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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
370/640

バルデインの限界の境界


「各軍は撃破する事を最優先とせず、己が持ち場を占領されない事を最優先として動けっ!!!」


【有翼国家ラスローレン】の兵士達は城を完全に囲い込み空中戦と地上戦を同時に仕掛けてくる

どうやら翼を持っていても羽ばたけない人種もいるらしく、それが地上と空中からの挟撃という形になる為に思いの外煩わしい


「ねぇバルっ!!このままじゃジリ貧じゃないの?!」


「相手兵力にも限界がある!!倒せば倒すだけゴールは見えて来る筈だっ!!」


元四武のジュリアンが片っ端から魔法を発動させながら毒づいて来る

残念ながら私もそこまで暇ではない・・・魔法を発動させまいと近づいて来る敵兵を斬り捨てながら叫んでしまう


「全く!!アンギスが滅んだら今度はクロノスが滅ぶの?!私たち天使族がなにしたってのよ?!!」


「馬鹿がっ!!クロノスは滅ばんっ!!」


「あーーーーーーー・・・もうっ!!!!」



ーーチュドーーーーーンーー


ジュリアンのコールジャッジが地上の敵軍に向かって発動されて土壌に大きな穴が開く

それを見て、空中戦を挑んで来ていた敵軍は彼女を脅威と認定したらしく、一斉に襲い掛かってきた


「馬鹿者が・・・誘蛾灯さながらの動きだ。」


タイミングを見計らい回転斬りを発動させて一気に斬り捨てた

だが・・・当然のことながらその程度では敵を全滅させる事は出来ていない


「しかしこいつらの素早さは大したものだが魔法は放ってこないな。天使族と似ているとは思うのだが・・・何族になるのだ?」


「はぁ?!!誇り高き天使族と一緒にしないでくれる?!こいつらはどちらかと言えば獣人よりの民族よ!!」


「・・・そうなのか?!」


だが私たち獣人は空を飛ぶ事は出来ない

そう言う意味では天使族に似ていると思うのだが・・・そんな私の考えを見透かした様な目でジュリアンは口を開く


「あんたどうせ翼があるから天使族に近いと思ったんでしょうけど・・・私たちは神を模した翼、あいつらは野鳥を模した翼と言われる鳥人族よ。因みに蝙蝠を模した翼は悪魔族ね。アイツ等と私たちじゃ格が違うの・・・よっ!!」


自慢しながらも魔法を連発するのだから言いたい様に言わせておくが・・・何とも選民意識が高いご講釈だとも思い苦笑いを浮かべてしまう

翼は翼、それ以上でもそれ以下でも無いというのが私の考えだ

天使族や悪魔族から追い出された鳥人族が創った国家がこの有翼国家なのだろう・・・等と学者の様な事を考えながら次々と鳥人族を斬り捨てる



「・・・ねぇ、そろそろ全滅させたんじゃないの?」


あのやり取りから5時間が経過し、魔力量の高い天使族たちにも疲労の色が見えだした

5時間の間、常に魔法を発動していたのだから仕方ないとも言える


「喜べ、相手の軍勢約半数は減らしたみたいだぞ。」


俺は城門から見える景色を眺めながらジュリアンにそう告げる

すると彼女はげんなりとした表情を浮かべる


「・・・おかしいでしょ?どうして鳥人族は兵力をそこまで保有出来ているのよ。」


確かに彼女の言う通り、鳥人族の兵力は私が見た中でもダントツに多い

のこり約1,500はいそうだという事を考えれば3,000は居たという計算となる

魔族領の中では明らかに多すぎる戦力・・・その疑問は上空からの声が回答してくれた


「簡単じゃよ・・・儂等は一度の出産で卵を5つばかり生むでな。一度の出産で兵力は5倍となる・・・ただそれだけじゃ。」


声のする方へ視線を向けると1人の鳥人族がこちらを見下ろして腕を組んでいる

そして何の警戒もしていない様に私たちの眼前に降り立ってきた


「貴様は・・・」


「ほう、何故か白羽の住処に獣がおるか。では獣には名乗っておこうかの・・・儂は【魔王同盟】の一員であり【有翼国家ラスローレン】の【魔王】、グロウス=スカーという者じゃ。」


そう名乗る老人は、見かけは好々爺の様な表情をしながらも体つきは明らかに老人の体躯をなしていなかった


いつも有難う御座います!!

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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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