クロノとダンキの待機
「「「はっ!!!」」」
僕の提言に全員が了承の意を唱える
それを見た後に人族【勇者】であるロザンワとカラミトルの方へ視線を向ける
「な、なんですか?!言っておきますが私たちは【魔神連合】に入ってませんよ?!」
「クロノんのお陰で強くはなったけど・・・私は皆で仲良くしたいからなぁ。」
そう言った彼女達を見つめてると確かに強く放った
数年も【真祖】に鍛えて貰ったんだから【勇者】であれば強くなるとは思ったけれど・・・そこら辺の【魔王】であれば単独で倒す事は可能だろう
けれど・・・
「大丈夫。君たちに仲間になって貰おうとは考えていないよ。」
そう言って遠回しではあるが仲間ではないと告げてから言葉を続ける
「2人には【インスラント聖国】に出向いて欲しいんだ。そこで人族がどうしているかをルナエラに報告して欲しいんだ。」
「ルナエラさんに・・・ですか?」
「うん。僕等と人族は不可侵協定を締結しているから僕から人族領へ勝手に出向く事は出来ない。それに人族からしても自領の動向を確認するのは悪い事じゃないでしょ?」
「・・・・・・分かりました。」
彼女達からしても数カ国が1箇所に集まっているのは普通ではないだろう
確認してただ怯えているだけならばそれで良いし、僕の予想が当たっていれば・・・
「装備だけはちゃんと整えていくんだよ。人族が人族に牙を剝かない事なんて有り得ないんだから。」
そのタイミングかは分からないけれども近い内に動きがあり、【狂笑道化団】と彼女達がかち合うかもしれない
その時は申し訳ないが・・・人族の【勇者】として対峙して貰おうと決めた
◇
◇
「僕の予想が正しければ数日の間では出くわす事が出来ると思うけれど・・・来るかな?」
会議の日から2日後、僕とダンキは国境沿いで待機する
あの場では反対意見は出なかったものの、王である僕が最前線に出る事をやたら心配された
でも僕の予想が正しければ主力級が此処に来るのは間違いない
これ以上仲間を失いたくないという僕の意思を尊重してくれた皆には感謝しかない
「なに、我が主の慧眼が外れる事が有りますまい。」
そう言ってダンキはガハハと笑う
ただ僕個人としては外れてくれた方が嬉しいと思う
逆に言えばその手を思いつく人材が向こうの組織にはいないという裏付けになる
そうであれば向かって来る相手に搦手を仕掛ければ優勢は覆らないからだ
もし此処に【魔王同盟】の主力部隊がやって来たとすれば・・・
「相手にもそれなりの知恵者が居ると言う事だからね・・・。」
「・・・ですな。流石は我が主、此処を突かれれば不利な体勢になっていた事は間違いありますまい。」
そう言って僕等は人族領からの魔力を感じ取り立ち上がる
まさか待機して数時間でかち合うとは思わなかっただけに少しの驚きは隠せない
僕が予測した期間の最速で此処まで来ているという事は【魔王同盟】の中で【狂笑道化団】の発言権はかなり強い位置にあり、尚且つ頭が切れる人物がそのポジションに居るという事だ
「さて・・・先日まで【真祖】2人にトコトン地獄を味わわせて貰ったからね。奴らにもその万分の一でも味わってもらおうかな。」
「それなりの魔力を感じられるのが・・・4、5という所でしょうか?まぁ我が主と俺が居れば何ら問題の無い数ですな。」
背後に居る参謀的役割をこなず人物には警戒レベルを上げ、先ずはそろそろ到着するであろう可哀想なお客様をお出迎えする事にしよう
僕は【暴喰ノ口】を4つ発動させて臨戦態勢をとり、剣を地面に差し両手を柄に掛けて待つ
ダンキは大剣をブンッーーと空振りさせて近づいて来る魔力が来る方を凝視している
「さぁ・・・此処で【魔王同盟】を瓦解させるか、若しくは形骸化する事にしようか。」
そうダンキに声を掛けたとほぼ同時に相手の軍勢を視覚でとらえる事が出来た
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