クロノの蹂躙と重任
「・・・は?」
僕の一言を聞いてポセイランは間抜けな表情をしている
口は半開き、目は驚いたのか見開いている
視点は定まっておらず、何を考えているのか推し量る様な表情でも無い
「いや・・・は?クロノ様、貴方今の状況を理解されておりますか?」
「十二分に理解できているよ。・・・自称頭の良い奴が先導し裏をかいたつもりで意気揚々としていたのが僕に邪魔されて雑魚と雑魚の群れを引き連れ士気をあげて、その失態を無かった事にしようと必死な事位はね。」
そう答えるとポカンとしていた表情が怒りと羞恥に代わり、心なしは顔色は赤くなっている
まぁ、図星である事には間違いない様だ
「ふんっ!!何とでも吠えれば良いっ!!どれだけ吠えようがこの数とこの質に勝てる事など出来はしない!!」
「・・・ダンキ、有象無象は数にはカウントせずに何処までイケる?」
「我が主の命ならば全員屠る事すら厭いません。」
「じゃあ半分ずつといこうか。・・・出来ればロキフェルは殺したくないけれど。」
「・・・難しいやもしれませんがやってみましょう。但し、御身の命が最優先です。」
ポセイランが何かをがなり立てている間にダンキとの話は付いた
自分自身の成長は勿論、ダンキがどれほど強くなったのか見るにも良い機会だと思いながら戦闘態勢をとる
「くっ!!!何処までもコケにしてくれる・・・!!!!」
「・・・ポセイラン殿、奴等の強がりも後わずかだと思えば哀れなものよ。」
「我が一族もこの場に居るのだ、何の問題無い。」
「・・・騎士として誠心誠意を以って命を穿ってやろう。」
「・・・・・・。」
「・・・ですね。それでは【魔王同盟】の諸君っ!!愚かな【魔神】共を屠ってやりましょう!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!!」」」
ポセイランの号令の下、【魔王】達を除いた雑兵たちが襲い掛かって来る
どうやら【魔王】たちは様子見・・・というよりは高みの見物を決め込むらしい
(悪しき習慣だな・・・)
自分自身は極力傷つかない様に部下達をまず戦わせる
自分の軍が勝てば自分自身は全く傷つかないし、敗れても相手は疲弊している為に勝率が上がるという姑息な戦法、若しくは自分の命以外を軽視した戦法とも言える
これで自分の軍は敗れ、相手は疲弊しなければ部下たちはただの無駄死にだ
「・・・今回みたいにね。」
【暴喰ノ口】を発動させ、先程と同様に触手で雑兵たちを捕縛し喰らっていく
この【暴喰ノ口】が最も真価を発揮するのは対多勢であるのは間違いないなぁ・・・等と俯瞰して目で見てしまう
「しかし【暴喰ノ口】の効果は凄まじいですな。ダークエルフの素早さをものともせず、デスナイトに力負けせず、吸血鬼族の耐魔をも凌駕するとは・・・。」
「う~ん・・・実感はないけれどブロウドさん達との修行の成果かもね。鬼人族には破られた事も有るし・・・見た所鬼人族とデスナイト族の力関係はそこまで差はないでしょ?」
「そんな事はありませんと断言したい所では有りますが・・・奴等と俺たちは水と油でしてな。」
そう言って苦々しい様な表情を浮かべる
好戦的なダンキがこの様な表情を浮かべるのは珍しいな等と考えてしまう
「とは言うもののそれも今日までです。奴等と我が主では余りに力の差が歴然としており、奴等の種族も今日で終りでしょう!!」
そう言ってガハハハと大声で笑い出す
僕個人としては魔族領の種族を滅亡にまで追い込みたいとは思っていないが・・・と思いながら苦笑するしかない
「さて・・・雑兵は粗方片付いた様ですな。」
ダンキにそう言われて辺りを見渡すと・・・そこにはもう敵兵は殆ど存在せずに【魔王】が5人居るだけとなってしまっていた
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