かが貫通された様な小さいながらも丸い穴が出来ていた


(魔力を纏った私の身体を貫通させる程の高威力な手段・・・)


私が相手の手段を懸想していると、得意げな表情で【狂滅ノ道化】は答えを晒す


「これか?これは【魔法】だっ!!!しかもただの魔法ではないぞ?!!」


「じゅ・・・獣人族は魔力が無く魔法を使えない筈・・・」


確かに耐魔に弱い獣人である私にこの威力を与える手段があるとすれば魔法であるというのも理解できる

ただ、相手も獣人だ

獣人族の持つ魔力は極小である事は獣人族であれば誰もが知っている事だ

にも拘らず、目の前の【狂滅ノ道化】は獣人であるにも拘らず、此処まで高威力の魔法を放てる理由が分からない・・・


「ふんっ!!それはただの獣人であれば、だ。生き返った我からすれば魔法を使用するなんぞ造作もないわっ!!!」


「ハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」


【狂滅ノ道化】が得意げにそう話した瞬間、後方で待機していた【狂笑道化団】の1人が高らかに嗤う


「お嬢さぁん?そんな言葉に騙されていけませんよぉ??この【狂滅ノ道化】はねぇ、私が創り出した最高傑作なのですよぉ!!」


嗤いながら訳の分からない事を言い出すのは、先日に王城に乗り込んできたサイクス・・・【狂悦ノ道化】だった


「・・・ちっ!!【狂悦】、余計な事を言うな。」


「いやいやいやぁ・・・私の努力を貴方の適当な手柄に掠め取られるのは納得できませんからねぇ。お嬢さぁん、其処に居る【狂滅ノ道化】は貴方の父でもありながらも貴方の父ではありませぇん。」


「・・・・・・?」


確かに私は既に父とは思っていないが、奴が言うのはそう言う意味では無いのだろう

そう思うと同時ニチャァと嗤い言葉を続ける


「彼はね・・・命と命を繋げたパッチワークの様な命で生き返ったんですよぉ?」と・・・


いつも有難う御座います!!

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