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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅥ章【タトエセカイガオワッテモ】
431/640

クロノと交渉と保証


「へぇ・・・」


【暴喰ノ口】の触手を各々の策により打開してくる

力任せで破る相手が多かっただけに意外な気持ちになった


(でも完全に破られた訳じゃないな。)


ダークエルフの【魔王】であるロゼテルはスキルで触手の捕縛から抵抗を試みているものの、僕へ攻撃を仕掛ける瞬間に一拍予備動作が必要になる為にジリ貧の状態だ

吸血鬼族の【魔王】であるドラクロスは己自身を霧散しているがそれだと攻撃も行えない為、一瞬でも実体化する必要性がある

その為にこちらも同様、一拍の予備動作が必要になりジリ貧状態だ

勿論相手の立場になれば対策がない訳では無いが・・・


「ドラクロスッ!貴公はそのまま【魔神】へ向かえっ!!!」


「?!!わ、分かっておる!!」


まぁ対策手段としては悪くない

霧化した状態で僕の死角に回れば触手の攻撃も間に合わず僕に傷を負わせることが出来る


(だけどそれは不可能だなぁ。)


スキルなのか種族の体質なのかは知らないけれど、霧化した事により姿形は判別できない

けれど霧化していても魔力を感じる事が出来、ドラクロスが何処に居るかは僕にも分かるのだ

だったら僕はドラクロスの魔力を感じながら死角へ潜り込まさない様に立ち回れば良いだけだ


(それに連携が幼稚過ぎる。)


口頭で伝えるという事は僕にも内容が聞こえるという事だ

であれば対策も非常に立てやすい

多分互いが【魔王】という事が関係しているのだろうが、気位が高い者同士で連携等した事が無いのだろう

格上相手に戦う事を想定していた割には余りにおざなりな連携だ

僕はドラクロスが近づいて来る魔力を感じながら、彼が求める死角である場所を潰していく

そして【怠惰ナ脚】を【暴喰ノ口】と共に同時発動させる


「ぬっっ!!!」


「がぁ!!!」


するとロゼテルは【怠惰ナ脚】で潰されはしていないものの片膝を付き動けない状態となったのを確認し、ドラクロスが霧化している場所へ全ての触手を移動させる


「・・・これでチェックメイトかな?」


どう考えても他の手段を講じない限りは彼らが回避する手段は無い

連携も拙く、各々のスキル等も十全に使いこなしているとはいいがたい

彼らも通常の【魔王】同様、【魔王】である事を甘んじて受け入れて享受していただけの存在なんだろう


(だからこそ変わっていく魔族領を良しとしなかったのかな・・・?)


現時点で充分であると感じれば新たな体制を拒むのは至極当然の事だ

何故ならば変化により今の生活を手放さなければならない可能性が高くなるのだから

けれど停滞をそのまま享受するだけでは新たな体制の胎動の前では無力だ

その事を目の当たりにした気分だった


「・・・・・・。」


僕は徐に【暴喰ノ口】と【怠惰ナ脚】を解除する

彼らからすれば何故解除されたのか分からないのだろう

呆然とした表情で僕を見つめて来る


「・・・君たちは余りにも弱い。」


「なっ!!」「貴様っ!!」


侮辱されたと怒りの形相で僕を睨みつけてくるが、それは事実だ

【魔王】であるまま【魔王】として振る舞ってきた彼らと、戦い続けた僕とは余りにも格差がある

彼らの感情を無視して言葉を続ける


「そんな弱い君たちに対して【大罪スキル】を使用して戦うなんて・・・余りにも弱者に対して配慮が無かった。・・・申し訳ない。」


「・・・貴様ぁ、何処まで我を愚弄するのだ。」


「【大罪スキル】持ちが・・・調子に乗って跳ねているだけではないか。」


「・・・そうだね。だからこそ君たちの様な弱者の戯言を僕は聞き入れて、此処からは【大罪スキル】を使用しない事にするよ。」


彼らの言い訳に対してそう告げると、何故か彼らはこれまで以上に怒り狂った様な形相となった

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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