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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅥ章【タトエセカイガオワッテモ】
433/640

クロノの処遇と遭遇


「今の所は気絶しているだけだよ。」


そう答えても当人の顔色は優れない

ドラクロス本人としてみれば戦力が減少しただけではなく絶体絶命に等しいのだろうからそれは当然だろう

と言うか・・・本人自体は霧化して攻撃を無効化出来てはいるものの攻撃を此処まで試みていない


「・・・・・・やる。」


「・・・ん?」


「降伏してやるっ!!嬉しかろう?!【真祖】の血脈である我等吸血鬼族を配下に統べる事が出来るのだ!!」


「・・・・・・。」


久しぶりに心底呆れ返ってしまう

配下になろうとする者の言動は勿論の事、【魔王同盟】の発起者はこの【魔王】の筈だ

言うならば総大将自らは満身創痍な部下達を見捨てて鞍替えをしようとするとは・・・


「・・・ブーザル以来の屑を見た気分だ。」


こんな輩に時間をとる必要性は何一つない

僕は少しずつドラクロスの方へ近づいて行く


「なっ、何だ?!!ち、近づくなっ!!!我をお、貶めるという事は【真祖】を貶める事と同義だぞ?!!」


そう言いながら少しずつ後ずさりを始める

しかし・・・実力は勿論、作戦の立案も出来ず、情報を得る動きも鈍い。

更に的確な指示も出来ないコレは【魔王】という称号を得ただけで万能感に浸っていたんだろう


(そう考えると・・・姉さんの言葉も多少は考慮の余地はある、かな。)


去来するのは姉さんの言葉・・・称号だけでは全ては確定しないと言われ、僕が否定したあの言葉

今でも間違っているとは思ってはいないけれども・・・称号だけに胡坐かいた存在の末路を見ている気分だ


「き、貴様なぜ黙るっ?!!ち、近づくなと言っているだろうが?!!良いか、【真祖】だぞ?!!【真祖】の前では貴様なぞ塵芥だぞ!!!」


「・・・ブロウドさんの言葉を教えてあげるよ。」


近づきながらそう答えると一瞬呆けた表情になり、立ち止まる

どうやら【真祖】の名前は知っているらしい


「な・・・何故貴様が【真祖】の御名を?」


「『直系という事だけで進化もせず、ましてや退化もしない血脈は私の望みを叶えられそうにない。君の邪魔になるならばどう扱っても構わないよ。』・・・そう言われているよ。」


ドラクロスの質問を無視してブロウドさんに言われた言葉を告げる

その言葉に心当たりでもあるのだろうか?

ますます顔色を悪くし、目を虚ろで視線が定まっていない


「僕は正直、君を邪魔だとは思っていない。・・・でも存在が余りにも不愉快だ。」


そう言ったと同時に、ドラクロスの前に立つ

もう勝負はついたも同然だと考えて【暴喰ノ口】を顕現させる

【暴喰王ノ口】であればドラクロスが霧化しても喰う事が出来るだろうけれども・・・消費する魔力が余りにも勿体ない


「・・・あ・・・あぁ・・・。」


「じゃあね・・・。」


そう言って発動させようとした瞬間・・・






ーーーチュドォーーーーーーーーーーンーーー





直ぐ傍で落下音が木霊する

そしてそれと同時に・・・今まで味わった事が無い様な圧倒的な魔力を感じた


「ふん、この様な辺鄙な場所に居るとは・・・我の到着を見越していたのか、それとも偶然か・・・。」


思わず落下音がした方へ視線を向ける

すると其処にはダンキよりも更に体躯が大きく、翼を生やした男が立っていた

その男はグルリと視線を投げかけ、僕と目が合うとニヤリと口角を上げる


「・・・貴様か。」


「・・・えぇ、僕でしょうね。」


圧倒的な存在感、魔力、威圧している訳でも無さそうなのに・・・皮膚が泡立つ

彼が探しているのは間違いなく僕だろう

いつか訪れるだろう時が・・・今、この瞬間に訪れた

ただそれだけの事なんだろう


「・・・逢いたかったぞ、クロノ=エンドロール。」


「僕は正直逢いたくなかったですよ・・・龍の【真祖】、ソテルアス様。」


そう返答するとさらに可笑しそうに口角を吊り上げた


いつも有難う御座います!!

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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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