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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅤ章【ヤサシイハメツノオト】
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サンドラと警戒と弊害


我は鬼人族から立ち去り、草を拾って本陣から下がらせた兵たちと合流して帰路に進む

【狂謀】が指示してきた事に対しては十二分の成果を出す事が出来た

バルデインはこの手で殺す事が出来なかったのは痛恨の極みだが、相手主力の一角を殺した事も【狂笑道化団】として省みれば上々の成果とも言えるだろう

そんな事を考えていると後方から声がした


「やぁ【狂滅】、首尾はどうだった?」


「・・・【狂楽】、貴様か。」


相も変わらず軽い口調の子供だ

こいつが【魔王】であると聞いた時は威厳もなにもあったものではないと若干憤った


「鳥爺が戦死し、鳥人族が約半数壊滅したという事以外は何の問題も無い。」


「そっか~、あの元気なお爺ちゃん死んだんだね。」


そう言いながら可笑しそうに笑っているのが仮面越しでも伝わる

どうやらコイツも我と同様に【魔王同盟】はどうでも良いと考えているみたいだ

なら・・・


「こちらにも戦果はあった。バルデインなる獣人族は逝ったぞ。」


そう告げると分り易くビクリと身体が強張る

我は未だコイツが【魔神連合】に与している、若しくはスパイを気取っている可能性を否定していない

こいつが所属していた【魔神連合】は曲がりにも魔族領では強国なのだ

他の団員は然程気にしていない様だが我は違う

我の邪魔になる様ならば容赦なく握り潰すつもりだ


「ふぅん・・・まぁ残念ではあるけれど仕方ないよね。」


だが我の予想とは異なり、一瞬強張ったもののあっさりと受け入れる言葉を発してくる

どうやらそれも偽りではない様に怒りも慚愧の念を感じる雰囲気を醸し出してはいない


「・・・薄情なものだな。仮にも仲間だったのだろう?」


「まぁね。だけど・・・こっちに付くと決めたからにはそこは割り切るさ。」


そう言ったコイツの表情は正に割り切った様な表情を浮かべている

コイツがスパイではないかという我の思考は完全には拭えては居ないが・・・一先ず裏切り者と断ずる事も出来ない


「それよりさぁ・・・僕等は第一陣として【狂謀】に指示された事は達成出来たと思うんだけど、これからどうするのかな?」


「・・・そんな事は【狂謀】に聞くが良い。我は【魔神】やルーシャ、誇り無き獣人族を根絶やす事が出来ればどうでも良い。」


「・・・・・・だねぇ。」


・・・気の所為だろうか?

コイツから一瞬ではあるが、殺気を感じた様に思えるのだが

だが目の前のコイツは相も変わらずヘラヘラしているかの様な雰囲気を醸し出している為に、気の所為だと思いなおした



「そうですか・・・【魔王同盟】の【魔王】が2名戦死且つ被害は甚大、対して私たちは存命且つ【魔神連合】の幹部を1人葬ったと。ククク・・・重畳重畳。」


【魔王同盟】ほ本拠地に戻り【狂謀】に報告をすると非常に愉快そうな表情で嗤っている

コイツに操り人形の様に使われるのは納得がいかんが・・・それでも我の復讐が最優先だ

コイツ等の事は最後に考えれば良い


「でもさぁ【狂謀】、僕等は此処からどうすれば良いの?」


【狂楽】が他意無い様な声色で【狂謀】に疑問を呈する

その質問を聞くと口角を上げ、【狂楽】へと視線を向ける


「そうですねぇ・・・簡単に言えば乗っ取りでしょうか?」


「乗っ取り?」


「そうです。私たちの目的は飽くまでこの世界を滅茶苦茶にする事です。宣戦布告を全世界にするものの私たちの所在や姿形が漏洩する事は好ましくありません。私たちは表に出ずとも恐怖の対象でありたいのです。それにはこの【魔王同盟】は隠れ蓑としては非常に有用なのですよ。」


「・・・良く分からないけれど裏で牛耳るって事で良いのかな?」


「えぇ、その認識で結構ですよ。」


そう言ってニヤニヤした【狂謀】はそれ以上何かを語るつもりはない様だった


いつも有難う御座います!!

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