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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅢ章【フクシュウノゴウカ】
324/640

アカノの襲撃と挟撃


(さて・・・この状況を打開するには・・・)


ロザンワを斬る事に抵抗が無いのを確認した私は、この場を斬り抜ける手段を模索する

まずエンチャントは使用できない

続いて使用するスキルも一般的なモノに限り、【剣聖】や【剣神】を連想させる様な固有スキルや上級スキルは使用できない

しかも【勇者】2人以上に目撃者を出さない為にも手早く終わらせなければならない


(中々難題になってしまったな・・・。)


正直、勝つだけならば問題無いだろう

【魔王】2人を一度に倒す事が出来た私にとって、【勇者】2人が相手でも問題は無い

ただ、様々な制約が掛けられているのが厄介だった


「貴様・・・この城へ何の用だ?・・・王の首か?」


目の前のハートンホールが騎士らしい問いかけをして来る

恐らくこちらの素性を探る腹だろう・・・


「王の首?そんなモノに興味は無い。私の目的は【勇者】ハートンホール・・・貴方の首。」


「・・・私の?」


変声されたくぐもった声でそう答えると、当人としては意外だったのか驚いた表情を浮かべる

だが瞬時に切り替えた様で臨戦態勢に移行する

ロザンワはこちらの様子を見ながらも魔力を練り上げているのが分かる

だけど・・・


「そちらのお嬢ちゃんは手傷を負っているのかしら?魔力の質が弱いわね。」


「・・・くっ!」


彼女は先の【魔王】との戦いの傷が癒えてないのだろう

明らかに魔力の量も質も【魔王】戦に比べると劣っていた

そう言えば先の戦いから一番近い国は、この国だった・・・

恐らく手傷を負った彼女はこの国で治療を受けているのだろう


(それに・・・。)


ここは王城

彼らからすれば荒らされたくない国の象徴だ

であれば私に制約がある様に彼らもまた辺りを瓦礫と化する様な魔法やスキルを使用する事が出来ない

それを顧みると私の勝機も上がって来る


「・・・貴様、何者だ?」


「・・・そうねぇ、答えても良いのかしら?私は【狂笑道化団】の一員。」


「【狂笑道化団】・・・?ハートンホールさん・・・知っていますか?」


「いや・・・残念ながら初耳だ。」


「その内に嫌でも覚えるわ・・・それまでに命があればだけど、ねっ!!!」


そう言うと同時に私は一気に駆ける

狙いはハートンホール・・・ではなくロザンワだ

近接戦闘を行っている場合、一瞬の隙を付き魔法を放たれると制約が多い今の状況では厄介だ


距離を詰め寄り斬撃を繰り出すも、ガギィィンという鈍い金属音と共にハートンホールが私の斬撃を受け止める


「・・・1対2の戦いの場合は遠距離攻撃者から狙う。基礎中の基礎だ。」


そう言いながら重厚な剣で力任せに斬り結んでくる

私の剣も大剣ではあるが、斬れ味と魔力伝導率に特化した剣だ

それに対し彼の件は斬れ味というよりも叩きつける様な重厚さに特化させた様な剣であり、大凡騎士国の【勇者】が持つには似つかわしくなかった


「パワーアップ!!」


「おおおおおぉぉぉぉ!!!!」


その一瞬の硬直をついてロザンワがハートンホールに力を付加させる魔法を詠唱する

そして彼の力は一気に上がり、斬り結んでいた体勢は一気に押し出される


「・・・くっ!!!」


力を受け流すと彼の斬撃は屋根に当たり、ドゴォーーーンと一部の屋根が破壊された


(・・・厄介だ。)


この衝撃音によって兵士が駆け付けてくる可能性が高い

そうなると暗殺等の問題では無くなってしまう

限りある時間の中で何が最善策かを思考する私に対して、彼の眼は一切の慢心を映さない


「ロザンワ殿・・・このモノはかなりの手練れです。私の斬撃に対し踏みこたえ、更に受け流す腕はそこらの剣士にはありません。・・・油断なき様に。」


その言葉を聞いて彼女も視線をこちらから逸らさず私の動向に注視してくる

戦局が硬直する程に不利になる事を自覚している私は、徐々に焦りが募ってきた

いつも有難う御座います!!

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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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