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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅻ章【クログロトシタギネン】
296/640

クロノの行為と相違


「・・・・・・。」


「・・・・・・。」


暫しの間抱き合った後、お互いに何となく照れくさくなり椅子に座る

サラエラは涙を拭う仕草を行い、ファーニャは微笑ましいものを見る様な視線を投げかけてくる

その視線を振り払う様に父さんに視線を向けて口を開く


「父さん・・・姉さんの事だけど・・・」


「待て。アカノの事も心配だが・・・先ずはお前の事から順を追って話せ。」


そう言われ、父さんはやっぱり父さんで・・・僕の事も気に掛けてくれていたんだと嬉しくなった

だけど・・・そんな人に全てを説明するのはやっぱり辛かった



「・・・僕が姉さんと逢ったのはこれが最後だよ。」


「そうか・・・。」


父さんは僕の話を遮る事なく腕を組んで目を瞑り話を聞いていた

そして話し終えるとゆっくりと目を開ける


「俄かには信じ難い事ではあるが・・・先ずは魔族になったとは言え、今此処で逢えたのは本当に嬉しく思う。」


「・・・・・・。」


「幾つか言いたい事も有るが・・・お前の懸念であるアカノの事から俺の見解を告げておく。」


「はい・・・。」


「先ずはアカノが正気を失ったとの事だが・・・話を聞く限りは剣が助長を促しているだろう。」


「・・・剣が?」


「うむ。名だたる武器をエンチャントさせる1つの手段として、銘を入れる手段がある。まぁ俺は鍛冶師ではないので詳しくは知らんがな。」


「・・・・・・。」


「そして銘を入れる時に表銘と裏銘という方法があるらしく、2つの意味を入れる事によってより強力な武器となる事を聞いた事がある。」


「2つの意味・・・。」


「飽くまでお前からの伝聞だから確実な事は言えないが・・・感情が爆発した事により、裏銘が発動したと考える方が自然だろう。」


「だったら姉さんの剣を壊せば・・・。」


「少なくとも今よりは抑制が効くだろう。但し、裏銘を入れられた武器というのは非常に強い。ましてや【剣神】となったアカノが持つのだから通常の武器では先ず壊せない。」


「という事は僕が直接壊すしかないという事ですね。」


「うむ・・・若しくはより強力な武器を持つかだな。アイツは回避主体の戦闘スタイルだ・・・エンチャント化したアイツと剣を相手に狙って壊せるかが問題だな。」


「・・・分かりました。一度模索してみます。」


「うむ。」


僕が使っていたローエルの剣も良い剣だったが・・・真っ二つにされたという事はより強力な武器が必要だ

単身で殴り掛かろうとあの時の戦いを思い出すと容易ではない事は理解できる


「次に俺とアカノを魔族化させるという話だが・・・アカノはどうか知らんが俺は断る。」


「?!!」


「確かに今回の戦争は人族側の愚かな行動に非があるのは明らかだ。だが・・・戦火を燃え滾らせたのは復讐という大義名分を持ったお前の行状なのも明らかだ。」


「でもっ!!」


僕が言葉を放とうとすると手で制する

父さんとしては話に続きがあるのだろうと思いなおし腰を据える


「人族の間、不遇を味わい続けたお前が、魔族となり仲間を得たと思ったら人族の所為で仲間を失ったお前の気持ちも分かるが・・・俺の中ではそれが人族全体の復讐にはどうしても結びつかない。それは俺とお前の考え方の相違であるかもしれないし、人族と魔族の考え方の相違であるかもしれないがな。」


「・・・・・・。」


「それに俺が納得できない限り・・・()の下へ行く事は無い。」


「・・・僕と戦う事になります。」


「それは仕方ない・・・選んだ道が違うのだ。」


「父さんは・・・死んでしまいますよ。」


「だろうな・・・だがそれこそが俺の選んだ道だ。・・・まぁ本来であれば戦争を止める様にお前を諭すべきなのかもしれんが、それも選んだ道だ。・・・俺は息子の選んだ道を否定はせん。」


そう言った父さんは頭をボリボリと掻きながら苦笑していた


いつも有難う御座います!!

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