アカノの苦悩と苦悶
ーーガァンーー
ーーギィィンーー
ーーブゥンーー
ーーギィィンーー
絶え間なく続けるダンシングエッジの連撃に対して的確に回避し、防御を行う眼前の男・・・いややはり父さんなのだろうか?
父さんには一撃も居れる事が出来ない
それどころか・・・見切られている様にすら感じる
「さて、浅慮なお前にこの状態を打破する手本を見せてやろう。」
「強がりをっ!!!」
私が叫んだ瞬間、【明鏡止水】により左頭部に攻撃が向かって来るのが分かる
「なっ?!!」
いや、左頭部、右頭部、左腹部、右腹部、右腿、左腕の部分が同時に光る
(不味い!!!)
「遅いっ!!瞬撃っ!!」
私は一気に後方へ距離を取るが・・・タイムラグが殆ど無く繰り出される斬撃を多少受けてしまう
決して戦えない傷では無い・・・けれど今の攻撃は・・・
「同時に斬撃を繰り出して来た・・・?」
「・・・そうだ。言っておくがスキルなどでは無く、研鑽の道程で辿り着いた技だ。」
ゴクリーーと唾を飲み込んでしまう
どんな攻撃でも【明鏡止水】であれば来る場所やタイミングは理解は出来る
けれど・・・理解できても身体は全てを回避する事など出来はしない
それもスキルではないと言うのだから魔力切れも無い
この男は・・・父さんは何処まで高みに言っているのだろう
正直勝てる気が全くしなくなってきた
「・・・クロノ!!!この男は本物の父さんでは無いのか?!!此処まで強い人族が父さん以外に居るとは思えない!!」
傍らで成り行きを見ていたクロノに私は問いかける
けれど・・・視線をクロノへ向ける事は許されない
視線を切った瞬間に私の敗北が近づいて来るのが本能で理解できる
「・・・・・・姉さん。」
暫しの沈黙の後にクロノの声が聞こえる
その声色は・・・どこか冷たさを孕んでいる様な気がする
「姉さんの言う通り、確かにこの人は父さんかも知れない。でも・・・もう無理なんだよ。」
「・・・無理?」
「そう、無理。父さんは僕等の目的を理解しないし受け入れられない。僕等は今更後には引けないし引く気も無い。そうなると・・・もう戦うしかないんだ。」
「だがっ!「姉さん!!姉さんはこの世界の全てを根絶やしにすると言ったよね?!遅かれ早かれ父さんとは相まみえる筈だったんだ!!それが今と言うだけだよ!!」
確かに私はそう言った
そしてクロノの為ならという覚悟を持ってそう宣言した筈だった・・・
それが目の前に父さんが現れると・・・その覚悟はいとも容易くぐらついてしまう
「姉さん・・・姉さんが父さんを選ぶというのならばそれでも構わない。此処で僕と姉さんもお別れだ。またいつか、何処かで敵として出逢うだけだよ。」
クロノと・・・別れる?
折角、やっと、死ぬ思いで辿り着いたクロノと?
「アカノ、冷静になって思考するが良い。クロノはお前だけを戦わせ傍観を決め込む卑怯者だったか?根拠も確証も無く断言し、その意見を翻す浅慮な男だったか?・・・お前は答えを持っている筈だ。」
クロノの言う事と父さんの言う事で頭が混乱してしまいそうだ
確かに小さなことかもしれないが・・・クロノは少し変わったと思う・・・
でも姿形はクロノそのものだし・・・私に優しい
それに・・・それにやっと逢えたのに・・・クロノが偽物で、その偽物に踊らされていたなんて考えたくはない
そして・・・私がクロノの偽物に気づけなかったという事実も・・・認めたくはない
戦闘中にも拘らず、頭を抱えて悩み葛藤が襲い掛かって来る
クロノはクロノがクロノのクロノとクロノへクロノこそクロノほどクロノをクロノさえクロノでもクロノにクロノでもクロノでクロノやクロノよりクロノからクロノのクロノもクロノはクロノがクロノのクロノとクロノへクロノこそクロノほどクロノをクロノさえクロノでもクロノにクロノでもクロノでクロノやクロノよりクロノからクロノのクロノもクロノはクロノがクロノのクロノとクロノへクロノこそクロノほどクロノを
私はクロノを・・・
悩みに悩み、考えに考え・・・私は結論を出した
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