真祖の無力と無量
「この棘でお腹でも壊していなさいっ!!」
そう叫びながら魔力の棘を【暴喰神】に降り注ぐ
けれども当然とでも言うかの様に触手で魔力を飲み込んでいく
「とはいうものの・・・全ては喰べられないでしょ?!!」
手を休める事無く棘を顕現させては降り注ぎ続ける
如何に触手の数が多いとは言え、ここまでの一斉放火を捌けるわけがない
「aeorpo hq ghiher gqjpjwp ojh q er:ojqepih gpqiehrq:ph q」
「?!!」
何かを言うと同時に触手たちが一斉に分裂し始め・・・万遍無く魔力弾を喰っていく
「だが隙は作ったわ!!」
そう叫ぶと同時にソテルアスが再度【暴喰神】の懐に潜り込む
先程も尋常ではない魔力を加えた拳を繰り出していたが・・・今は先程よりも更に濃密な魔力を放っている
「我に連撃を与えさせるとはなっ!!あの世で誇るが良いっ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!
そう言ったと同時に【暴喰神】の下腹部、つまりは【暴喰王】の部分に連撃を繰り出す
ある意味で私たちが使用できる唯一の必勝パターンだ
上空からは私の魔法弾による連撃、地上ではソテルアスの物理による連撃
そのどちらも一発一発が超級魔法に相当する攻撃だ
それが何十発と打ち込まれているのだから如何に神と言っても無傷であるという事は有り得ない
「ファスミーヤッ!!!手を休めるでないぞ?!!」
「そっちこそ死んでも撃ち続けなさいっ!!!」
そう言ってお互い言い合いながら攻撃の手を休めずに攻撃を繰り出していった・・・
◇
◇
◇
「・・・はぁ・・・はぁ。」
「・・・これ・・・だけやって・・・駄、目なの?」
どれ位の時間が経過しただろうか?
数分、数十分・・・いや数時間かもしれない
時間と言う感覚を忘れ、私はただただ魔法弾を繰り出してソテルアスは拳を撃ち込み続けた
にも拘らず・・・目に見えるダメージは・・・まるで無い
「qaeiorqghp orgp qrio3hj qhwpe qwejpq qjpqpeop」
【暴喰神】は何かを呟くと同時に触手を自分自身に守らせるかの様に立ちはだかる
私は魔力はまだあるものの・・・精神力が限界に近い
ソテルアスは魔力が残り少ない状況だろう
【暴喰神】がどの様な攻撃を行うかは分からないが・・・回避する事は出来てもダメージを与える事は出来ない
そんな絶望とも言える戦力差は私たちの心を折るには充分だった
「クソ・・・無念だ。」
ゆっくりと近づいて来る【暴喰神】を虚ろな目で見ながらソテルアスはそう呟く
正直、私も口には出さないものの彼と同じ気持ちだ
ふと後方で私たちを見ているであろうブロウドの事が脳裏に浮かぶ
多分彼は私たちの・・・私の愚かな行いを笑っているのだろうか?
(望みは薄いけれど・・・哀しんでくれれば・・・良いな。)
私らしくないそんな感情が胸一杯に広がる
我が子たちの成長を見守れないのは残念だ
けれども自分がソテルアスと共に戦った事には後悔は無い
でも・・・
「ねぇソテルアス・・・貴方は生まれ変わっても【真祖】でいたい?私は・・・もうごめんだわ。」
思わず目の前の暴威を前に彼にそんな事を尋ねてみる
すると一瞬キョトンとした表情を浮かべ・・・盛大に笑い出す
「ガハハハ・・・そうだな、我も【真祖】には最早未練はない。次はそうだな・・・人族なんぞ楽しそうだ。」
意外にもブロウドの眷属である人族を指定する
彼の気性からすれば考えらない答えに少し驚いた表情を浮かべてしまう
「なぁに・・・下から上を目指すのも存外悪くは無いというだけよ。この戦いも・・・悪くは無かった。」
そう言って愉快そうに笑う彼に二心はないだろう
「そうね・・・案外人族も悪くないのかもね。」
そう答えた時、【暴喰神】は既に眼前で立ちはだかる
さぁ・・・私の生の幕引きが始まると決意したその瞬間、後方から声がしたのだった・・・
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