アカノの出頭と出向
ちょうどいい字数で切りたいのですが中々難しいですね…
あれから5日後…
バルザスと話し合った翌日からバルザスからの依頼と言う形でギルドにクロノ捜索依頼票が提示された
「あ、姉さん!先日はどうも!!」
「【剣聖】様もお人が悪い。【名誉騎士】だと知っていれば喧嘩を売りませんのに…」
ギルド内で私が称号【剣聖】であり【名誉騎士】であることが告知され、くれぐれも喧嘩を売らない様んとのお達しが入ったみたいで周りが口々に媚び諂って来る
正直、気分が良いものではなかったがこれもスムーズに捜索する為だと割り切る事にした
私は私で街の人や行商人を中心に聞き取りを行うも正直芳しくない
(この街には来ていない?だが満身創痍な身でフィングルスに戻る事も考えにくい)
弟はあれで中々賢い
その為にあの状況で戻る事のリスクを当然に考えている筈だ
念のためにバルザスを通してルナエラにクロノは戻って来ていないか確認依頼をしているが可能性は低いだろう
とすると他の可能性を考えなければならないが…
「ここに【剣聖】アカノ=エンドロールはいるか?!!」
ギルドの扉が勢いよく開き騎士らしき人族が突然入ってきた
その声を聞き、周りのギルドメンバーが一斉にこちらに視線を投げてくるのは止めて欲しい
騎士らしい身なりをした人物はその視線を見てこちらに近づいてくる
「称号【剣聖】アカノ=エンドロールだな?」
「…そうですが?」
「我が国【サンドール商業国】中枢である評議会から出頭命令が出ている!取り急ぎ向かわれたし!!」
そう言いながら大仰に紙を広げて見せてくる
「あいにくですが、私は【名誉騎士】ではありますが国の命令で訪れている訳ではありません。その様な召集には応じない旨が【フィングルス王国】から通達がいっている筈ですが?」
「そちらの都合はこちらには関係無い!評議会の出頭命令を受け入れよ!」
(これだから【名誉騎士】になるのは嫌なんだ…)
内心で溜息をつきながら愚痴を零してしまう
「尚、この出頭命令に応じない場合、評議会から言伝を受けている!!」
「…言伝ですか?」
「そうだ!もしこの言伝により出頭しない場合、『貴公は探しものを永遠に見つける事は出来ないだろう』との事だ!!」
「!!!!!」
私は思わず席を立ちあがる
クロノ?!クロノの情報を握っている?!
確かに商業国の評議会であれば情報のネットワークは自国のみでなく他国にまで及んでいてもおかしくはない
「何処だ?!何処に向かえば良い?!」
私がそう声を荒げると彼はニヤリと笑う
「付いて来い。今からであれば案内してやろう。」
逸る気持ちを抑えて頷き、共に評議会の元へ向かう事となった。
◇
「ようこそ、【剣聖】アカノ=エンドロール殿。ご足労頂き申し訳ありませんな…私たちが【サンドール商業国】評議会のメンバーです。」
丸いテーブルを囲い着席している人族12名がこちらに視線を投げてくる
その中で50歳代半ば位の小太りの男性が代表して挨拶してきた
「初めまして。称号【剣聖】アカノ=エンドロールと申します。この度はこの様な場に御招き頂きまして誠に有難う御座います。」
「いやいや、こちらこそ急な申出で申し訳ありませんでしたな。何分、こちらにも耳に入る【剣聖】様が来国されてると聞きましたらお会いしたいと思うのが人情でっしゃろ?あ、私の口調については勘弁してください。商いがてら様々な国に出向いてたらこんな感じに仕上がってしまいましてなぁ~。」
「グンガス、そろそろしつこいぞ。早く本題に入れ。」
そう言いながら一人で笑っている男を横に座っている妖艶な女性が諫めるのだった。
アカノさん、クロノの手掛かり掴むか?!
いつも有難う御座います!!
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