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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅤ章【ヤサシイハメツノオト】
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サンドラの撤回と撤退


「はぁ・・・はぁ・・・不忠者、まだ生きているか?」


一通り痛めつけはしたものの、正直この程度では全く満足できない

我が受けた屈辱や憎悪はこの程度で晴れる訳が無いのだ

・・・出来るならばコイツを持ち帰って死を懇願した後に心を壊すまで付き合いたいものだが、残念ながら【支配者ノ猛毒】の効果でそこまで長生きしないだろう


「貴様がっ!!死ねばっ!!次はっ!!ルーシャだ、ぞっ?!!」


そう言って発破を掛けながら痛めつけるが返事はない

骨は折れ、腱を切り、爪を割り、歯を抜き、舌の尖端を斬った

四肢こそ切断していないものの、それ以外の場所には一通り手を加えた末にほぼ身動きを取らなくなってしまった


「ふん、この程度で死んだか、はたまた毒で死んだか・・・」


身動きを微かにも取れないという事は死んだという事だろう

我の憎しみの万分の一も味わわせた気がしない


「存外呆気ない死に方だったな。・・・まぁ良い、この憎しみはルーシャに叩きこむとするか。」


死んでしまったのならば仕方ない

大事な事は我の憎しみの炎は未だ収まってはいないという事だ


「・・・くっ・・・くくくく。」


そう頭を切り替え様とした所にバルデインの微かな声量での笑い声が聞こえる


「・・・生きていたか。」


生きているならばあと僅かであったとしても憎しみをぶつける事が出来る

今度は折れた湶の部分を更に踏み抜くか等と考えて足を動かす


「貴様・・・如きでは・・・無理だ・・・ぞ。ルー・・・様に・・・ロノ様が・・・る。」


「・・・何を言っている?」


最早声も途切れ途切れとなっており、何を言っているのかも殆ど分からない

我のそんな感情を理解できる訳もなく、バルデインは更に言葉を続けている様だ


「負け・・・が・・・貴・・・の所為・・・民・・・悲し・・・。クロ・・・さ・・・負け・・・い。」


「何を言っているのは分からんわぁっ!!!」


「がっっ!!!」


最早も息も絶え絶えなコイツを毒で死ぬのではなく、我の手で殺したい

そう考えるならば最早時間は無いだろう


「貴様のした事に対しては温いが・・・最後は我の手で殺してくれるわ。・・・さらばだ、不忠者。」


そう告げて頭部潰そうと拳を振り上げる

すると・・・直ぐ近くに異様な魔力を醸し出したナニカがこちらへ近づいて来るのを感じ、バルデインを殴るのを止める


「・・・ほぅ。」


するとそこには我より体躯が勝る鬼人族の男が居た

魔力の質が普通の魔族とは格が違い、眼前に居るだけで気絶する魔族も居るだろう


「鬼人族よ、主が【魔神】か?」


「・・・俺が?ハッ、面白れぇ冗談だ。」


鼻で笑いながら無造作にこちらへ近づいて来る様は【魔神】に相応しいいで立ちをしているが、どうやら目の前の鬼人族は【魔神】ではないそうだ


「よぉ・・・お前は【魔王同盟】だよな?」


「確かに【魔王同盟】の兵力としてこの地に降り立ったが、正しく言うならば我は【狂笑道化団】だ。」


「そっか・・・ところでお前が掴んでいるいる獣人は俺のダチなんだが?」


「そうか。コイツは我の仇敵よ。」


どうやらこの鬼人族は我と殺り合うつもりらしい・・・

先程よりも濃密な魔力を身に纏っている

我自身としても、今此処で殺り合うこと自体はやぶさかでない

ではないが・・・


「・・・主はあの鳥爺を殺ったな?」


「・・・あの【魔王】か?残念だが命は貰っといた。」


であれば・・・誠に遺憾ではあるが一度撤退せざるを得まい

目の前の鬼人族は負ける事は無いが・・・確実に勝てると己惚れる事が出来る程弱くは無い

幸い【狂笑道化団】の存在を刻み、我は生き残ったが鳥爺はくたばった

これにより【狂謀】の目的は達成出来たに等しい

我は足元に転がる残骸擬きを蹴飛ばし身を翻す


「残念だが・・・此処は一旦引いてやろう。其処の残骸擬きは助からん・・・好きにするが良い。」


それだけ鬼人族に告げ、バルデインを見ると・・・最早あと数分の命といった所だろう

我の姿も見えている様には見えなかった


「さらばだ不忠者・・・最期まで精々苦しめ。」


そう一言だけ吐き捨て我はその場を去った

いつも有難う御座います!!

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