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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅦ章【セカイノオワリノタイドウ】
476/640

アカノの説得と納得


「でしたら先ずは【魔神同盟】からと言う訳ですかねぇ?」


「だね。あそこにはあの御方も座していらっしゃる。僕等の戦いも暇つぶし程度には楽しんで頂けるんじゃないかな?」


「ちょ、ちょっと待ってくれっ!!!」


私を除く皆が何も声をあげない中、思わず声を荒げてしまう

だが今この場で声を上げないと・・・取り返しがつかなくなる


「ク、クロノ・・・先程の言葉は世界を滅茶苦茶にする事を諦めたという事では無い・・・のか?」


私がそう尋ねると、一瞬キョトンとした表情を浮かべる


「ぷふっ!!」


「クスクス・・・」


「ハハハ・・・」


「・・・ふんっ!!」


「・・・・・・」


そしてサイクスが笑い出したかと思うと・・・皆が皆、笑い声を嚙み殺したかの様な反応を浮かべる

いや・・・ゴーガンは俯き、クロノは呆けた表情を浮かべてる


「な、何が可笑しい?!!」


カッとなってそう言い放つが誰も異に返さない

笑ったり呆れたりするだけだった


「あのね、姉さん・・・。」


そんな中、クロノは我に返ったのか私に話しかけてくる


「僕等はもう戻れないんだ・・・そして戻る気が無いんだよ。」


「な、何故だ?!!」


狼狽えた私に対して優しく諭す様にクロノは言葉を続ける

けれどその口調は心なしか侮蔑の感情が混じっている様にも感じた


「僕等は集ったんだよ・・・ある者は世界への【復讐】の為に、ある者は己の【信仰】の為に、ある者は全ての頂点を得る【野心】の為に、ある者は何を差し置いても体験したい【好奇心】の為にね。ソレを満たすためにあらゆる手段を講じて、あらゆる破壊を講じて今此処まで来たんだ。戻れると言われても僕等は戻る気は無いよ。」


「だ、だが間違っている!!それはクロノも理解しているだろう?!!」


「姉さん・・・間違っているか間違っていないかは僕等が決める事じゃないよ。」


「え?」


「あの御方・・・【真祖】様だよ。全ての成否はあの御方に一任される。何故なら僕等の神だからね。」


クロノの言っている意味が分からない

あの【真祖】・・・ブロウドさんは確かに私達の【真祖】であり神と崇高すべき存在だ

けれど全てが神様の言う通りだと、どうしても私は思えない

クロノの言葉にショックを受けつつも・・・クロノを止める為、無い知恵を必死に絞り出す


「そ、そうだっ!!その理屈で言うならば【真祖】は【魔神】の傍に居るじゃないか?!!それはこの【狂笑道化団】を否定しているという事じゃないのか?!!」


「・・・ふむ。」


苦し紛れである私の言葉に対してクロノは黙る

【魔神】は人族の滅亡を望んでいるおり、【真祖】は【魔神】に敗北したから降ったという理由で傍に居る事も知ってはいるが・・・この際利用できるモノは全て利用させてもらう


「成程ね・・・姉さんの言いたい事も理解できたよ。以前にお逢いした時に止められはしなかったし、問題無いとは思うけれど・・・あの御方の退屈しのぎにもなり、姉さんの言い分も考慮したお遊びを思い付いたよ。」


「・・・お遊び?」


クロノの言いたい事がよく理解出来ない

それはクロノ以外の全員もそうであるみたいに、彼の言葉を興味深そうに待っている


「そう・・・お遊びだ。僕等【狂笑道化団】全員と【魔神同盟】の代表者で一対一で戦う招待状を送ろう。仮にもこの世界で頂点に近い者達の戦いだ、あの御方の退屈しのぎにはもってこいだろ?」


「ほう・・・」


「素晴らしいですわっ!!」


【狂悦】と【狂信】は即座に賛同の声を上げる

その言葉を聞きながらクロノは言葉を続ける


「そこで僕等が勝利すれば、あの御方も僕等を見直すだろう?もし僕等が敗北すれば僕等の意図とは関係無く、姉さんの希望通りに止まらざるを得ないしね。」


クロノのその言葉を聞いて、私は望外の結果が導かされて喜ぶ

詰まり私がわざと敗北すれば、この組織は立ち止まる可能性が広がるのだ

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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