アカノの護衛と説明
Ⅲ章スタートです!!
「ここが【サンドール商業国】か。」
【サンドール商業国】までの護衛依頼を受けて5日後、国境門を眼前に眺めて思わず呟いた
「アカノ様、ここまでの護衛依頼を受けて頂き、有難う御座いました。」
そう言いながら少し小太りの男が揉み手で近づいてくる
「いえ、私もこちらに所用がありましたので丁度良かったです。」
商人特有なのだろうか?グイグイ突っ込んでくる御人だったのであまり好ましくはないが、依頼主は依頼主だ
「それにしても、【剣聖】様とは大したものですね。通常でしたら8日程度掛かる距離を5日程度で到着させるとは…これもモンスターを時間も掛けずに討伐して下さったお陰ですよ。」
「同じ依頼を受けた冒険者達の立ち回りが良かったからですよ。」
「ご謙遜を。宜しければアカノ様と専任契約を行いたいと思っているのですが…給与に関しましては頑張らせて頂きますよ!!」
「…有難い申出では有りますが、私は私用でこの国に参りましたので。いつ旅立つかも分からない身の上ですのでご勘弁を。」
「そうですか…残念ですなぁ。それではまた気がお代わりになりましたらお申し付けください。いつでもお待ちしておりますので。」
「は、はぁ…有難う御座います。」
どうも【商人】は苦手だ
戦闘では無く、会話で勝てる気がしない
依頼主に達成印を受け取り別れた
まずはルナエラに貰った紹介状をこの国のギルドマスターに渡すべきだろう
◇
若干迷いながらも無事にギルドに到着した
道すがら観察していたが、この国はやはり商業国という事もあり店舗関係が多く活気もあった
商売人にも通行人にも明るい顔をしている人が多く街全体が何というか明るかった
浮浪者らしき人もおらず第一印象としては良い国だと感じた
ギルドの扉を開くとギィという軋む音が響く
(この音はどの国も同じか)等と考えてしまう
先程迄はギルド内は外からでも聞こえるくらいに喧騒でうるさかったのに、私が入ると急に静かになる
(何だ?女の冒険者が珍しいのか?)
そう思いながらギルドを一瞥すると冒険者達の視線が痛い
それらの視線を無視して受付へ向かおう
「尋ねたいのだが、ギルドマスターは在籍しているだろうか?」
受付で立っている女性に声を掛けた
「生憎では御座いますがギルドマスターはアポイントのある方以外とはお会いになりません。ご予約は御座いますでしょうか?」
「いや、アポイントは無いがしょ」
私がそう言うと同時に私の周りを3人の男が取り囲む
「おいおいおい!ギルマスに会いたいなんざどこの田舎者だ?!」
「大方受付として雇用にあやかりたいってか?!」
「じゃぁ取り敢えず俺たちに酌でもしろよ!受付は俺たちの達成報酬で飯食ってんだからバツはあたらねぇだろ?!」
「はー…」
…どこのギルドにもこんな奴等はいるもんだ
思わずため息をついてしまう
「貴方達!今のはギルドの私たちに対する侮辱ですか?!」
私が反論しようとすると受付にいた女性が声を荒げる
自分の職場を馬鹿にされたんだから気持ちは分からなくもない
男たちはそう言われると受付の女性を馬鹿にした目で見る
「いやいや、お前たちが俺たちの依頼を抜いて飯を食ってるのは間違ってないだろ?それをそのまま伝えただけだが何の文句がある?」
「私たちの業務は依頼を適正ランクの方へ斡旋する事や、依頼主の拡大、報酬の精査、ギルド内での仲裁等の多岐に渡っているんです!!それらを加味するとこんな給料じゃぁ精神的に赤字ですよ!!」
女性はそう言った後に「それに…」と言い馬鹿にした表情で相手をみる
「貴方達はC級ランクですよね?しかも2回連続で依頼を未達成しちゃってますよね?依頼主への謝罪で実質赤字なんですけど?」
「て、てめぇ…」
その言葉を聞いて男たちは顔を真っ赤にして激怒する
何というか…蚊帳の外とでも言うか…私を挟んで喧嘩しないで欲しい
「女がいちいちうるせぇーーーー!!!」
男の一人が受付の女性に殴り掛かった
「流石にそれは看過出来んな。」
私は男の拳を受け止めて力を入れた
「い、痛てててててててて!!」
「おい!てめぇ何しやがる!!」
「覚悟は出来てるんだろうな?!」
連れの2人が喧しい…
…仕方ない
「!!!!!!」
「なっーーーー!!」
少しだけ殺気を飛ばすと2人の男は尻餅をつきだした
拳を掴んでいる男の顔は青くなっているな
「お、お前は、何者だ…」
「いや、私はここのギルドマスターに「今の殺気は何事だーーーー!!!」」
そう言って奥からスキンヘッドの男性が飛び出してくる
…どいつもこいつも私の話の腰を折ってくる
私は再度深い溜息をついてしまった
最近1日のPVが100~200になってきました(10/22)
これも一重に皆さまのお陰です!!
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