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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅢ章【フクシュウノゴウカ】
340/640

【間章】~~追憶Ⅰ~~


クチャクチャ・・・

苛立ちからか必要以上に干し肉を嚙み砕く


(あぁ・・・めんどくせぇ。国の指名依頼なんざ糞だな・・・。)


思わず悪態を吐きそうになる所を何とか心内にだけに留める

大体、冒険者ってのは人族の脅威である魔物や人族領に侵入してくる魔族を刈る事やダンジョンで【宝珠】を得る事が生業な職業だ・・・腐っても


ーーーポカーーーンーーー


「あだっっ!!!」


頭に痛みが走り思わず後ろを振り返る

そこには翠の髪を後ろで束ね、魔法使い特有の三角帽子を被った女が杖をこちらに向けて立っていた


「何すんだこのアマ?!」


「アンタが辛気臭い表情をしているのが悪いのよ。どうせアンタの事だから指名依頼が気にくわないんでしょ?」


「・・・うるせぇ。」


図星だった為にどうしても体裁が悪い

大体この女に言った所で俺の気持ちが分かる訳がねぇ・・・


「あのねぇ~・・・いくらギルドが国には属さない独立組織だとしても国に土地を間借りしている以上、断れない事も有る訳よ。それにギルマスがそれも込み込みで承諾したんだから仕方ないでしょ?」


「・・・分かってる。」


「しかも今回の依頼は私たちだけでは無く、名だたる大国のS級パーティーが集まってるのよ?それだけ大きい依頼だし、実際依頼内容を確認すれば充分に理解できる内容じゃない。」


「・・・分かってるって。」


ムカつくがコイツの言っている事は正論だ

だからこそ嫌々ながらもこの依頼を受けて俺は此処に居る

だけどなぁ!理解している事と納得している事は別もんなんだと言ってやりたい

・・・まぁ口で勝てる訳無いんだけどな


「どうせアンタの事だから子供と離れるのが嫌なんでしょ?近所のお婆さんがその間お世話してくれんだから心配ないじゃない!」


「・・・だろ?」


「え?なん「だって忘れられるかもしれないだろ?!まだ7歳になったばかりだぞ?!!何日間も仕事で不在にしていたら忘れられるかもしれないじゃねぇか?!帰った時に『誰?』とか言われたら俺泣くぞ?!」


「・・・アンタ、既に半泣きじゃない。それに7歳だったら忘れないわよ。」


「うるせっ!!」


そう言って腕で顔を擦る

ここ最近、アイツをかまってやれる暇も無く、指名依頼指名依頼指名依頼・・・


「俺、この指名依頼が終わったら長期休暇取るんだ。」


「・・・その言葉を吐いた時点でアンタの未来が見えるわ。」


「絶対だ!!絶対休むからな!!それまではパーティーも長期休暇だ!!」


「はいはい・・・じゃあリーダー?皆に号令をかけてくれるかしら?」


「何で疑問形かは分からねぇが・・・集合っ!!!」


俺がそう号令をかけると残りのパーティーメンバー3人が近づいて来る

どいつもこいつも真剣な表情を浮かべてやがる

まぁ内容が内容だから仕方ねぇか・・・


「今から俺たちは国の指名依頼の為、【魔造国家アヴィス】へ乗り込む!!依頼内容は・・・リングラン!!」


「そこで私なのね・・・依頼内容は【魔造国家アヴィス】は魔族と人族を使って配合したり、人体実験という非人道的極まる研究を国家規模で行っているらしいわ。私たちは研究所の捜索、壊滅を行う。その際に邪魔してきた者は王族であれなんであれ斬り捨てて良い事になっているから宜しく。」


あれ?

改めて依頼内容を聞くと疑問が湧いて来る


「なぁ、それって冒険者を依頼するんじゃなくて各国兵士が出向けばいいんじゃね?」


「馬鹿。前も言ったでしょ?国家間には同盟が存在していて勝手に視察とかは出来ないの!だから無頼漢を気取った冒険者が義侠心で立ち向かい壊滅させるって筋書きよ。・・・採決を取られていないアヴィス以外の国はこの依頼を賛成しているんだから()()()()()()()()()()()()()()()()ね。」


「へぇ・・・人族って怖いねぇ・・・。」


「それだけこの実験が危険視されているって事よ。ではリーダー、最後の号令を宜しくお願いします。」


「応。」


そう返事してからコホンと一つ咳払いをしてメンバー全員の顔を見渡しながら告げる


「俺は小難しい事は分からねぇ・・・。でも非道で犠牲になっている者が居るんだったら救ってやりたいと思っている。先ずは自分の命を大事にしろ。そんで助けてやれそうな奴は助けてやれ。どう考えても無理そうな奴は・・・いっそ楽にしてやれ。・・・んじゃ、【千剣ノ刃】行くぞ!!このカノン=エンドロール様に付いて来い!!!」


「「「おおおおーーー!!!!」」」


そう叫んで俺たちは一斉に王城に目掛けて突き進んでいった


いつも有難う御座います!!

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