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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅥ章【タトエセカイガオワッテモ】
435/640

ダンキの渇望の発動


ーーーゴウゥゥーーー


そう激しい音が鳴り響く

デスナイト族【魔王】を一蹴し、今からガキを問い詰めようかという所で異常な魔力を感じ、先程の轟音が鳴り響く


「・・・我が主っ?!!」


考えるよりも先に足が音する方へ向かい出す

この魔力量は恐らく・・・我が主よりも高い

頭の中で警鐘が鳴り止まない


「?!!」


急いで駆け付けようとした俺の視界の端にガキが映る

あいつも俺の事などお構いなしという様な素振りで音する方へ駆けだして行っていた


(やっぱりお前も心配してるんじゃねぇか?)


もしかすると【魔王同盟】のお仲間を心配している可能性もあるが、それでも俺に攻撃すら仕掛けずに一心不乱に駆け付けるとは考えにくい

ロキフェルは何かを隠していると思うと少し嬉しいという感情が現れ、独りで何を抱え込んでるんだという怒りの感情も現れた




ーーーードガガガガガァァァァーーーンーーーー



音のした場所へ到着したと同時にさらに激しい音が鳴り響き、そして我が主が何者かに殴られたかの様に吹っ飛んでいく


「我が主っ!!!」


思わずそう叫ぶ俺の方へ視線を向ける

だがその視線にはいつも思慮深く、冷静な感情は見受けられなかった


「ダンキッ、龍の【真祖】だっ!!お前は巻き込まれない様に直ぐに城へ戻るんだっ!!」


この俺よりも体躯がデカい男こそが龍の【真祖】・・・

言われれば容易に納得してしまう程の威圧感を誇っている

だが、


「俺も共に戦いますっ!!龍の【真祖】と言えども2人で掛かれば一太刀は浴びせる事が出来るでしょう!!」


俺が居る事により勝てる・・・とは【真祖】の前では言えない

それだけの圧倒的強者の風格を醸し出している


「駄目だっ!!龍の【真祖】の目的は僕の身柄だっ!!!どうやら命までは取るつもりは無いらしいっ!!お前は城に戻り【魔王同盟】の瓦解と【真祖】の襲来を伝えるんだ・・・早くっ!!!」


「・・・・・・くっ!!!」


逡巡の思考の元、我が主が命じるままに身を翻し城に戻ろうとする

龍の【真祖】は俺たちのやり取りなど興味も無い様な表情で見、俺が去ろうとしても特段止めるつもりもない様だ


去り際にチラリとロキフェルを補足すると・・・どうやら我が主に敗れたのであろうダークエルフを担ぎ去って行こうとしているのが見える


(俺が言えた立場じゃねぇが・・・我が主を放って【魔王同盟】の【魔王】を助けるのかよ。)


アイツはまだ我が主の配下だと思っていたが・・・どうやらそうではなかった

その事実が悔しさと怒りで綯い交ぜになってしまった様な気分となった


「・・・くそっ!くそおおぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!」


城へ急いで戻りながらも思わず叫び出してしまう・・・

あんな怪物にどうすれば勝てるのか想像すら出来ない

種族から神と同格視されているだけある圧倒的存在だ

我が主は本当にあの【真祖】と同等である人族の【真祖】に手傷を負っていたとはいえ勝ったという事実が信じられない


「俺は・・・弱いっっ!!!」


以前の俺は自分こそが最強だと思っていた

誰もが自分にひれ伏し、自分の気分1つで人族領は論外、魔族領をも統一する事も容易だと思っていた

だが・・・我が主と出逢い、他国との戦いを得て自分は強くない・・・そう感じる事が明らかに増えた


我が主は言わずもがな、人族領の【剣神】、【狂笑道化団】のバルデインを殺した奴、3人の【真祖】・・・ロキフェルやファーニャにも勝てるかもしれないという程度の認識でしかない


「俺は・・・弱い俺が許せねぇ・・・」


【真祖】に鍛えられた

【魔皇帝】にもなった

だがそれだけでは足りない

その事実が俺の強さに対する渇望をより色濃くしていった・・・


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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