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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅻ章【クログロトシタギネン】
304/640

クロノの歴史と確信


「ヴァリアが・・・協力・・・者?」


「その通り。彼女は私の配下だと思っている節があるがね・・・私は彼女を協力者だとしか思っていない。」


「ちょ・・・ちょっと待ってください・・・。情報が多すぎて・・・。」


「だろうね。まぁこの続きは追々と行こうか・・・まずは私は君の敵だと認識出来ればそれで良い・・・よっ!!!」


僕がそう言うと彼はいつもの笑顔に戻り、僕に言葉を投げかけてくると同時に再度距離を詰め斬りかかってきた


「ぐっ!!」


先程をなぞる様な防戦一方な状態がまた続く


「どうした?純粋な接近戦では手も足も出ないのかな?」


正直、ブロウドさんの剣術は【剣神】である姉さん程は鋭くない

それでも尋常ではない素早さと力でそれを凌駕するかの様な猛攻を仕掛けてくる


(力と素早さはブロウドさんの方が上だ・・・なら技はどうだ?)


猛攻を凌ぎながら脳裏に浮かんできたのは・・・父さんだ

父さんは僕に返し技の練習をよくさせていた

力も無く、素早さも然程では無い無職の僕が敵に勝つには相手の力を利用して反撃に転じるのが一番生存確率が高いと言って・・・


「おっ?!!」


ブロウドさんの斬撃を受け流し、その反動でを利用して右胸に一太刀を与える

彼自身、反撃を予期していなかったみたいで容易に傷を与える事が出来た


(魔族になって僕自身が非力では無くなっていたから・・・すっかり抜け落ちていたな。)


今のブロウドさんと僕を比べれば【剣聖】の姉さんと無職だった頃の僕と実力は変わらないかもしれない

でも・・・姉さんを相手に何万回と繰り返した技は【真祖】に傷を与える事が出来た


『研鑽や努力はっ!!称号を超えるっ!!」』


あの日、姉さんが僕に告げてきた言葉が頭に反芻される

確かに僕のこの剣技は【真祖】に一泡吹かせる事が出来た

けれど・・・人族だった僕が同じ状況で同じ様に返し技を放ったとして・・・果たして【真祖】に一太刀与える事が出来ただろうか?


(・・・考える間でも無いけどね。)


答えは否

彼の剣圧に押されてしまい受け流す事は不可能だ

人族だった頃の僕が何万回、何十万回、それこそ人生の全てをこの返し技だけに捧げても・・・それは不可能だ

詰まる所それは称号、才能、生まれ持った運の差・・・覆らないし覆し様が無い

僕は()()()【魔神】になる事が出来た

だからこそ一太刀浴びせる事が出来た・・・それが全てだ


そんな事を考えている間もブロウドさんは僕に斬撃を繰り出し、僕はそれを受け流し続ける

気付けばブロウドさんの衣服は僕の斬撃で斬られており、斬り傷も幾つか負っている様だった

彼は突然後方へ跳び、僕と距離を取る

そして・・・自分の身体にある傷をマジマジと確認してニヤリと口角を上げた


「クロノ君、見事・・・見事だよ。」


「有難う御座いますと言って良いんでしょうか?」


「勿論だ。力、素早さは私の方がはるかに凌駕していたにも拘らず、技という連綿と受け継がれた歴史で私に対抗したのだからね。・・・大したものだよ。」


「・・・その技もブロウドさんには致命傷を与える事が出来ませんでしたが。」


「ハハッ、これでも【真祖】だからね。さて次は・・・私の魔力にどうやって対抗するかな?」


「・・・?魔力?ここは魔力が生み出されない空間では?」


僕がそう尋ねると心底可笑しそうに相好を崩す


「おいおいクロノ君、私は【真祖】だ。何もない所から子孫を産み、魔力が無い所から魔力を産み出させる種族を創れる存在だよ?魔力が無い所から魔力を創るなんて今の私でも造作も無いさ。」


「・・・【真祖】って、目茶苦茶苦な存在ですね。」


驚愕半分、呆れ半分な感情で思わず本音を吐き出してしまう

要するに僕は魔力が使えない状態で、魔法やスキルを放つ【真祖】を相手にしなければならない


これ以上の理不尽はあるのかと思わず辟易してしまった・・・





いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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