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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅢ章【フクシュウノゴウカ】
327/640

カラミトルの結界の決壊


ホンの数分・・・体感時間で言えば約3分程度同じ様な状態が続いた

ハートンホールは相も変わらず防御に徹し、ロザンワは彼の防御力を上昇させる事に専念しており、私はダンシングエッジを繰り出し続ける

カラミトルは一定のリズムで私に攻撃を仕掛けてくる


猶予出来る時間が残り僅かな私は此処で最後の攻撃を仕掛ける事にした


「?!!」


先ずはダンシングエッジをキャンセルし、攻撃するタイミングをずらす

それによりハートンホールは力の入れるタイミングが異なりバランスが崩れた


「え?!!!」


「ぐむっ!!!」


そして背後から攻撃を仕掛けてきたカラミトルの攻撃をサイドステップで回避する

その瞬間、バランスを崩したままの状態であるハートンホールに対しカラミトルの拳が刺さる


「・・・じゃあね、さようなら。」


ハートンホールは直撃は受けなかったものの体勢を大きく崩した

その隙を見逃さず、私は彼の背後へと回り込んで・・・




ーーーーーーーーーーーーズシャーーーーーーーーーーーー



右肩から左腰までの間を一気に斬りつけた


「ハーとん?!!!」「ハートンホールさん?!!!」


驚愕の表情を浮かべる2人を尻目に私は脱出を試みる

・・・2人をついでに斬る事は出来るが、これ以上無用なリスクを上げる様な事はしたくなかった


「おまえぇぇぇぇぇーーーー!!!!」

「アイスランスッッ!!!」


この場から去って行こうとする私に対してカラミトルは殴り掛かり、ロザンワは初級魔法を私に対して撃ち込もうとしてくる

だが、直線的なカラミトルの攻撃を回避しつつ、十数本の氷の鎗を造作も無く斬っていく


(やはり2人とも万全ではないな。・・・ここで斬って置く方が得策か?)


そんな事を考えて、剣の柄を握りしめた時、何処からか『ピピーーーー!!!!』と笛の音が聞えた

恐らく、この国の兵士がこの場所へ向かって来ている集合の音だろう


残念ではあるが・・・やはりこのまま脱出する方が得策だと考えなおし、再び踵を返した


「パパッ!!!早く出て来て!!!」


そして私が数瞬の間、思考に時間を割いていた間にカラミトルはパパを顕現しようとしていた

体調が万全では無いが故にパパのみを顕現しようとしているのだろう・・・

それでも撤退を決めた私からすれば新たに聖獣が相手となるのは厄介以外の何物でもない

タンッと足音を立てて一気に屋根を駆け下り、兵士達や彼女達に見つからない様に【エンライン騎士王国】を後にした・・・




「・・・ガゥ。」


「・・・うそ」


私は顕現させたパパの鳴き声に対して呆然とそう呟くしかなかった・・・

私はパパやピピに育てて貰った事もあり、彼らの言いたい事は鳴き声や目線で理解できる

それでもパパが私に言った言葉は・・・とても理解できるものじゃなかった


傍らではロザンっちがハーとんの応急処置を行いながら大声で叫んでいる

ロザンっちは回復魔法は殆ど使えないにも拘らず・・・少しでも延命する手助けになればと考えて行っているのだろう・・・


本来であれば私もその手助けをしなければならなかった・・・

だけど・・・()()が去って行った方角から視線が外せない


「ねぇ・・・ロザンっち。」


私だけではもう許容量が超えている・・・

端的に言うならば・・・泣いてしまいそうだ・・・


「さ・・・さっきねぇぇ・・・パ、パが言っていたんだぇどぉぉぉ」


・・・駄目だ

泣いてしまいそうでは無く、口を開けば我慢していたモノが決壊して涙が止めどなく溢れてくる

多分私は酷い顔をしているのだろう・・・

ロザンっちも何があったのかという様な呆けた表情で私を見つめる


「ざ・・・さっきの・・・ハーとんを・・・斬った奴ねぇぇ・・・グスッ・・・斬ったやつだけどぉぉ・・・」


「・・・はい。」















「・・・アカのんだってぇぇ。グスッ・・・アカのんの臭いがするんだってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


・・・そう言ったまま、私は何も理解出来ず、ただ泣き叫ぶだけだった

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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