アカノの始動と指導
「で?お前は何だってあんな所で殺気飛ばしてやがったんだ?」
私は先程に飛び出してきたスキンヘッドの男性と執務室で机を挟んで尋問を受けていた
「あの男たちが受付の女性に殴り掛かろうとしたからだが?」
「にしてもお前、あれはやり過ぎだぜ?」
そう言いながらニヤニヤ笑う
…内心は楽しんでいるな
「それは済まなかった。この国に来た事が無かった為に加減が分からなかった。」
「ほう、他国からか…フィングルスか?オーホッド海国か?まさか魔族領じゃないだろうな?」
「フィングルスだ。その件で用事があってな。ギルドマスターには会えないか?」
「ギルマスか…ギルマスはお忙しい方でなぁ~アポイントが無ければよっぽどの事が無い限り会えないんだよなぁ~」
そう言いながらニヤニヤした顔で「ただし」と付け加えてくる
「お前さんが俺の前で力を示してくれれば取り次いでやらん事も無いぜ?」
「貴方の前で?」
「そうだ。俺はこれでも副ギルマスでな。有望な人材ならギルマスに伝えてやるよ。」
「いや、私は紹介状を持っているのだが…」
「紹介状を持っていようが、アポイントを取っている訳じゃねぇ!取り次いではやるが順番待ちだぜ?今からだったら…約3か月待ちだな。」
このまま3ヵ月も拘束されるのは厳しい
「…力を示せとは何をすればいい?あまり時間が取られるものは勘弁願いたいのだが。」
「お!!乗ってきたな!!なぁに時間は取らさねぇよ!!さっき揉めたC級パーティーと模擬戦してくれりゃ良い!あんなんでもC級だからな!!」
確かにC級と言えば中堅が集まる脂ののった時期にあるパーティーだが…
「あれだけでは力を示せんな…他に希望者がいれば何組か同時に受付よう。」
そう言うとどうやら彼のカンに触ったみたいだ
一気に威圧力が強まる
「おいおいおい…それはちっとばかし舐めすぎてないかぁ~?」
「いや、あの程度であれば問題ない。」
「ほぅ~、どうやらこの国のギルドを舐めている様だな…よし分かった、有言実行して貰おうじゃねぇか!!」
◇
ほどなくして副ギルドマスターの号令の下、約20名余りのギルドメンバーと隣接している闘技場で対峙する事となった
「ふむ…思いのほか大勢集まったものだな。」
私がそう呟くと腕を組みながら当然の様に回答してくる。
「そりゃなぁ~!あんだけ大口叩いたんだ!それもひっくるめて告知すりゃこれ位は集まるさ!」
「成程。」
「で、どうする?さっき伝えたC級パーティーの他にC級2組、B級1組、A級が1組出ているぞ?他にソロではあるが実力者を3名加えて23名の精鋭の集まりだが?今なら許してやらんでもないぞぉ~?」
「ふむ。」
私は集まったメンバーを一瞥する
「辛うじて相手になるのは1名だな。後は居ても居なくても変わらない。」
「なっ!…これだけの人数の前でよく言った。じゃあ!始めーーーー!!!」
副ギルドマスターの合図で15名程が一斉に向かって来る
「手加減はするが、加減の度合いは知らんぞ。」
私はそう言って空中に飛ぶ
「ソニックブレイド!!」
空中で剣戟を向かってきた連中に飛ばす
「ぐぁ!!」
「げっ!」
「がぁっ!!!」
降り立つと同時に剣戟を弾いた3名を柄を打ち込み気絶させた
後方で待機していた5名ほどが魔法詠唱を行っている
(実践でそこまで掛かってしまうのは致命的なのだがな…)
折角なので構えを解かずに詠唱が終わるのを待つ
「ファイアランス!!」
「サンダーボール!!」
「アイスショット!!」
「アースニードル!!」
「サンダーショット!!」
と同時に多方面からの一斉攻撃が襲って来た
「狙いは悪くないが威力が低すぎる。」
私はそう言いながらライアの時に使用したスキルを発動させる
「サークルエンド。」
コチラに向かって来る攻撃を感知して斬り伏せ、それと同時に後方待機組へ突撃した
「「「な?!!」」」
「お前たちの狙い自体は悪くないが次の一手が無ければ意味がないぞ。」
そう言いながら斬り伏せると残りは2名となっていた
「2人まとめてでも良いぞ?」
私が挑発すると2人同時に襲い掛かってきた
「クラッシュハンマー!!」
「ダンシングエッジ!!」
(1人が多数の剣戟を私に向け、隙を見つけ一撃必殺のコンビネーションか)
悪くはないが良くも無いな
練度不足からかスキルの攻撃範囲が狭い
私は一歩後方に飛ぶと同時にスキルを発動させる
「ダンシングエッジ!!」
「がぁぁぁ!!」
「ぐふっ…」
悶えながら2人が同時に倒れ込む
「これで問題ないな?」
目を見開いて唖然とした表情の副ギルドマスターに問いかける
「お…おう。問題ねぇ…問題児ばかりを集めたんだが話にならねぇじゃねぇか。お前さん何者だ?」
「それはギルドマスターに伝えよう。今からでも会えるだろうか?」
「あぁそれも問題ねぇ!!俺がここのギルドマスター『バルザス』だ!!」
そう清々しい表情で笑い出した
まぁ…テンプレですよね
イメージで言うとスキンヘッドのガチムチダンディなおじ様がどや顔しているイメージです
「テンプレ…悪くない」という方は★を
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