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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
263/640

ロキフェルの保証と交渉


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」


目の前の光景を俯瞰的に眺めながらしくじったと悔やんでしまう

砦は最早、瓦礫の山という言葉の方が表現としてはしっくりくる有様だ

彼女と私たちの攻撃により草一本も生えていないんじゃないかな?という正に廃墟というのにふさわしい光景だ


「よぉガキ・・・生きてるか?」


そう言って先程に吹き飛ばされた瓦礫の山から出てきたバカ(ダンキ)

だけど私も笑えない風体をしている


「えぇ辛うじてだけど・・・。」


攻撃魔法は悉く回避されるか斬られてしまい、男になろうかと考えたがマリトナとダンキがいるのに物理に変わるのは意味が無いと思い・・・最早ボロボロだ

今更【悪魔ノ削命】を使用する魔力も残っていない


「マリトナはまだ生きているの?」


「あいつはどうやら気絶させられたみたいだ。・・・そこで寝んねしてるよ。魔力は感じられるから死んじゃいねぇ。」


「そう・・・さて【魔王】2人がご覧の様にボロボロだけど、どうするの?」


「どうするもこうするも・・・最後までヤルしかねぇだろ?」


「ふぅ・・・やっぱりバカはバカなのね。」


「あぁん?!!」


そう、このまま戦っても間違っても勝てない

そして私たちは殺される・・・が、それ自体は問題はあるが問題無い

問題なのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



お兄様はお優しい



だからこそグーガの時の様に・・・若しくはそれ以上に心を病まれる

姉が仲間を殺したという事実を・・・お兄様が乗り越えられるとは思わない

最悪、壊れてしまう可能性があるのだ

それは本意ではないし迎合できない

私たちが姉君を殺す事は問題ないが、その逆は大問題だ


「ねぇバカ、これから私が彼女に交渉をするけど・・・バカは口を挟まないでね。全てはお兄様の為よ。」


「・・・信じて良いんだな?」


「勿論よ。私のお兄様への愛はバカの忠誠よりも深いのよ?」


「ぬかせ。」


「・・・話は終わったの?」


そう言って赤髪が近づいて来る

魔力量が少ないにもかかわらず一向に魔力が枯渇する気配がない


(ホント・・・化け物ね。)


そう毒づく私に気づく素振りも無く、淡々と同じことを尋ねてくる


「クロノ=エンドロールは何処?生きているでしょうね?」


「・・・降参よ、アカノ=エンドロール。」


私がそう答えると初めて表情がピクリとする

彼女としても私の回答が予想外だったのだろう


「・・・私を知っているのか?」


「えぇ、貴女の探すクロノ=エンドロールから情報として貰っているわ。貴女が【剣聖】である事も、人族で1番強いだろう事も。・・・そしてそれが事実な事も今確認したわ。」


「クロノは?!クロノは何処だ?!!!」


「正直に言うとね、私たちは貴方の弟さんの居場所は知らないの。でも・・・」


「でも?!!」


「私たちの主、【魔神】様ならご存知よ。彼はお気に入りだから。」


「い、生きているのか?!!」


「さぁ?それも【魔神】様次第じゃないかしら?私たちも今彼が何をしているのかは知らないのだから。・・・そこで提案があるわ。」


「・・・提案?」


そう言った彼女は怪訝な表情を浮かべる

敵対している魔族からの提案なのだから警戒するのは当然でしょうね


「私たちを見逃しなさい。・・・そうすれば【魔神】様を連れて来てあげる。」


「おまっ「黙っていなさい。」」


「私たちは命が助かる、貴女は闇雲に探す事なく【魔神】様に逢う事が出来、弟の事を知る事が出来る。・・・悪い提案では無いと思うけれど?」


「・・・・・・お前たちが【魔神】を連れてくるという保証は?」


「そうねぇ・・・ではそこで気絶している部下を人質にするわ。もし既定の日数までに【魔神】様が来なければ好きにすれば良いわ。」


私がそう答えると彼女は悩みだす

ただ彼女からすれば断る要素は何一つない筈だ・・・


私たちは一度戻り、お兄様が侵攻に行っている間にクロノスに残っている全兵士を投入して此処へ戻って来る

そして彼女を殺して知らぬ存ぜぬを貫き通す・・・


(マリトナは残念だけど・・・これが最上の策の筈よ。)


そう考えて悩む彼女を見てほくそ笑んでいた





いつも有難う御座います!!

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