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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅻ章【クログロトシタギネン】
287/640

クロノの変異と決意


痛い・・・

痛みがほぼ同時に身体中を駆け巡る

ローヴが徐々に斬り刻まれ、物理耐性も弱まってきている


「悪いが・・・クロノと私の幸福の為に死んでくれ。」


「ね・・・さ・・・。」


姉さんの言葉に無意識に言葉を紡ぐ

だが、姉さんには聞こえていなかったのか壊れているのか・・・斬撃が止むことは無い


(このままじゃ・・・)


ほぼ0距離で転移を開始すると予想通り上空へ転移された


(姉さん・・・取り敢えず一撃を!!)


落下しながら奇襲を試みてみるが・・・


「がぁ!!!」


回避されると同時に腹部に強打を受けてしまい吹っ飛ばされる


「はぁ・・・はぁ・・・。」


この短時間で尋常ではないダメージを受けてしまう

【魔神】の僕がここまで苦戦しているという事は【魔皇帝】だったら死んでたな等と嘲笑てしまう

【暴喰ノ口】を傷口に発動させて傷口を喰らわせ、辛うじて立ち上がる

すると面倒くさい様な表情を浮かべる姉さんと目が合った


「回復魔法持ちか・・・厄介だな。」


「姉さん・・・もしかすると姉さんは今正気では無いのかもしれない。でも・・・これで良いんだね?」


僕は警告の意味を込めてそう尋ねる

別に姉さんに殺される事は然程問題ではない

特段悔いも無いとも言える

けれど、正気を失っている姉さんに殺さる事は心情的にも魔族の皆からしても決して良い事じゃない

そう考えて尋ねるが、姉さんの答えは・・・


「お前を殺さないとクロノに誤解されるだろう?・・・あぁ、クロノが目移りしない様に全ての女性も殺さないといけないし、私が誤解されない為にすべての男性も殺さないといけないな。」


想像をすらできない・・・僕からすれば絶望的な言葉だった・・・

結局今、僕が姉さんに殺されたとしても・・・姉さんは止まらない

僕を僕と認識していない上、理解出来ない理屈ですべての生物をも殺そうと考えている


(これは・・・救われない。)


姉さんが告げたその言葉は・・・僕の気持ちを確立させる理由としては充分な言葉だった

今は説明する時間も、理解してもらえる気も全くしない

だったら・・・


「・・・そっか。僕は人族の敵となる道を選んだけれど、今の姉さんは世界の敵になるんだね。じゃあ僕は・・・魔族領の皆の為に・・・姉さんを・・・倒すよ。」


そう言って魔力を一気に練り上げる


「【暴喰王ノ口】ぃぃ!!!!」


すると急激に膨らんだ魔力は、先程よりも格段に大きい黒い球体が顕現される

僕が持っている切札の中でもとっておきだ

可能であれば捕縛したいところだけど・・・今の姉さんに対しては容易では無い事は理解できる


「・・・姉さん、僕はもう・・・【魔神】だ。弱くて無能と言われていた僕じゃない。今からこのスキルを発動させるけれど、覚悟は良い?」


「さっきから姉さん姉さんと良い加減五月蠅いぞ。私の弟は世界でたった1人・・・クロノ=エンドロールだけだ。」


そう告げる僕に対して敵愾心を剥き出しにして炎をエンチャントしてくる

その視線に寂しさを覚えるけれど・・・ここで決着をつけないと人族だけではなく魔族に対しても災厄となってしまう

僕は再度姉さんを敵として見据えた


「「いくぞ・・・。」」


呼吸を整え、偶然にも同じタイミングで口を開く

その瞬間に姉さんが斬りこもうと重心を前に移行させる


「【怠惰ナ脚】!!」


その瞬間を見極めて【怠惰ナ脚】を発動させた

すると体勢を崩したのか前方に跳んでくる


「此処っ!!」


「?!!・・・【赤龍ノ咆哮】っ!!」


体勢を崩した隙に乗じて触手を一斉に襲い掛からせる

けれども触手は姉さんのスキルで反撃にあい燃え盛っていった


(此処までは予想通り・・・。)


【暴喰王ノ口】は触手全てが【暴喰ノ口】の様なものだ

炎で燃え盛ったとしても触手が炎を喰っていく


「くっ!!」


姉さんとしても予想外だったらしく、アーマーの一部を消失しながら必死に捌いていた


いつも有難う御座います!!

面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!


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