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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
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アカノの違和感と既視感


「其が、何と言おうとも、変わらぬ、此処に其が独りで赴いたのが、人族の在り方よ」


大仰に口上を述べた私に対し、【魔神】は冷静にそう告げる


(私が断ったからだっ!)


(1人で来た訳じゃない!!)


そんな事を言いたい気持ちをグッと抑え込む

ここからは隙を見せれば一気に終わる可能性すらある

私は【魔神】を睨みつけ相手の出方を窺った


・・・


・・・・・・


3分は経過しただろうか?

互いが互いの隙を窺う膠着状態は、私の踏み込みから始まった


「あああああぁぁぁーーー!!」


剣を中段に構えて一気に距離を詰め寄って行く

【魔神】は私の突撃を見て片手で剣を構え、こちらへ駆け出して来た


「ぬぅぅぅぅぅぅー!!」


【魔神】がそう唸ると同時にガギギィィンと鈍い音が鳴り響き、互いの魔力が衝突する

行き場のない魔力の波動がうねりをあげて、全方向に拡散していった

互いの刃が交差し、紅と黒の魔力がお互いを相殺しあっていく様は、それだけで互いの実力が圧倒的である事が理解できる

互いの魔力により波動が生まれ拡散していった


「はっ!!はっ!!」


「・・・・・・。」


ガギィィン、ガギィィンと金属音が鳴り響いて魔力が爆発する様な感触がある

数合打ち合い、ある違和感に私は気付く


(【魔神】相手に・・・打ち込みやすい?)


そう、相手が弱いとかそんな事では決してない

【魔神】は踏み込みも強く、膂力もあるし、押し切る力も当然にある

けれど・・・阿吽の呼吸とでも言うのだろうか?

こちらの剣も捌かれるが、相手の剣も捌きやすい


(まるで・・・打ち込みの練習をしている様な・・・)


そんな違和感に意識を囚われている一瞬で剣を押し返される


「しまっ?!!」


追撃が来るかと瞬時に態勢を立て直すが・・・【魔神】からの追撃は無く、寧ろ距離を取ってきた


(・・・・・・?)


その事に不思議な気持ちになる

今の隙は一瞬とは言え、奴ほどの実力を持っていれば追撃へ移行しても可笑しくない・・・


(なんだ・・・?体調が悪いとかなのか・・・?)


だが相手が本調子ではないのであれば此方としては好都合だ

再度詰め寄り攻撃を仕掛けようと態勢を整えた瞬間、


「【暴喰ノ口】・・・。」


【魔神】がそう詠唱すると同時に黒い球体が顕現され、黒い球体から何十という触手がこちらに襲い掛かって来る


「くっ?!!嬲る趣味があるのか?!!サークルエン・・・いや【明鏡止水】!!」


サークルエンドでは襲い掛かって来る際まで把握出来ないからと【明鏡止水】を発動させた

だが、私の心は今落ち着いていないらしく、先日のダンキを相手にした時に感じた半分程度の波紋しか感じられない


(落ち着け落ち着け落ち着け・・・。)


心を自制させながら半分だけ理解できる動きに合わせて触手を斬っていく


「なっ?!!がぁーーーーーー!!!!」


数多の触手に紛れて、何処からともなく【魔神】が側面に現れ、腹部を殴りつけられる

殴られた反動で無理やり後退させられ、その隙を付いて今度は追撃を行ってきた


(・・・?!!)


相手の斬撃を捌いていくと身体が徐々にではあるが動きが遅くなる・・・


(デバフか!!!)


このままコイツと打ち合うのは不味い!!

そう考え、空中へ跳ぶ

その瞬間、【魔神】と触手が一斉に此方へ襲い掛かってきた


「それを待っていた!!【赤龍ノ咆哮】!!!」


赤龍と契約した事により、最適化されて以前の様な異常な程に魔力を持っていかれる事は無いが・・・

それでもそれなりに魔力を持っていかれながら此処が勝負の分かれ道だと感じ切札を一枚切った

すると火柱の様な炎が5つ顕現され、唸り声の様な音を出しながら一斉に【魔神】へ襲い掛かる


「?!!!」


挙動で多少は面食らった様子ではあったが・・・

数十の触手が一斉に火柱を捕縛し、黒い球体へと導き、黒い球体がそれを喰っていく


「【暴喰ノ口】・・・か、悪食めっ!!」


そう虚勢を張る私に対して、跳んでいる私に【魔神】が襲い掛かってきた

いつも有難う御座います!!

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