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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅦ章【セカイノオワリノタイドウ】
479/640

アカノと決起と蹶起


「遂にこの時が来たね・・・。」


あれから時間が経過し、いよいよ今日【魔神連合】の代表者達がこの場所を訪れる

クロノが感慨深く漏らしたその言葉はどの様な意味なのだろう・・・

考えても考えても真に理解できるとは思えなかった

そしてクロノは私たちが立つ一段上の王座で見下ろしながら言葉を続ける


「【狂信】、あの御方の前で粗相をしないでね。」


「えぇ・・・必ずや喜んで頂ける様にいたしますわ。」


いつもと変わらない優し気な微笑みを浮かべて回答する

クロノはその言葉を聞いて軽く頷くと視線を移す


「【狂謀】、君の器が試される場だよ?」


「・・・えぇ、理解しております。」


クロノが【狂謀】言った意味が理解出来ないが・・・彼らなりの約束事があるのだろう

【狂謀】は眼鏡の位置を調整しながらそう答える


「【狂滅】・・・君の祖国を奪った痴れ者の仲間を屠れるんだ。そろそろ納得しても良いだろう?」


「・・・ふんっ!こうなれば代表の獣人は我が貰う。」


クロノの言葉に対しても好戦的な言葉を返す

恐らく【狂滅】は今回の戦いに納得しきれていないのだろう


「【狂楽】、僕は君を信じているよ?」


「・・・・・・」


ロキフェル・・・【狂楽】は相変わらずクロノの言葉に何も答えない

見慣れている光景なのに、心なしか【狂楽】が怒っているかの様な雰囲気を醸し出している


「【狂戒】、君の息子の命を奪った魔族に一泡吹かせてやってね。」


「・・・そいつが俺の直接的な仇でもあるめぇよ。」


クロノの挑発にもゴーガンは素気無く返す

だが・・・何処となく満足そうな表情を浮かべているのが意外だった


「【狂悦】・・・僕等も楽しもう。」


「えぇ、それであの御方が楽しんで頂ければ・・・最高ですねぇ。」


クロノの言葉に対して相変わらず【狂悦】はニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる

残忍性と不明な点が多すぎて私にとってコイツが1番不快に映る


「・・・【狂炎】、勝利を願っているよ。」


「私は勝つわ。そして・・・【狂乱】を止める。」


最後にクロノは私に声を掛ける

言葉こそ優しい内容ではあるものの・・・表情は一概にそう思っているとは言えない微妙な顔をしていた


(気付いていなかっただけ・・・いえ、気付かないふりをしていただけで・・・私とクロノの距離は此処まで離れていたのね・・・。)


その事実に失望と絶望を感じない訳では無いが・・・それも今までの私の所為だ

私は勝ってクロノとの心の距離を再度近づけると決意した


クロノは全員に一言ずつ声を掛けた後に満足そうに頷くと、前方の扉へ視線を移す

僅かながらも魔力を感じる事から・・・そう遠くない未来に相対するだろう


「招待客もやってきたみたいだね・・・。」


クロノのその言葉で各々が戦闘準備を始める

いきなり斬りつける事は無いにしても・・・この僅かな緊張感と高揚感は久しぶりだ


「さぁ始めようっ!!!世界一下らない、そして愚かなお遊びをっ!!!」


「ベッドするのは愚か者達の命・・・得るのはこの世の命運ですかぁ、確かに下らない上に愚かですねぇ~。」


「行く末はあの御方のみ・・・ですね。」


「精々足搔いてみろ、下民共。この世の暴を教えてやる。」


「割が良すぎるお遊びは・・・フフフ、嫌いでは有りませんよ。」


「・・・・・・。」


「この老体もコレでお役御免だな。」


「・・・勝つ。」


それぞれがそれぞれを奮起させる様に呟いた瞬間、目の前の扉はギギギギ・・・と緩やかに開きだす

この世の殆どが知らない内に決まる戦いが始まろうとしていた・・・

いつも有難う御座います!!

本章のメインストーリーはこれにて一先ず終了です。

間章を挟みまして最終章手前へ移行しますので何卒宜しくお願い致します。

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