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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
367/640

クロノと無力な苦慮


「ま・・・【魔王同盟】が?!動きが早すぎませんか?!!」


そう言って重臣が動揺した声を上げるが・・・正直、僕も彼とは同意見だ

約3週間ほど前まで3ヶ国での同盟しか成し得なかった筈が宣戦布告を繰り出してくるというのはただ事ではない


「・・・敵対国家は羅列されてある?」


息を荒げて入ってきた兵士に声を掛けるとそっと紙を提出してくる

その紙を見ると・・・


「・・・・・・」


「我が主・・・如何ですか?」


「・・・相手の参加同盟国は僕ら以外の6ヶ国全てだ。」


「「?!!」」


その言葉に全員が息を飲み、場に緊張感が走る


「1番最悪なのはポセイドニスも【魔王同盟】に与した事だね・・・これで易路が潰れた事になる。」


あの【魔王】が何を考えたのか理解出来ないが間違いなく敵対国として表記されている

つまり【魔神連合】が5ヵ国、【魔王同盟】が6ヵ国となり国の数では負けたという事になる

僅か数週間で全ての国を獲り込む事が出来る存在・・・


「多分敵対する相手は【魔王】+αだろうね・・・。」


「+α・・・ですか?」


「うん、普通に考えて数週間で僕ら以外の国から同盟を取り付ける事はプライドの高いであろう吸血鬼族だと不可能だろ?そう考えると協力者がいると考えるのが自然じゃないかな?」


「成程・・・。」


「ただその協力者が戦闘能力も高いのかは分からない。必要以上に相手の姿を大きく見る意味はないよ。」


そういって周りを見渡して全員の表情を窺うと戦意喪失している様な表情を浮かべている者は1人もいない

その事に内心安堵して編成に取り掛かる事に思考する


「・・・【魔王同盟】に属する国と隣接している国は?」


「元ブーザル領、【遊戯国家トリクトリロ】、【鬼人国家ソウトウキ】、【天聖国アンギス】の4ヶ国です。」


「ソウトウキは山に囲まれており相手も一斉に攻め込むことは難しいだろうね・・・。」


「【遊戯国家トリクトリロ】は魔力で結界を貼っております故、簡単に落ちる事は無いかと。」


マリトナの助言に頷きつつ思考を巡らす

人的被害が少なければ土地を荒らされても問題無い

それよりも兵士ではない国民の命の方が最優先だ


・・・そうなると最も危険なのは平地である元ブーザル領と、国として疲弊しているアンギスの2カ所が危ない


「良し、ダンキとバルデインは取り急ぎアンギスの方へ向かってくれ。その際可能であればソウトウキで鬼人族も兵力として幾らか連れて行って欲しい。マリトナとサラエラは僕とトリクトリロとの境界線を進みながら元ブーザル領へ出向く。ロキフェルが居るからトリクトリロは大丈夫だと思うけれど・・・今の所音沙汰が無いんだ。マリトナ、ロキフェルはどうしているか余裕があれば見に行ってみよう。」


「ちょっと待った。」


僕が指示を出していると唐突にブロウドさんからストップが掛かる

しかしその表情は飄々としたものではなく、寧ろ今までで1番真面目な表情をしていた


「クロノ君、残念ながら君は僕たちとこの城で留守番だ。」


「・・・何故ですか?」


当然の疑問を口にすると彼の代わりにファスミーヤさんが口を開く

そんな彼女も真面目な表情を浮かべている


「貴方はこれから私たちと彼の創った空間で戦って貰うわ。・・・いつどのタイミングでソテルアスが攻め込んでくるか分からない。出来る間に貴方には完成して貰わなければ駄目なのよ。」


「でも「それに王とは最後の砦だ。王が最前線に向かえば士気は上がるかもしれないが・・・今回の様な多方面から攻められてくる事を想定すれば愚策とも言える。王は何処でも動き、指示できる場所で自分自身を守るべきだ。」」


「・・・・・・」


ある意味ではこれ以上に無い正論を突かれてしまい何も言えなくなる

自分が無力であることを突きつけられ、ここまで憤りを感じる事は人族だった時でも無かった事だった・・・


いつも有難う御座います!!

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