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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅥ章【タトエセカイガオワッテモ】
438/640

クロノの手立てと手枷


「もう一度言ってみろ・・・。」


ソテルアスが先程よりも色濃い憤怒を醸し出している

怒れば怒れる程に強くなるソテルアスは、先程よりも確実に強くなっているだろう

だが・・・それでも僕は更に煽る


「言われた事が理解出来ないのかい?そんなんだから『母上』に心配され、過剰なスキルを付与して貰わなければいけないんだよ。・・・貴方は【真祖】にも拘らず『母上』に信念を曲げさせた親不孝者だ。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゥ




「ガアァァァーーーーー!!!!!」


気が付けば殴られており、元居た場所から遥か先まで吹っ飛ばされる

恐らく怒りが頂点に達した事により、音よりも速く動いたのかもしれない


「ガァ・・・ガハァ・・・」


一撃しか受けていないだろうにも拘らず、尋常ではないダメージを受けている

たった一撃しか受けていないだろうに・・・既に立ち上がる事は出来ず、吐瀉物、血反吐は口から流れ落ちて、ブロウドさんから借りていたローヴは耐物効果があるにも拘らずあまり効果が無かったのかもしれない


(効果・・・があったから・・・生きているのかな・・・?)


正直どちらであっても結果は変わらない・・・

これ以上攻撃を食らえば否応なしに殺されるだろう

剣を杖の様に使いながら辛うじて立ち上がる

眼前には怒り狂った様な表情を浮かべるソテルアスがゼロ距離で僕を見下ろしていた


「・・・もう一度、同じことを言ってみろ。」


(・・・不味いな。)


既に距離を詰められているにも拘らず追撃をしないという事は・・・まだ理性が残っているという事だ

【暴喰王ノ口】は効かない

【暴喰ノ口】は僅か数秒程度の時間稼ぎ程度にしかならない・・・

僕が持つ剣は魔力付与がない為、ただ頑丈なだけの剣だ

かすり傷を負わせる事すら出来ないだろう

【怠惰ナ脚】も多少素早さを落とすだけで意味をなさないだろうし、【傲慢ナル手】が万全の【真祖】相手に成功する可能性は限りなく0に近いだろう


「・・・・・・」


「どうした?先程と同じ事を囀ってみろ?」


口を開くのも億劫な程ダメージを負っている僕に対して容赦なく追及してくる

剣を杖代わりにフラフラしている僕に対して無茶な要求だ


「言ってみろ?!!我が母上のなんだ?!!母上のお荷物とでも言うのか?!!ほら言ってみろ!!!」


自分で言いながらも頭に血がのぼっている様子は滑稽に見える

だが・・・頭に血がのぼり理性を飛ばして貰う事は歓迎だが・・・この至近距離は不味い

1人で憤りながら怒鳴り散らすソテルアスを尻目にヨロヨロと距離をとる


(余りにも分が悪い賭けだけど・・・まだ諦める事は出来ない・・・)


このまま怒り狂ってくれれば、僕の勝ち筋も僅かながら存在する

だけど冷静に怒り続けるのならば・・・残念だけど僕の勝てる要素は全くない


「・・・・・・何処へ行く?」


先程まで怒り狂っていたソテルアスはいつの間にか僕の眼前に立ちはだかる

彼が動けば今の僕なんか容易に回り込み退路を遮る事が出来るだろう


「・・・僕の・・・身柄が必要なんじゃ・・・無いのですか?」


「あれば良いというだけで無ければ無いで支障はない。・・・それよりも先程と同じセリフをその様でもほざく事が出来るのか?」


どうやら僕は自分が思っているよりも彼の怒りの琴線に触れてしまったみたいだ

それなのに未だ理性的に言葉を放つという事は・・・彼が怒り狂うには決定的な一手が足りていない


(目星は付いているけれど・・・今からじゃどう足搔いても間に合わないな。)


そうなると今の現状では僕が勝てる見込みは無い

そう開き直ると・・・不思議にも死への恐怖は薄まる

素直に死を受け入れる気は毛頭ないけれど、可能性が低くても手札を切ろうと言う気概は湧いて来る


(これが開き直りってものかもね・・・)


そう思いながら内心苦笑しながら口を開いた


いつも有難う御座います!!

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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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