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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅱ章【クロハクロヨリクロシ】
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【間章】アカノとクロノの旅立ち

アカノとクロノが遂に都へ向かおうとする時の物語です


私が称号【剣聖】になってから2年が経過した


先程まで希望を胸に秘めてクロノと共に教会に行った私は…今、絶望してしまっていた


クロノが神父様から受けた称号は無職…

何にも適さず、何も出来ず、何にしても成長が極端に遅い

念の為にステータスボードを開いても称号【  】と表示されているだけだった…


このままだと冒険者を選んだ私と、何も適さない弟はどうしても離れ離れになってしまう


「おい、無職だぜ!!」

「やっぱり神様は見て下さっているんだな!!『不吉の象徴』に向いている称号なんかあるもんかよ!!」

「俺だったら生きていけないな!!」

「「ギャハハハハハ!!」」


大きな町ではないから噂を直ぐに広まる為に好き放題いわれてしまう

私は笑う奴等をキッと睨むと逃げて行った


「…お姉ちゃん、ごめんね。」

申し訳なさそうに謝る弟を見ると反射的に泣きそうになる


弟は何一つ悪くない


弟が黒髪黒目なのは弟の所為じゃない


弟が称号無職なのは弟の所為じゃない


弟は素直で心優しい


弟は剣の筋は悪くないし向上心に溢れている


弟は可愛い顔をしているし綺麗な髪と目の色をしている


私は、クロノが、愛しい…


この感情は勿論、家族愛だ


家族として、愛しいのだ


家族として?


…正直、今一つ自信が無い


ただ、それでも昔から決めている事は覆らない


『私がクロノを守る』

これだけは誰が何とも言おうとも覆る事は無い

黒髪黒目だろうが、無職だろうが、家族愛でなかろうがこれだけは…


クロノは謝罪に対し黙りこくった私を見て更に申し訳なさそうになる

彼の頭に手を乗せて髪をグシャグシャにしてやる


「何一つ気にすることは無い。クロノと私の関係性が変わる訳ではない。クロノも冒険者になりたいのだろう?」


「うん…でも流石に無職で冒険者になっても、お姉ちゃんの足を引っ張るから…僕は僕でやっていくよ。」


「駄目だ!それは駄目だぞ!!クロノと私で冒険者としてパーティーを組むのだ!!」

それだけは容認出来ない

別のパーティーになってしまうと守る事が出来ない

私はクロノを守るのだ


「でも…」

「私は【剣聖】だ!!クロノを守りながら冒険者をする位は何の問題も無い!!クロノは私と一緒に冒険を続けて行けばより強くなるかもしれないし、私は私で良い修行になる!!お互いに得なのだから譲らないぞ!!」

一気に捲くし立てる様に説得していく


そんな私は見て、少しポカンとした後に少し微笑んだ

「うん、そうだね…昔からお姉ちゃんと一緒にパーティーを組む約束をしていたしね。」


クロノはそう言って立ち止まる

「…()()()、僕も強くなるよ。今すぐは無理でも…姉さんを守れる位に強くなるよ。」


「…うむ。」

感動で泣きそうな表情を必死に隠そうとした為に睨んだ様な表情になってしまう


「僕、強くなるよ。」


あ、駄目だ…涙腺崩壊する

「…そうだな。では、一緒に都に行ってパーティーを結成して…一緒に強くなろうな。」

「うん!!」

私はその笑顔を見て、泣いているのがばれない様に顔を背けた



……


帰宅してから父さんにクロノが無職だった事、2人で冒険者として都へ行く事を告げた

父さんはクロノが無職だった事には何も言わなかったが2人で都に行く事を渋っていた


多分、クロノが無職であるにも関わらず冒険者になる事を危惧していたんだと思う

でもそこだけは私自身も譲る事は出来ない

2人で必死に説き伏せて渋々ながら了承してくれた


そうして2日後には2人揃って都行きの馬車に乗り意気揚々と旅立って行く

「月日が経つのは早いなぁ…」なんて父さんは言っていたけど、父さんの背中を追い続けて、クロノと並びたち冒険へ向かう事を夢見ていた私には早いという感慨はなかった


「「いってきまーーす!!」」

走り出す馬車から2人で父さんに向かって手を振る


さぁ、今この瞬間から私たちは冒険者だ!!



あと1話【間章】を挟んでⅢ章へ向かいます!!


いつもご愛読頂きまして本当に有難う御座います!!

ここからのストーリーはどの様な時系列でいくかを悩んでおります…


「おいおいおい!頑張って続けろよ!!」という方は★を

「息切れしてんじゃねぇ~か~?」という方はブックマークをお願い致します!!


ご意見ご感想も喜んでお待ちしております!!


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