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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
352/640

クロノの緊迫と緊張


「さぁ・・・はじめようか?」


あれから約10分、僕とロザンワ、カラミトルが対峙する形で距離を取る

ルナエラ含む人族たちやサラエラには離れて貰う様な形でお願いした

サラエラは最後まで納得していない様な表情を浮かべていたけど巻き込んでしまうと罪悪感どころの騒ぎではない為、最終的に命令をして渋々受け入れてくれた


実はこの稽古は僕にもメリットが出てくる事に気づく

先ずは人族領に対する威嚇行為になる為、おいそれと攻撃を仕掛けにくくなるという事

それと実は僕自身も修行をしなければならないと思っていた為、そこまで精神的に手心を加えなくていい修行相手は貴重だというメリットがある


龍族の【真祖】がいつ襲い掛かって来るか分からない今、僕自身も強くならなければならないが・・・その相手が居ないという事はかなり不自由だった


(そう言う意味では助かったな・・・。)


そんな事を考えている間にロザンワは魔力を身に纏い、カラミトルは聖獣2匹を召喚させる

【暴喰ノ口】を発動させようかという考えが脳裏に浮かんだが・・・それは僕の修行にならないと思いなおし、先ずは肉弾戦に臨む事にしよう


「パパピピ、いくよっ!!!」


そう言うと同時にカラミトルと聖獣2匹が一斉に襲い掛かって来る


(成程・・・確かに素早さ、連携ともに優れているな。)


だが優れているというだけでは僕に当てる事は出来ない

彼女の良い所は思い切りの良さではあるがそれに頼り切っているのが目に見えて分かる

紙一重のタイミングで回避しながら、次の攻撃予測を立てて再度紙一重で回避する

この回避の仕方を行う事により、ロザンワは魔法を発動させにくいという状況を作る事が出来る


「ぬぬぬぬ・・・。」


攻撃が思う様に当たらず、カラミトルは少し苛ついている様に見える

まぁ、正直それこそが僕の思い通りではあるのだが・・・

カラミトルも聖獣達も目に見えて大振りなっているタイミングを見計らい、隙を見て拳で反撃を繰り出す


「ガオォーーー!!!」


虎型の聖獣を吹き飛ばし、カラミトルもそれに巻き込ませて1匹だけになった聖獣の腹部に蹴りを入れて吹き飛ばす


「ファイアジャベリンっっ!!!!」


周りに仲間が居なくなった瞬間を狙って10余りの炎が僕に襲い掛かって来る


(けど正直これも予想通りだな・・・)


どうやらロザンワは仲間を巻き込まないタイミングを見計らっているのは容易に想像出来た

魔力を練り上げる時間は充分にあったにも拘らず発動させない状況を見ると、彼女は慎重かつ高確率な状況でしか行動を移さない・・・逆に言うとそういう状況を()()()()()()()()その通りに動くだろう事も予測は出来る


(でも予想外だったのは・・・練り込んであるとはいえ、初級魔法を撃ってきた事だな・・。)


直線でしか攻撃してこないファイアジャベリンなんて10程度であれば簡単に回避できるし、今の僕の防御力ならローヴを纏っていなくてもほぼ無傷で済む


「ひっ!!!」


ロザンワに向かって一直線で駆け出し、彼女の首元に手刀を当てると声を上げる


「正直・・・期待外れかな。」


これは間違い無く本音だ

【勇者】が2人居て、緊迫感も緊張感もない

これだったらダンキと稽古した方が幾分かマシだと思える


「カラミトルさん、物理攻撃一発で吹き飛ぶんだったら対策や対抗策を考えないとジリ貧ですよ。ロザンワさん、仲間が居るからとタイミングを計っていると思考を読まれやすいですよ。なにより2人とも【魔神()】相手に・・・舐めてます?」


そう尋ねると2人とも暫し茫然とした表情を浮かべた後、ガタガタと小刻みに震えだす

正直龍族と修行し、他の【勇者】を寄せ付けない強さを得たと聞いたから期待はしていたけど・・・全くの期待外れだ

これだと人族と再度戦争した際には何の問題も無く蹂躙できるという事を証明しただけの結果となってしまった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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