クロノの決戦の編成
「じゃあ、行こうか。」
あの会議から5日後・・・あと一歩でも踏み出せば【終末の亡国】と言われる領内に入っていくこの場で最終確認の意味も込めて全員にそう告げる
「「「はいっ!!」」」
そう言って全員が僕の声に返事をする
あれから悩みに悩み・・・次の日の会議で発表した
敵地に赴く行くメンバーとしては
【魔神】クロノ=エンドロール
【真祖】ブロウド=グランニュー
【戦ノ王】ダンキ
【魔ノ王】ファーニャ=S=イスフォンダル
【瞬殺者】マリトナ
【宰相】ルーシャ=アーガランド
【戦勇者】カラミトル
【魔勇者】ロザンワ=ノーランド
以上8名で向かう事にした
・・・サラエラは最後まで不服そうではあったが、彼女のスキルに異常なリスクのをそのまま放置する事は出来ない
万が一【狂笑道化団】が奇襲という形をとって来た際にはファスミーヤさんと一緒に戦って貰うつもりではあるが・・・
「貴方達が留守の間は守ってあげるけれど・・・ブロウド、これは貸しよ。」
「あぁ・・・ファス、済まないね。」
ファスミーヤさんは渋々ながらも僕等が留守の際、魔族領を守ってくれる事となった
彼女の力であれば人族は勿論、何かが有っても大抵の事には対応して貰える
この場でカラミトルさんやロザンワさん、それにルナエラとも待ち合わせた事も有り合流するには丁度良かった
「じゃあルナエラ、悪いけれど【勇者】を借りるよ。」
【魔王】と共に【勇者】が戦うという事に違和感を感じない訳では無いが、これも1つの変革なのだろう
近い将来、人族領と魔族領が融和されれば良いな・・・等と俯瞰的に考えてしまう
「うむ・・・カラミトルにロザンワ、無事に戻って来い。・・・それにクロノもな。」
「・・・最善を尽くすよ。」
姉さんの名を入れなかったのは彼女なりの優しさなのだろう
そう思いながら返事をすると・・・何か迷ったかの様な表情を浮かべてルナエラは口を開く
「・・・クロノ。言おうか言うまいか悩んのだじゃがな・・・実は1月前にお主とアカノの親御殿が単身で【終末の亡国】へ向かった。」
「っ?!!」
「1月も前の話じゃ・・・詰まりはそう言う事じゃろう。相手は強大じゃ・・・気を付けてな。」
父さんが・・・単身で向かった?
何故?という気持ちが湧き出て来る
そしてルナエラは今その事を僕に告げる?
気が付けば彼女の両肩を掴んでしまっていた
「ルナエラ・・・何故それを僕に言ってくれなかった・・・」
「・・・口止めされていたのじゃ。クロノの手を煩わせずにアカノを連れ戻したかったのじゃろう・・・。」
「・・・・・・。」
聞きたい事や言いたい事が山ほどある
・・・でも今此処でそれを聞いても言っても何の意味もない
それに・・・詳しい事はこの先にある
「ルナエラ・・・戻って来た時には遠慮無く・・・問い詰めるよ?」
頭が真っ白になりかけるも・・・茫然自失になりかけるも・・・これからの戦いに全てが掛かっている事を思い出し、何とかその一言だけを発する
「?!!・・・あぁ、無事に戻って来い。」
そう言われて僕は戦闘を歩く為に部隊の最前列へ進む
父さんの仇、姉さんの事、ついでにこの世界の事・・・全てを相手に叩きこむ覚悟で僕は臨まなければならない
「クロノ君・・・コレを付けておきなさい。」
そう言ってブロウドさんが僕に差し出して来たのは・・・あの仮面だ
「視界を狭くすることで頭が冷静になる・・・時にはそう言う時も必要だ。それに・・・君の顔を見てアカノ君が錯乱する可能性もあるからね。何、言葉遣いは変換されないようにしているから安心し給え。」
僕は仮面を受け取ってそれを装着する
・・・確かに少しだけ心が落ち着いた気がした
「じゃあ皆・・・行こうか。羽虫共を塵芥とする為に・・・。」
そう言って声を掛けると皆は少し驚いた表情をした後に頷いてくれた
(・・・待ってろよ。)
誰に対してなのか、何に対してなのかは分からない
けれど・・・これが1つの分岐点である事は理解し、僕は一歩を踏み出した
いつも有難う御座います!!
本章は一先ずこれにて終了です。
脳内プロットは残す所あと3つ
最期までお付き合い下さいませ。
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