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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅻ章【クログロトシタギネン】
303/640

クロノの真実と結実


「・・・ぐっ。」


上半身を斬られ思わず膝を付く

幸か不幸か皮一枚程度の斬り傷ですんだ為に戦闘不能には陥らないが・・・このままだと不味い事位は容易に理解できた


「クロノ君・・・あの頃と変わらず接近戦はあまり得意じゃないのかい?」


「・・・少しは上達したと思っていたのですがね。詰まりブロウドさんは神に喧嘩を売ろうとしているという事ですか?」


「いいや、つい先程に売ってきたんだけどね・・・想像通り致命傷を負い、命からがら逃げて来たという訳さ。」


この先程に打ち合った力や素早さで致命傷を負っているとすれば・・・【真祖】はやはり神だ

けれど実際の神はもっと化け物なのか・・・


「は・・・ははっ・・・。」


思わず渇いた笑いが口から漏れ出る

【魔王】から【魔神】になったとしても・・・それは掌で踊らされている事と同じだ

そう思うと人族だ魔族だと争うのが馬鹿らしくもなる


「・・・だったら貴方も諦めるという事ですか?」


「いいや・・・そこで君と姉君を戦わせたのかという理由に帰結するのさ。」


「・・・・・・?」


意味が分からないという表情を浮かべると、ブロウドさんはニヤリと笑う


「クロノ君・・・君は僕の可能性だ。何も持たざるただの人族が変性した事により【魔王】への称号を得る資格を持った。これは私の言う進化に他ならない。」


「・・・それはブロウドさんが?」


「いや、それはない。変だと思わないかね?何もない人族が魔族となった・・・これは私の変生の効果だから特段変では無いが・・・魔族になった途端に【神ヘノ冒涜】という成長指針スキルを得て、【魔王】や【勇者】や【覇王】等の称号を選択する事が出来る。そんな付与効果が変生である訳が無いんだよ!!」


「・・・・・・。」


確かに・・・そう言われれば違和感がある

ブロウドさんの目的が世界の進化ならば片っ端から変生させていけば良いだけの話だ

けれどブロウドさんは僕のスキルを確認した時に異常に興奮していた

それはつまり・・・


「・・・僕の進化が想定外だったという訳ですか?」


「その通り。私は当初、飽くまで君を魔族化させて撒き餌するつもりだっただけだからね。君が【神ヘノ冒涜】まで得るのは流石に想定外だった訳さ。」


僕がブロウドさんからしても想定外の結果となったのは理解できた

でも・・・


「・・・撒き餌?誰かを誘い出す囮にするつもりだったという事ですか?」


「その通り!!君を囮として誘い出そうとしたのは・・・君の姉君、アカノ=エンドロールだよ。」


そう言った彼の表情は今までに見た事が無い位、邪悪な表情に見えた


「何故、姉さんを・・・。」


動揺する自分の感情を抑え込みながら必死に冷静であろうとしながら声を絞り出す

だが僕のそんな心情が分からないかの様に気軽な口調で言葉を返してくる


「それはね、彼女こそが人族最強だと私が認めたからだよ。・・・君は知らないかもしれないけれどね、ヴァンパイアの討伐依頼は私が手を回して以前から君たち【グングニル】が受ける様に手配していたんだ。討伐を受領出来るランクの制限、法外な報酬、裏から君たちが受領する様に手まで回していた。けれど君の姉君はそれを良しとしなかった。曰く、『不確かな依頼内容にクロノを連れてはいけない。』『若いヴァンパイアの可能性が高いのであればこのランク制限はおかしい』とね。彼女はまぁ・・・厄介だったよ。」


「・・・・・・。」


「だから手段を替えてね、彼女が居ない隙を見て依頼を受けさせ、君を撒き餌に彼女が来る様に仕向けたのだけどね・・・あの【勇者】が短気を起こし、君を殺すとは思っていなかったよ。・・・まぁそのお陰で君が手に入ったと考えれば褒め称えたい気持ちにもなるけれどね。」


そう言いながら広大な謎解きを披露する彼を見て、怒りと同時に疑問も湧き出る


「・・・あの依頼には・・・協力者が居たという事ですか?」


「その通り!!君がヴァリアと呼んでいた【拳剛】・・・彼女こそが私の協力者だ。」


その言葉を聞いて愕然とする

・・・つまりはサイクスやヴァリアと【真祖】は繋がっているという事に他ならないのだから


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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