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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅦ章【セカイノオワリノタイドウ】
475/640

アカノの憧憬と同形


「私だけでも逃がさないよぉ~。」


ゴーガンの言葉に反してカラミトルは臨戦態勢に入る

だが・・・それを制したのは意外にもロザンワだった


「カラミトル、残念ですがこちらも一旦引き上げましょう。」


「どうしてっ?!!」


「聖国が滅亡した事、【聖女】の事、【狂笑道化団】のメンバーの事・・・報告せねばいけない事が沢山あります。万一私たちがしくじってこの情報が伝達されない事になれば、被害はより甚大なモノとなります。」


そうロザンワがカラミトルを制止すると・・・【狂信】はクスクスと笑い出す

頭の働かない私には何が可笑しいかは理解出来ない


「確かに貴女方に逃げられては厄介ですねぇ。ゴーガンさん・・・やっぱりやっちゃいましょうか?」


そう言った瞬間、場に殺気が溢れ出て思わず私も顔を上げる

そして私の横に立つ【狂信】は・・・【聖女】と呼ばれた表情とはかけ離れた笑顔を浮かべる

ロザンワやカラミトルにもこの殺気の濃密さは意外だった様で焦燥感に駆られたかの様に動きだした


「カラミトル!!」


「う・・・うんっ!!!」


そして2人は一気に離脱を試みる

だが・・・【狂信】はその瞬間に彼女達の周りに結界を発動させる


「クスクスクス・・・簡単に逃がす訳ないじゃないですか。」


そう言って嘲る様に、されども優雅に笑う

結界が行使された瞬間、ロザンワが魔法で結界を割ろうとしているが、魔力が枯渇気味である彼女の魔法では割る事が出来ないでいる


(・・・私が彼女達を手伝わなければ)


罪悪感で押しつぶされそうな心に鞭打って痙攣したかの様に震える脚に力をいれたその瞬間、カラミトルから異常な魔力を感じた


「カラミトル・・・?」


「うぅぅぅ・・・・いけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!!!!!」




ーーピシッーー



ーーピキピキピキーーー



ーーーピキピキピキピキピキ・・・パリィィィィィーーーンーーー



カラミトルの渾身の拳が【狂信】が張った結界を割る


「ロザンっちっ!!!」


「えぇ!!!」


そして割れた瞬間、カラミトルはロザンワを連れて真っ直ぐと飛んで行った


「ロザンワ・・・カラミトル・・・。」


瞬間的に居なくなった彼女達が去った方向を見つめながら呟く

彼女達は私の思った以上に強くなっていた


(彼女達と私は・・・何が違うのだろう・・・)


そんな想いが不意に胸一杯に広がる

それは憧憬なのか諦観なのか・・・私が望んだ場所からかけ離れた場所に立ってしまっている気がする


「あらあら残念・・・逃げられてしまいましたね。」


「・・・いや、あのまま戦闘に入れば俺らも危なかったぞ。まぁ痛み分けって所だな。」


私の背後でゴーガンと【狂信】がその様な事を話していた



「・・・成程ね。」


【聖国】を滅亡させてから3日後、私達3人はクロノの元に戻り、事のあらましを報告した

私達の話を聞いたクロノは目を閉じて思案した後にポツリと一言呟く


「もう良いかな・・・。」


「?!!そうだな!この様な事はもう止めよう!!」


その言葉を聞いて、私は思わず喜び賛同する

クロノの言葉にはクロノ自身もこの様な事は望んでいない!!

クロノも最早罪悪感で心が一杯だったのだと感じた

だが・・・私の言葉を聞いて一瞥するクロノの目を見て、私が望んだ意味では無い事を瞬時に悟った


「・・・姉さん、何を言っているの?僕が言っているのは、これ以上粗大ゴミを放置する必要は無いかなって事だよ。」


「確かにそうですねぇ。【魔神】、【勇者】、【魔王】達・・・人族領と魔族領の実力者たちに邪魔されては小さなゴミを払うにも労力がかかりますからねぇ・・・。」


「うん、大きいゴミと小さいゴミをまとめて払えば良いと思っていたけれど・・・どうやら相手は粗大ゴミだったみたいだからね。まずはそっちから片づける事にしようか。」


サイクスの癇に障る言い方を肯定し、クロノは言葉を続けた


いつも有難う御座います!!

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