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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅤ章【ヤサシイハメツノオト】
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ポセイランの単独と監督


「いやしかし、ポセイラン殿が各国へ掛け合ってくれただけ有り【魔神連合】なる愚か者共の命も風前の灯火よのぉ!!!」


「いえいえ・・・これも閣下の人望の賜物ですよ。」


そう言って円卓の机でバカ騒ぎする蝙蝠野郎を煽てすかすと機嫌の良い表情を浮かべる

事実、【魔王同盟】の発起人は間違い無くこの蝙蝠野郎ではある

あるが・・・声を掛けるだけで具体的な案を出す事も無い、実質は夢想妄想家と何ら変わる事が無い様な奴だ

事実、私の口先だけの賛辞を聞いた時の蝙蝠野郎の反応は他国の【魔王】をしらけさせている

それを当の本人だけが気付いていない・・・まぁ私からすれば他国の【魔王】も同様ではあるのだが


「さて、それでは本格的な【魔神連合】への侵攻を話し合う会議とまいりましょうか。」


このままではいつまで経っても前に進まない為に不本意ながら進行の舵を取る

だがそんな時でも蝙蝠野郎は何も考えていない様だ


「会議も何も【夜界血国ドラキュロス】の【魔王】であるドラクロス=ミドナイの名の下で全員で一斉に赴けば良いのではないか?」


「・・・閣下、生憎敵は脆弱な人族ではありません。【魔神】を筆頭に【魔王】が2名、【魔王】程では無いですが一騎当千の兵士が数名在籍しております。」


「だがこちらは貴公等を含めれば【魔王】5名もおるではないか?!如何に【魔神】と言えども複数名の【魔王】に襲い掛かって来られれば勝ちはあるまい。」


・・・これだから単細胞は嫌なのだ

自分の机上だけで全てを推し量るが故に短絡的な結論しかだせない目の前の蝙蝠野郎に侮蔑の視線を送りそうになる

だがそれは商人としてはあるまじき行為だ

それを自覚しているからこそ苦笑した様な表情を浮かべて口を開く


「いえいえ閣下、【魔神】を甘く見てはなりません。確かの今此処にいらっしゃる【魔王】が掛かれば容易く討ち取る事が出来るでしょう・・・ですが【魔神】まで辿り着くまでの事を考えれば犠牲もまた有り得ると認識せねばなりません。私は【魔神連合】に与する事を良しとせずに集った志高い皆さまを可能な限り犠牲にはしたくありません。」


「ほう・・・ではどうする?」


「此処は私が所属している【狂笑道化団】の手を借りるのが得策かと・・・そうすればこちら側の兵士は多少失う事はあるでしょうが、【魔神】に辿り着くまでの露払いは彼らに任せておけば良いかと。」


私がそう進言すると「おぉ・・・」と感嘆の声が聞こえる

目の前の【魔王】達からすれば自分たちの兵は減少するだろうが、自分自身の安全は保証されているのだ

当然乗らないという意見は無いだろう


「ふん・・・儂はその様な案は賛成しかねる。」


「その通りだ。【魔王】が動かない事に兵の士気が上がる訳が無い。」


自分達にほぼデメリットが存在しない筈なのに単細胞が異論を唱えて来る

声を発した【魔王】へ視線を向けると・・・予想通り単細胞2人だな


「ホルン殿にグロウス殿・・・何か問題が?」


「若造には分かるまいがな・・・【魔王】はな、戦場に立って実力を知らしめるからこそ民や兵に忠誠を誓わせる事が出来るのじゃ。戦場に立たぬ【魔王】などは【魔王】ではないわ!!」


「その通りだ。それに他人に音頭を取られる戦争なんざむず痒くて仕方ねぇ。」


・・・ふむ

理由も精神論や感情に振り回されており損得勘定も出来ないのか

此処で無闇に反対をしても我の強い【魔王】が相手では禍根を残すだろう

少し思考を働かせ、代替え案を提唱する


「それではこの様な形は如何でしょう?【狂笑道化団】の人材と共にお2方にも出陣して頂きましょう。そうなればこちらの勝率は当然上がり、お2人が死ぬとは考えておりませんが手傷を負う可能性も下がります。そして【魔神連合】は元より、【狂笑道化団】へも【魔王同盟】の実力を自覚させる格好の機会となるでしょう。」


そう告げると2人は満足そうな表情を浮かべて席に着席する

・・・やれやれ、蝙蝠野郎や単細胞に囲まれた場に在籍させられるとはどんな地獄だと内心で毒を吐いてしまうのは致し方ないだろう





いつも有難う御座います!!

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