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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
372/640

ダンキの覚悟と確証


「おごっ!!!!」


俺の渾身とも言える一撃に対して爺さんは多少よろめきはしたものの膝を付く事は無い

そして再度テレホンパンチとも言える動作で俺の顔面に目掛けて拳を振るう


「がぁっっ!!!・・・ハハッ。」


思わず笑い声が自分の口から飛び出て来る

そして再度拳に力を込めて爺さんに狙いを定めると・・・爺さんも笑っていた


「フォフォフォ・・・ぐうぅ!!!」


「ハハハ・・・グフッ!!!・・・ハハハ!!!」



ーーバキッーー



ーーゴゥンーー



ーーズシャーー



ーーメキッーー



互いが互いの攻撃を回避する事なく、笑い声を上げながら交互に拳を相手に打ち込む

傍目に誰かが居たのならば異様な光景にも写るだろうが・・・こみ上げてくる笑いを止める事は出来ない

俺は拳のやり取りをある意味で充実感すら感じていた




「・・・初戦は・・・俺の勝ちだな。」


「・・・抜かせ、小童に・・・塩を送った事が分からんのか。」


楽しい時間はあっという間に過ぎ、気付けば俺の眼前で爺さんは片膝を付いている

爺さんの負け惜しみも今の俺には称賛の言葉と何ら変わらない

ある意味で究極であり原始的な戦いを制した事に高揚を禁じ得ない


「ふぅやれやれ・・・初戦は小童の勝ちとしておこうか。」


そう言って徐に立ち上がり翼を広げて少しばかり宙へ浮く

どうやらここからが爺さんの本番という事らしい


地面に差していた剣を抜き取り振り回す

所々痛みはあるものの、戦えなくは無い事を確認して魔力を込める


「中々見どころのある小童じゃったがな・・・小童を此処で殺して儂らの悲願が達成させてもらうぞ。」


そう言うと同時に爺さんも両の拳へ魔力を込める

濃密な魔力を確認し、【傲慢ナル腕】を発動させるか悩んだが・・・止めた

どうせなら可能な限り楽しみたい

俺は決して蹂躙したい訳では無いのだ・・・


「爺さんこそ中々愉快な爺さんだがな・・・我が主に喧嘩を売ったのが運の尽きだと思いな。」


俺がそう告げると天高くまで羽ばたいていく

どう考えても俺の攻撃が届かない距離まで到達すると大声で叫んできた


「小童っ!!!如何に貴様が頑丈だろうがこの一撃には耐えられん!!回避する事を勧めるぞっ!!」


挑発のつもりだろうが・・・爺さんのやろうとしている事は何となく分かる

そしてそれが単純ながらも極大な威力を孕み、俺自身が無傷である事など有り得ない事も理解できる


「爺さん・・・本気なんだな?」


「おぉ、儂はいつだって本気じゃい。」


その言葉を受けて腹は決まる

相手の本気を受け止めて、俺の本気は相手に伝える

それこそが俺の考える闘争だ


「良いだろう!!爺さんの挑発に乗ってやろう!!勿体ぶらずにサッサと掛かって来い!!」


「ほう・・・礼を言うぞ、小童。」


挑発に乗ってしまった形ではあるが、不思議と不快感は無い

先程練り込んだ魔力を更に練り上げ、更に濃密に身体へ纏わらせる


「・・・来いやぁーーーーーーー!!!!」


「儂ら鳥人族覇権の礎となれ・・・さらばだ!!!!」


そう言うと同時に俺に目掛けて直滑降で近づいて来る

爺さんの拳には魔力が集中されており、それがグングンと近づいて来る事に若干の恐怖を覚える


「へへ・・・挑発に乗らなきゃ・・・良かったかもな。」




ーーーグシャァァァァァァァァァーーー




「・・・ブファァ」


俺と爺さんの身体がゼロ距離となり、先程よりも派手な血飛沫を宙に舞いあげて仰向けに倒れ込んだ

身体が貫通されていないという事が僥倖ではあるが・・・ダメージがデカすぎて立ち上がれる気がしない


「グ・・・ヌォォォ・・・」


そして倒れた俺の傍には・・・血だらけの拳を庇う爺さんが蹲っている

恐らくあの右腕の拳はもう使いモノにはならないだろう


「悪ぃな・・・爺さん。」


「手甲を装備した儂の拳を砕くとは・・・小童・・・何をした・・・?」


そんな爺さんの疑問に一言で俺は回答してやる


「何もしてねぇ。」と・・・


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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