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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
371/640

ダンキの対峙と開示


「・・・【魔王】か。」


確かに目の前にいる()()は威厳も風格も【魔王】に足る独特の雰囲気を醸し出していた

恐らく、私が死ぬ気で戦わなければ勝てない相手である事は充分に理解できる

だがそれでも・・・


「ほう・・・小童、横の童は今にも粗相をせんばかりなのに比べて落ち着き払っておるのぉ。」


「そうですな。私が貴方と戦わんとするならば・・・恐らく決死の覚悟で挑まなければ勝てないでしょう。」


「ふむ・・・逆に決死の覚悟で挑めば勝てるとでも言いたげじゃな。」


「えぇ、決死の覚悟で挑めば私が勝つでしょう。ですが私が落ち着いているのはまた別の理由です。」


私の言葉に目の前の【魔王】は僅かに怒りの表情を表わせる

恐らく【魔王】として一国を治めているというプライドが私の言葉を許す事が出来ないのだろう

だがそれでも突如襲い掛かって来ないだけ浅慮では無いという風にも受け止められるが・・・


「ほう・・・儂の駒を半分落とされるだけでは無く、小童に勝てるとぬかされる。その落ち着きの根源をぬかしてみい。」


「簡単な理屈ですとも。・・・貴方よりも怖い存在を見た事があるからですよ。」


「成程成程・・・ようもそこまでぬかしおったわ。では【魔王】相手に大口を叩いた偉業を誇りに死んで逝けっ!!!」


そう言って目の前の【魔王】は私目掛けて拳を繰り出してくる


「例えば・・・」


だが私自身にその攻撃を回避する気は無い

ましてや受ける気も必要性も無い

ただ簡潔に答えを教えてやるだけだ


「私の後ろから貴方に攻撃を仕掛けている【魔王】もその一例ですね。」


「なっ?!!・・・ぐがぁーーーーー!!!!!」


私がそう告げると同時に丸太以上に太い腕がグロウス目掛けて突き出され、相手は直撃を受けて吹き飛ばされる


「・・・おいバルデイン、【魔王】は俺の獲物だろ?」


「えぇ勿論ですとも、ダンキ殿。」


良い笑顔でこちらに問いかけて来るダンキ殿に私も出来る限り良い笑顔で返答する

此処で眼前の【魔王】を叩く事が出来れば・・・残る脅威はあと()()だけだ

私は体の奥底から来る鈍痛と震えに耐えながら・・・残る脅威とは私が対峙しなければならない事を本能的に感じていた



「おいつつつつ・・・・最近の小童は礼儀を知らぬわ。」


「爺さんこそ老いぼれが戦場に来るもんじゃねぇぜ?」


俺の不意打ち気味の拳を受け、軽傷で済んでいるコイツは・・・間違いなく【魔王】だ

俺はそれが溜まらなく嬉しく、思わず気分が高揚してしまう


「ぬかせ、まだまだ若いもんには負けんよ。先程の攻撃と言い・・・小童が【魔神連合】の総大将か?」


「んな訳あるか。俺はただの一兵卒の【魔王】よ。」


その言葉を聞くと目の前の爺は溜息を吐きながら立ち上がる

先程の威厳もそうだが・・・この爺もどうやらただの【魔王】ではない


「小童の様な【魔王】が一兵卒とはな・・・中々に層が厚いのぉ。」


「爺さんこそ戦場に駆り出すだけの実力はあるみたいだな。」


そう軽口で返答すると拳に手甲をはめ込む

どうやらこの爺さんは肉弾戦をお望みの様だ・・・


「儂はやれ魔法じゃ、やれ武器じゃというのはどうにも性に合わんでのぉ・・・いつでも何処でもこの拳で生き延びて来たもんじゃ。」


「・・・やれやれ爺さんの自慢話はあの世で部下にしてやりな。」


そう言いながら俺も戦闘態勢に切り替える

どう考えてもこの爺さんは以前の俺よりも強そうだと勘が働きかけて来る


「口だけは達者じゃのう・・・まぁ良いわい。年寄りの長話に付き合うのが苦痛というのならば・・・拳で語るかのう。」


「おぉ!!俺もそっちの方が合っている。」


そう答えた瞬間、一気に距離を詰めて来る

拳には魔力が込められており、一目見て尋常ではない威力を包括しているのが誰でも理解できる程だ


「グボォーーー!!!」


まともに受けた俺は口から血飛沫を少量ではあるが飛ばす

だが・・・爺さんの一撃を喰らって尚、膝を付く事は無かった


「ほう・・・回避も試みず真面に受けおったか。」


そう言った爺さんの顔面に俺は拳を叩きこんだ


いつも有難う御座います!!

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