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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅳ章【クロイクニノセイタン】
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クロノの獣人と蹂躙

いつも有難う御座います!!


男の言った通り、程なく荷馬車は停まる

荷馬車から降りると村人たちだろうか?獣人たちが荷馬車の方へ集まってきた


「グーガ、無事だったか?」

獣人の老人が馬車を走らせてくれた男に声を掛ける


「あぁ!その前に聞いてくれ!!俺たちは先程人族に襲われた!!それを助けてくれた御方が荷馬車の中にいらっしゃる!!決して粗相をするなよ!!」

グーガは大きい声を張り上げて皆に通達する

正直、そこまで大きい声で伝える必要が無いと思うんだけどな…


「なんと…人族に…」

「恩人が荷馬車にいるらしいぞ…気を付けろよ。」

でもそんな僕の思いとは裏腹に周りからザワザワと声が聞こえる

気を付けろって…別に害を与えようとは思っていない

もしかすると魔族領は実力主義の部分が人族より強いらしいから関係しているのかな?


「クロノ様、皆に姿を見せて頂けませんか?」

グーガにそう言われて獣人たちの前に向かうと一斉に視線が投げられる


「我はクロノ、クロノ=エンドロール也…其等も些事故気を病む事ない…」


「おぉ…」

僕がそう言うと獣人たちが感嘆を漏らす

何というか…忌諱な感じじゃなくて本当に感謝されている様な…こんな眼差しを沢山向けられたことは無かったから、何かくすぐったい感じがする


「クロノ=エンドロール様、この度はルーシャたちを人族からお救い頂きまして誠に有難う御座います。見ての通り、何もない村ではありますが…どうぞごゆるりとお寛ぎください。」

その中で先程の老人が声を掛けてくれる


「大義、也。」

そう言いながら村を見渡すと確かに栄えている感じは無かった

正直、田畑もあるものの荒れている場所も多々あるし、村全体に活気もない

獣人たちを見渡すと老人や女子供が多く、男性も少なかった


「ご存知かと思いますが…この国の【魔王】様が暗殺されて以来、男たちは首都へ向かい他国の魔王からの侵略を防いでいる状態です…」

僕が村を眺めていたからだろうか?老人が申し訳なそうに説明してくる


「其等に、罪は無い。」

僕がそう告げると同時に喧騒が響きだした


「あったぜ兄貴っ!!!魔族どもの村だーーーーー!!!!」

僕らが来た道から数十の馬が走って来る音と怒号と喧騒が近づいてくる


「ひっ!!」

後ろにいたルーシャが悲鳴を一声上げると同時に人影が見えた

姿形から察すると先ほどの人族の仲間かもしれない


「お前らやっちまえ!!女子供は捕獲しろ!!男は殺しても構わねぇ!!こいつらが、あいつ等を殺したに違ぇねぇ!!敵討ちだーーーーー!!!」

「「「おおおーーーーー!!!」」」

やはり先程の人族の仲間らしい

どうやら有無も言わさず襲い掛かって来るみたいで馬の速度が落ちる気配がない


「お、女子供はか、隠れろ!!!」

「俺たちで皆を守るんだ!!!」

「早く隠れるんだ--!!」

獣人たちは慌てふためいて女子供を逃がそうとし、老人や数少ない男たちは戦おうとしている

正直、僕はこのやり取りだけで好感を持っていた

人族の心無い連中であれば我先にと逃げ出したり、仲間を裏切り自分が逃げる時間を稼がそうとする


魔族と言っても少数の男と老人ではあの数に勝つ事は出来ないだろう

にも関わらず、この村の獣人たちは仲間を思いやり、自分たちが出来る事を行おうとしている

…例え、自分の命を犠牲にしてでも、だ


「逃亡をはかる、必要は、ない。羽虫が無数に群れようと、どうという事は、無い…」

こんな人族たちにむざむざ殺されてやる必要なんてない

だから僕は彼らを助けよう


「クロノ様…信じております。」

ルーシャが怯えながらも、こちらを見つめてくる


「クロノ=エンドロール様、我々の為に…」

獣人たちがこちらを憧憬の目で見ている気がする


僕は数歩前に進んで魔力を練る


「「おぉ…」」

魔力が右手に集約され、黒い炎の様にも見える


「あれ程の魔力が…」


「当たり前だろ?クロノ様が人族なんぞに負ける訳がねぇよ!」


「グーガ、どう言う事じゃ?」


「クロノ様はな…【魔王】様なんだからな!!」


背後で何かを話しているみたいだが今は聞き耳を立てる暇はない


「何だぁ?野郎ども!!仮面野郎からころせ!!!」

「「「おぉーーー!!」」」


瞬間、人族1人分位の真黒な球体を顕現させて

「暴喰ノ口…」

自分の最強スキルを発動させた。






いつも有難う御座います!!

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