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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
259/640

アカノの攻撃の衝撃


ーーガギィィンーー


ーーーギィィィンーーー


私と鬼人族の【魔王】の斬りあいは続いている

剣での技術であれば私の方が上だが、如何せん速度と攻撃力はあちらの方が上だ


「ガハハハハッ赤毛っ!!!中々やるじゃねぇか?!!!」


そう言いながらも容赦無く大剣を振り下ろしてくる

【赤炎】も頑丈な造りではあるが、相手の持つ大剣のが質量が上だ

万一にでも傷がついてしまえば対抗策が無い為にいなす戦い方となってしまう


「こうやって戦うのも悪くはねぇ・・・がなっ!!!」


そう言った瞬間、渾身の一撃が飛んでくる

それを軽く捌き、反転して胴を狙う


「ふっ!!!」


「お~っと!!惜しいな?」


間一髪で避けられ、距離を作られる

一気に間合いを詰めようかとも思ったが・・・剣速は兎も角、単純な素早さは相手の方が上だ

私は待ちの構えに切り替え、サークルエンドを発動させる


「いや~しかし、人族にもお前の様な奴がいるんだな?俺とここまで打ち合える奴は魔族でも極一部だけだぞ?」


「確かに貴方は強いですがね、力が弱ければ技術で補う方法を父から学んだもので。」


「ほぅ・・・良い親父殿だな。」


意外にも父さんの事を褒めてくる

魔族とは血と戦いを何よりも好み、それ以外は気にもしない存在と聞いていたが・・・


「ん?どうした?」


「いえ・・・貴方が父を褒めてくれたのが意外でして。魔族とは戦い以外はどうでも良いと考える種族だと思っていました。」


私がそう告げると、こめかみをポリポリと掻きだす

何か言いづらそうな表情だ


「あ~・・・まぁ間違っちゃっいねぇよ。実際俺もそうだったからよ。他の種族と絡むうちに心変わりってやつだ。」


「それは貴女方のいう【魔神】が関係しているのですか?」


「まぁそう言う事だ。天狗だった俺を主君は倒して見識広げてくれたんだ。・・・主君に感謝してるさ。」


「貴方が後れを取ったと・・・。成程【魔神】とは恐るべき存在ですね。」


「あぁ、主君は強いぜ?多分、俺たち3人で掛かっても負ける気しかしねぇな・・・。」


そう言った鬼人族・・・いやダンキと言われていたか

ダンキは嬉しそうな表情を浮かべる


「【魔王】2人とあの女性纏めても・・・ですか。とんでもないですね。」


私は3人纏めて戦ったとして、勝てる見込みは限りなく薄いと思っている

何しろ目の前の【魔王】1人でも手を焼いているのが現状だ

思い切って知りたかった1つを目の前の魔族に聞いてみる


「【魔神】とは・・・黒いローヴで、仮面を被った魔族の事ですか?」


私がそう尋ねた瞬間、彼の今までの気配とは違う・・・殺気めいたものがより明確に感じ取れる


「・・・何故知っている?」


「以前に人族領で出会いました・・・。」


「・・・人族領?・・・・・・!!!」


そう答えた瞬間、ダンキは非常に驚いた表情を浮かべる

そしてその直後に獰猛な笑みを浮かべ、さっきをまき散らしてきた


「はははっ!これは面白れぇっ!!!なぁ赤毛、俺はお前を・・・殺すぜ?」


「基よりそのつもりでしょう?・・・急になんなのですか?」


「なぁに、俺がやる気になったってだけだ。」


そう言って魔力を練り上げる


(明らかに今までとは違う魔力量だ・・・)


奴が魔力を練り上げている間に私も自分自身と【赤炎】にエンチャントを施す


「おらぁぁぁぁぁぁ!!!【傲慢ナル腕】ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


ダンキがそう言った瞬間、背中とわき腹後方に2本ずつ、計6本の腕を生やしてくる

ただ奴が戦闘態勢に立っただけにも拘らず、先程よりもプレッシャーが強まる


「お前ら人族は知らねぇだろうがよ、こうなった俺はちょっと・・・強ぇぞ?」


そう言った瞬間にこちらに向けて踏み込んできたかと思えば・・・すでに目の前に存在している

相手の剣戟を避けるのも間に合わず、大剣相手に直接防御してしまう


(明らかに・・・強い!!!)


私は【赤炎】にエンチャントを掛けた自分を褒めながらも対策を捻り出そうとしていた

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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