ヴァリア?の変案と提案
「・・・こんな異界に連れ込んで、どの様な内緒話だ?」
眼前の龍族【真祖】であるソテルアスはそう言って腕を組みながら威圧してくる
まぁ・・・話を聞こうと言う意識がある分、まだマシだな
「その前に・・・僕の話を聞く気になってくれて感謝するよ、龍族の【真祖】ソテルアス。」
「ふんっ!!貴様の様な弱者に対して恐れるモノ等なにも無い。殺すだけならば何時でも出来るというだけだ。」
「フフッ・・・そうか。じゃあ先ずは単刀直入に僕の正体から伝えようかな?察していると思うけれども、僕はクロノ=エンドロールではない。」
「そんな事は理解している。」
差も当然だろうという様な表情で頷き肯定してくる
まぁ、この様な弱者が【真祖】を倒したと言えば信じる者等は誰もいないだろう
「じゃあ僕は誰か?そして何のために【狂笑道化団】を設立したと思う?」
「ぬ・・・」
それは当然理解出来ないだろう
私はそのタイミングでクロノの姿を解除する
そしてクロノの姿を解除した私は・・・【拳剛】ヴァリアの姿に変化させる
「これが私の正体・・・ではないけれど1番使用している姿よ。」
「・・・女か。先程よりも強さは上がっているが・・・それでも我の敵では無いな。」
「えぇ勿論。この姿で貴方に勝てるなんて己惚れている訳では無いわ。飽くまで私がクロノではないという証明をしたかっただけだからね。」
「ふんっ!!・・・で、貴様は何が目的だ?何のために【狂笑道化団】とやらを設立した?」
「私の目的は幾つかあるけれど・・・その1つにこの世に安寧を齎すという目的がある。それを貴方に伝えたくてね。」
私がそう告げると僅かに目を見開く
私の行っている事と告げた目的が一致しないとでも考えているのだろう
「何を言うかと思えば・・・お前は人族魔族のみならず龍族の滅亡をも企てているではないか?!それが安寧だと・・・貴様、我を愚弄するのか?」
案の定、そう言って怒りを私に対して向けて来る
まぁそこも織り込み済みだ
それに問答無用で襲い掛かって来ないという事は、未だ私の話を聞くと言う証左だ
「貴方の言う通り、今の私が行っている事はそれと真逆でしょうね。でも・・・飽くまでそれは最終目的だからね。」
「・・・意味が分からん。」
「でしょうね。・・・先ず私は人族の【真祖】であるあの御方・・・ブロウド様に心酔し崇拝している。これは誰に何を言われても偽れない事実よ。・・・でもあの御方は進化をのぞんでいらっしゃる。」
「その通りだ・・・。あの愚弟は母上に創造したこの安寧なる世界よりも変動的な進化を愚かにも望んでいる。」
愚かと断じる目の前の【真祖】に苛立ちを覚えるが・・・それでも今は未だ我慢しなければならない
「私としては敬愛するあの御方の望みは最大限に叶えてあげたいと思っております。ただ・・・進化を何処まで望むのか?いつまで望むのか?とお伺いすれば何処までも、いつまでもとお答えになるでしょう。・・・それはきっと永久的に叶う事の無い夢である事もまた真実だと思うのです。」
「・・・ふむ。」
「であればあの御方の望みの通り、生物が進化せざるを得ない状況を創り上げて進化して貰い・・・それを安寧化して欲しい。それが私たちの真の目的です。」
「・・・・・・。」
さぁ・・・私の説明に対してソテルアスは無言で思考する
私の本音は8割位は混ぜている
問題は目の前の【真祖】が現状と変わらぬ安寧を望むかどうかだが・・・
「・・・下らん。母上の創造したこの世界こそが永劫の安寧よ。あの愚弟が目指す安寧等は破壊と変動しか含まれておらぬ。」
そう言って私の言葉を真っ向から否定してくる
正直、此処で承諾得る事が出来る可能性は3割程度だと考えていた為に問題はない
そして私は次の手札を切る事にした
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