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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅣ章【カミガミヘイタルクロイカイダン】
346/640

クロノの標と導


「でも・・・そんな事分かる訳ないじゃないですか?」


「そりゃそうだよ。私としては満点の回答を求めていたのだから70点の回答を教える訳が無いだろ?」


・・・結局僕はブロウドさんの手の上で踊っていた様な状態だった訳だ

それはそれでかなり腹立だしいが、皆と出逢えた事や姉さんが僕の様な目に遭わなくて済んだと思う事にしよう


「さて、これで私の目的と私が知るこの国を狙う輩の事は説明したけれど・・・何か質問はあるかな?」


ブロウドさんがそう周りに聞いて来るので僕は再度彼に対して口を開く


「ブロウドさん・・・姉さんの事を教えてください。」


「アカノ君の事か・・・私が知っている事は少ないよ?」


彼の言葉に頷いて承諾の意を表すと、彼も頷いて再度口を開く


「先ずはアカノ君だがね・・・現在彼女が人族最強である事は間違いない。その実力は肌で感じた者も此処にはいるだろう?」


そう言われて皆の視線はダンキとマリトナへと注がれる

敗北した事を思い出させられ、若干不機嫌な表情を浮かべるが、彼らも姉さんを思い出している様だった


「・・・あれはなぁ、我が主と違う方向で化け物の域に達しているだろうなぁ。」


「・・・そうですね。【魔神】様が客観的に勝利を目指される事に対し、アレは・・・感情的に勝利に突き進む様な感じでした。」


そう感想を口にする言葉を聞いて、僕も納得する

姉さんは昔から感情で物事を計り、突き進んで行く様な性格だ

実力があるから、それでもどうとでもなってはいたが・・・


「うん、2人の指摘は全く以って正しいね。言うならばボードゲームで例えると、クロノ君はルールと違う事をやってのけ勝利するのに対し、彼女は・・・ボード版そのものをひっくり返して勝った事にする様な感じかな?」


「・・・分かりにくい上にどっちもルール違反ですね。」


軽くそうぼやくとブロウドさんは笑い出す

数日前に僕の前以外では殆ど感情を表に出さなかったと言っていたが・・・本当だろうか?と疑ってしまう


「まぁ【真祖】に勝つなんて世界規模で言えばルール違反みたいなものなのだから受け入れたまえ。でだ、アカノ君は通常よりも感情的で、感情を制御できない様にされており視野が狭く・・・半洗脳状態に近い。」


「半洗脳・・・洗脳とは違うのですね。」


「そうだね。洗脳とは相手の言う事に疑問を抱く事なく行動に移していく。それに対し、半洗脳は飽くまで自分で物事を考える事が出来る。出来るが・・・ある物事に関してだけは相手の思い通りになるという様なモノだ。彼女の場合、その物事と言うのは・・・「我が主だろうな。」」


そう言ってダンキはブロウドさんの言葉を遮って断言する

ただ僕もその考えには賛成だ

姉さんは僕の名を読んだり、僕の素顔を見ると同時に・・・破壊衝動が増した様に思える


「そうだね。鬼人族の君が言う通り、彼女の場合はクロノ君だろう。そして半洗脳状態の媒介に仕様されているのは彼女の武器だろうね。」


「武器・・・ですか?」


「うんあの大剣だね。腕の優れた一流の鍛冶師は銘を入れる事でより武器の質を上げる術を持っているんだけどね、超一流の鍛冶師となれば銘を2つ入れる事が出来るんだ。それにより武器の質を劇的に上げる事が出来る反面、銘によってはデメリットをも付与させてしまうんだ。」


「じゃああの大剣を壊せば・・・。」


そう尋ねると彼は何とも言えない表情を浮かべる


「分からない・・・と言った方が正しいだろうね。大剣を壊した事により正気に戻るかもしれないし、媒介を壊した事により精神が崩壊するかもしれない・・・。こればっかりはやってみないと分からないね。」


「そうですか・・・。」


そうは答えたものの、僕の結論は決まった

先ずはあの大剣を壊す

そうでないと・・・あの姉さんを説得する事も魔族化させる事も出来ない・・・

僕は自分の標を見つけた様な気分になった



いつも有難う御座います!!

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