アカノの亡国と某告
「そうだ。クロノは魔族として生まれ変わった。・・・だがそれでもクロノは俺たちの家族だ。」
「ぐっ!!ううううううう・・・。」
父さんが何かを言う度に頭の中を激しい痛みが襲い掛かって来る
そして痛みと共に【魔神】と対峙した時のビジョンが脳裏に蘇ってきた
「・・・クロ・・・ノ・・・が魔・・・族・・・。」
「アカノ・・・先ずはそれを認めろ。お前がクロノと信じているソレは・・・まやかしだ。」
「アアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!!!」
クロノが偽物?私の傍に居るクロノが偽物だというの?
私は偽物を抱擁し、信じ、人を殺し・・・仲間に刃を向けたというの?
・・・
・・・・・・・
認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない
認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない
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認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない
そう思った瞬間・・・頭の痛みがすっと消えていく
まるで頭痛など初めから無かったかの様に・・・
「父さん。・・・父さん?貴方が父かは分かりませんが私はクロノを信じています。クロノに仇名すならば貴方であろうとも・・・刃を向けましょう。」
そう言って私は帯剣していた剣の柄を握る
正直、目の前の父らしき人族は父そっくりにしか見えないが・・・
本物の父だとしてもクロノをクロノと認めないならば容赦をするつもりはない
「愚か者が・・・。そもそもアカノ、お前は此処が何処だか知っているのか?」
吐き捨てる様に言うも剣を構えるつもりが無い様に疑問を投げかけてくる
・・・まるで私を正そうとする物言いに若干苛立ちを覚える
「此処が何処かですか?・・・此処はクロノが居る場所です。私にとってはそれ以上でもそれ以下でもありません。」
「アカノ・・・そこだ。クロノが此処に居るという事自体が・・・有り得ないのだ。この場所は【終末の亡国】と言われる人族領では禁忌とされている場所であり・・・俺がクロノと出逢った場所だ。」
(?!!!)
「今のお前が覚えているかは知らんが・・・先日お前と再会した時にクロノの事を聞いてきたな?・・・此処は人族全体にとっても、そしてアイツにとっても触れてはいけない場所だ。そんな場所にクロノが根城にする事など有り得んのだ。」
確かに父さんはクロノとの出逢いを私に伝えてくれることは無かった・・・
それを知っているという事は本物である可能性が比較的高い
だけどそれよりも・・・
「この場所で・・・何があったのですか?」
「・・・・・・。」
私がそう言うと、父さんは目を瞑りながら考える様な仕草を行う
私はクロノの事であれば何でも知りたい
私の傍に居るクロノが偽物だとは微塵も疑っていない
だけど・・・それはそれとしてクロノに何があったのかは知りたいと思うと思わずそう言葉を投げかけていた
それから父さんは意を決したのか徐に口を開きだす
「アカノ・・・よく聞け。この場所【終末の亡国】でク「そこまでだ。」」
私の後方から声がする
私は思わず声する方へ視線を向けると・・・怒ったかの様な表情を浮かべるクロノがそこに立っていた
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