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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅤ章【ヤサシイハメツノオト】
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アカノと戦線と宣戦


「いやいやぁ・・・心が痛みますねぇ~。」


そう言ってニヤニヤした表情を浮かべるサイクスの足元には、最早モノ言わぬ亡骸が横たわっていた

私もクロノの為ならば何でもやる覚悟はあるが、嬉々として子供を殺せるかと問われれば断じて否だ

そう言う意味ではコイツは紛う事なきクズなのだろう・・・

そんな私の想いとは裏腹に、サイクスはヘラヘラした口調でクロノに話しかける


「【狂乱ノ道化】様ぁ、話しは戻りますが一国が滅んだ事をこれから喧伝していくのですよねぇ?」


「そうだね。人族領には【狂信ノ道化】が、魔族領には【狂謀ノ道化】が各地に【宝珠】を設置してくれているから僕等はそこから宣言すれば良い。・・・2人とも設置は万端だよね?」


そう言ってクロノはイファンとポセイランの方へ視線を向けると2人とも頷く


「人族領は我が教徒が全国各地におりますから散らばせる事は容易でしたわ。」


「私も魔族領で交易を唯一行っている国ですからそこら辺は問題御座いません。ただご指示の通り【魔神連合】領内には設置しておりませんが・・・それで宜しいのでしょうか?」


「うん、其処は問題無いよ。」


「ク・・・【狂乱ノ道化】、何故奴らには宣言しないのだ?」


そう言って応じるクロノに疑問をもつ

何故なら私たちが1番脅威だと感じているのは件の【魔神連合】だ

奴等に私たちに脅威を感じさせる方が良いのではないだろうか?

クロノは私の疑問に対して身振り手振りを交えて説明を始める


「幾つか理由はあるけれど・・・1番の理由はもう済んでいるからかな。」


「・・・そうなのか?」


「ほら、【狂悦】が姉さんを僕の元に連れてきた事さ。・・・あれは奴等にとってはこれ以上に無い宣戦布告だよ。それに・・・」


そこで一息ついた後にクロノは言葉を続ける


「改めて宣戦布告するにしても、奴等にはもっと衝撃的な事をしたいと思っているんだ。」


そう言って私の後方に居た2人に視線を移す

そこには【狂楽ノ道化】であるロキフェルと、名も知らぬ魔族である【狂滅ノ道化】が立っている


「【狂楽】と【狂滅】は【魔王同盟】の【魔王】と共に【魔神連合】に攻め込んでくれ。そこで実力者を殺すのも良いし、殺さないでも良い。但し・・・僕等の存在を奴等に刻み込んで来てね。」


クロノの言葉に2人は頷く

【魔王同盟】との共同戦線を張る事に成功したとは聞いていたが、此処で改めて奴らに宣戦布告を行うという事か・・・

そう思案しているとパンッ!とクロノが手を打つ


「という訳で、【狂楽】と【狂滅】は戦線に出て【魔神連合】に宣戦布告を行う。【狂謀】は退屈だろうけど【魔王同盟】の【魔王】達と一緒に居てね。【狂信】は人族たちを一箇所に集める様に動いてくれるかな?・・・ゴミは纏めて取る方が楽だからね。【狂悦】と【狂戒】は僕と共に城に戻ろう。そして【狂炎】は・・・」


「なんだ?私は何でもやるぞ!!」


そう答えるとクロノは僅かに頷く

そして両手を広げて私を包み込む様に近づいて来る

そして優しく抱擁し・・・そっと耳元でささやく様に指示を告げる


「姉さんは・・・龍族領に行って、龍族と同盟を組める様に交渉してきてくれないかな?」


「・・・龍族とか?!」


龍族と同盟を組むなんて聞いた事が無い

私が龍族単体と契約している事すら人族領では歴史的偉業と言われていた

それが・・・あのプライドの高い龍族と単体では無く全体と同盟を組むという事は考えられない


「もし龍族の同盟が無理だったら・・・」


私の想像を読んだのか、無理だった場合の指示も静かに囁いて来る

だがその声色は心なしか若干冷たさを放っていた気がする

そんな私の考えも次のクロノの言葉で確信に変わる


「もし無理だったら・・・龍族全体を滅ぼしてきてね。」


クロノはそう静かに囁く様に・・・しかしハッキリとした口調で私にそう指示してきた

いつも有難う御座います!!

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