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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅢ章【フクシュウノゴウカ】
314/640

アカノの破壊と破戒


小高い丘から城下町を見下ろすと、人々がゴマ粒の様に見えてくるから不思議だ・・・

そんな事を思いながら【赤炎】を鞘から抜く


「では・・・クロノ、行って来るわね。」


「うん・・・姉さん気を付けてね。」


「任せて、私は貴方の姉さんよ。【魔神】相手ならいざ知らず、人族に敗北する程は落ちぶれてはいないわ。」


そう言って心配そうな表情を浮かべる弟を励ます様に笑みを浮かべて応える

そんな私の様子に茶々を入れるかの様に黒髪黒目の軽薄そうな男が口を開く


「そうですよぉ~、お姉様は異常にお強いですからねぇ。クロノ様が心配される様な事は起こりませんよぉ?」


「五月蠅い。今すぐ殺してあげましょうか?」


「おぉ~怖い怖い。」


私がサイクスに対して睨みながらそう口を開くと怖がっていないにも拘らず、そんな素振りを見せる

その挙動が私の神経をより逆撫でさせる


「姉さんもサイクスも喧嘩しないで。・・・まずは目の前の国を潰す事から始めよう。」


「そうね。」

「はぁい。」


クロノの呼びかけに呼応して戦闘態勢を取る


「じゃあ最初の作戦通り、姉さんはこの国を蹂躙し、王族を皆殺しにする。サイクスは姉さんのサポートをお願い。・・・じゃあ始め!!!」


クロノの号令の下に一気に丘を駆け抜ける

【赤炎】にエンチャントを付与させて一気に城下町の城門部分に到着する


「「?!!!」」


私の存在に気付いた兵士が一瞬顔を強張らせるが・・・


「もう終わっている。」


そう告げると同時に首と胴が真っ二つとなっていく


「だ、誰だ?!!」

「誰でも良い!!!敵襲だーーーーーー!!!!」


城門で見張りをしていた兵士が騒ぎ出す

だが・・・練度が足りないらしく、騒ぐだけで弓矢での反撃も無い


「遅いっ!!!ソニックブレイドッッ!!!」


城門目掛けてスキルを発動し、城門を真っ二つに割り、そこから堂々と城内に入っていく


「き、貴様・・・何者だ?!!!」


「【剣神】・・・いいえ違うわね・・・私は【狂笑道化団】所属、【狂炎ノ道化師】だ。」


そう答えながら視界に写る有象無象を真っ二つに斬っていく


「男はクロノに誤解されると困るから死んで頂戴。・・・女はクロノを誘惑すると困るから死んで頂戴。」


そう呟きながら視界に写る全ての人族を斬り捨てていく


(これが・・・私たちの幸せの為に行う最善手・・・。)


そう自分に言い聞かせながら斬っていく私は・・・言い聞かせなければならない自分の心内に気づかないフリをしていた・・・



あの日・・・

クロノと再会した私は力の限り彼に対して抱擁した


「クロノ!!!!」


「い、痛いよ姉さん!!」


耳元でクロノはそう言うが私はその言葉を無視して力の限り抱きしめる

それと同時に涙腺が一気に決壊してしまう


「クロノ・・・クロノ・・・無事でよかった・・・クロノォ・・・。」


「・・・姉さん、心配させてごめんよ。」


そう言いながら私の髪をゆっくりと撫で続けてくる

その優しい仕草がより私の目から涙を誘い、とても弟に見せる事が出来ない表情をしている為、彼を抱擁から放す事はなかった


・・・


・・・・・・


「姉さん・・・落ち着いた?」


「・・・うん。」


少々名残惜しいが私はクロノを開放し、彼の顔を見る

相変わらず少々気弱な表情を浮かべるが、優しそうな雰囲気を醸し出している私の知るクロノだった


「・・・クロノ、無事で良かった。」


「うん・・・姉さんも無事で嬉しいよ。」


「いやいやぁ~・・・感動の再会でしたねぇ~。」


喜び合っている私たちに対して無粋で軽薄な声が後方から響く

その声を聞いた瞬間、剣を抜いて一気に斬り捨てようと動く


「姉さん待って!!!」


だが、クロノの懇願する声を聞き・・・奴を斬り捨てる事はしなかった

・・・まぁ殺気を飛ばしは続けたけれど


「姉さん・・・彼は僕の命の恩人なんだ。殺すのは止めて欲しい。」


「・・・むぅ。」


その言葉を聞き、剣を鞘に納める

流石にクロノの命を恩人を此処で斬り捨てるのは良くない


(・・・斬るならクロノの居ない場所だ。)


そう考え、クロノの次の言葉を聞く


「姉さん・・・。僕は今、この世界に復讐を仕掛けようとしているんだ。・・・姉さんも一緒にやってくれかないかな?」


その言葉を深く考える事も無く、私はただ頷いた


いつも有難う御座います!!

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ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!


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